第2話[異常]
朱音は作り出した剣を使い、狂美の両手両足にそれを突き刺した。
地面に剣の刃が深く突き刺さる。
地面に張り付けにされた狂美は痛みで大きな悲鳴をあげた。
「今、お友達を連れて来てあげるから」
そう言って笑う朱音の背後に桃香が忍び寄り、剣を突き刺した。
「フフフ、やった……」
喜びも束の間、桃香は朱音に簡単に首を刎ねられてしまう。
転がってもしばらく笑い続ける桃香を他所に、朱音は剣を抜き、傷口を治していった。
「さて、今度こそ本当にお友達を連れて来てあげるわ」
そう言い残し、朱音は華達を追いかける。
何とかしなきゃ。
そう思い狂美は無理にでも起き上がろうとするが、痛みで悲鳴を上げてしまい断念する。
少しだけ浮き上がった剣の刃から狂美の血が垂れ落ちる。
華と静香を助けなきゃいけないのに、痛みで体が怯んでしまう。
そんな狂美の姿を見兼ねて、パートナーの妖精が狂美に刺さった剣を引き抜こうと頑張るが、地面に深く刺さった剣を妖精一人が抜く事も出来ず、ただただ時間が過ぎていくだけだった。
しばらくして朱音が帰って来る。
その手には二つの首があり、朱音はその首を狂美の前に転ばした。
「そんな……、くっ……」
朱音に対し憎しみの感情を抱く狂美。
許さない、絶対に殺してやると強く思い、狂美は立ちあがろうとする。
「あはっ、凄い凄い」
そう笑いながら、朱音は剣を踏み浮き上がった剣の刃を地面へと戻した。
「殺せよ」
「はい?」
「殺してくれよ」
涙ながらに訴える狂美を見て、朱音は手を叩き笑う。
「ええ、今楽にしてあげるわ」
そう言うと朱音は剣で狂美の頭を貫き、極力痛みの無い様に殺してあげる。
狂美の首を切り落とし、愛おしそうにそれを抱くと朱音は一人一人にお礼を言い、その首を真奈の所まで運び、真奈の前に大切な仲間達の首を置いた。
そして真奈を顔を引っ叩き、目を覚まさせる。