第3話[無関心]
あの馬鹿、その場所へ向かっていないだろうか。
心配する私に追い討ちをかける様にリリが呟いた。
「魔力の気配が二つする。」
居ても立っても居られず、私は部屋を飛び出し走り出した。
リリのナビ通り、目的地に向かう。
間に合え、間に合え。
心の中で何度も叫び、息が切れるのも忘れる位に私は走った。
「そんな…。」
リリがそう呟き、動きを止めた。
最悪な事が起きたのだろう。
リリの様子を見れば分かる。
だが、此処で立ち止まっている場合じゃない。
もしかしたらの可能性もある。
この目で確かめるまでは、私はその可能性を信じたい。
「リリ、立ち止まらないで、飛びながら何があったか話して。」
私の言葉に頷き、リリは飛びながら話してくれた。
魔力が一つ消えた事を…。
「それってつまり…。」
「死んだ可能性が高いわ。」
くっ、もしその場に真奈が居たなら…。
あの子は人を殺せない。
だから…。
変な事を考えるのは止めよう。
リリが言う目的地まで後少し。
そこに着けば、全てが分かる。
そんな時だった。
「嘘でしょ、もう一つの魔力が消えた。」
何が何やら理解ができない。
目的地の公園にたどり着き、魔力の気配を感じ、真奈の姿を発見する。
空に浮く複数の槍。
私は真奈を押し倒して、その槍を避けた。
地面に突き刺さる槍を見て、現状を理解する。
これはピンチなのでは?
私は真奈を抱え、その場から逃げようと試みるが…。
「逃がさない。」
奴は指を鳴らし、再び複数の槍を私達めがけ振り落とした。
「リリ、どういう事なの?」
魔法で物を作り出す事はできない。
そう聞いていたのに。
奴は複数の槍を作り出している。
「魔法少女を殺したから…。」
辺りを見回したリリがそう呟いた。
確かに二人の死体がある。
そう言えば、二つの魔力が消えたって言ってたっけ。
なるほど、死んだのはこの二人なのね。




