表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/138

第2話[依存]

帰宅しても一人。

テーブルには一万と置き手紙。

彼女はソレらを握りしめる。


「こんなんじゃ、愛を感じられないよ。」

「ママ。」


彼氏と別れた事が学校中に広まる。

それでも、彼女の美しさに惚れてしまい、俺ならばと男子達が彼女に告白をする。

だが、誰も彼女の愛を受け入れられなかった。

ある者は真夜中の連絡に耐えきれず。

ある者は彼女の送る傷口の画像に恐怖し、そしてまたある者は彼女の三股に激怒した。

次第に彼女は孤立し、周りからトイレと呼ばれる様になった。

ネットにその事を呟いても、周りからの共感は得られない。

何処にも居場所が無い。

彼女はスマホを投げ、そして叫んだ。


「どうして誰も私を愛してくれないの。」

「私はこんなに愛を与えているのに、どうして?」

「寂しいよ…、ママぁ…。」


母からの愛を感じられない。

それでも、彼女はクシャクシャになった、置き手紙にすがった。

愛していると書かれた紙に顔を押し当てる。

涙で文字が滲み、愛しているという言葉は破れてしまう。

もう駄目なのかもしれない。

私はもう、誰からも必要とされて無いんだ。

虚な目で呟く彼女の前に、妖精が現れた。


「可哀想に、世の中の魔獣共に追い詰められて…。」


妖精は桃香の頭を小さな体で抱きしめる。


「愛が欲しいのなら私が与えてあげる。」

「だからね、殺しましょう。」

「あなたに辛い思いをさせる、魔獣達を…。」

「あなたのその美しい手で…。」


この日を境に彼女は魔法少女として活躍した。

いっぱい殺せば褒めてくれる。

いっぱい殺せば愛してくれる。

そう、いっぱい殺せば愛してくれるんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ