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第2話[異常]

薄暗い公園。

昼間と違い静かで街灯に照らされた遊具が不気味さを醸し出している。

そんな中、私はブランコに乗り真奈達が来るのを待った。

キィキィとブランコを漕ぐ音が静かな公園内に響き渡る。

薄暗な公園から真奈の姿が見え、私はブランコを力一杯漕ぎ、その勢いを活かしてブランコから飛び降りた。


「朱音ちゃん、やっぱり止めようよ」

「私、朱音ちゃんと戦いたくない」


「あなたがそうでも、周りはそうは思ってないんじゃない」


私はそう言って可奈の前でハムスターを踏み潰した。


「真奈ごめん」

「コイツだけは許せないよ」


でしょうね、あなたは動物に救われたからこそ、動物の命は価値ある物だと感じている。

そんなあなたが動物の命を軽んじている私を許す訳が無い。

そして……。


「最低ですわ」

「罪のない生き物をこんな……」


悪を許さない彼女もまた私を許す事はないでしょう。

可奈とアリスを先頭に真奈以外の魔法少女が次々と私に向かって襲いかかる。

私は六人の攻撃を交わしながら待つ。

ただ殺すだけではつまらない。

魔法少女のあなた達にも可哀想をあげないとね。


狂美は攻撃を止め、一人考えていた。

何かが可笑しい。

これ程までに強いのに何故反撃をして来ない。

それに何故だか嫌な予感がする。

コイツには他の奴らと違い何だか不気味さも感じられる。

そんな事を考えている時だった……。


「皆んな、何してるの?」


静香の声が聞こえてきた。

迷わず静香めがけ剣を投げる朱音、私は咄嗟に動き、静香を庇った。

腹部に突き刺さる剣。

私は痛みに顔を歪ませながら、両膝を地面につけて吐血する。


「狂美ちゃん」


そう言って近寄る静香の体を私は押し退けた。


「お願いだから逃げて」


そう微笑むと私は力一杯叫ぶ。


「華、静香を頼む」


私の叫びに頷き、華は静香を抱えて逃げてくれた。

頼んだぞ華、静香を守ってくれ。


「可奈ちゃん、アリスちゃん」


真奈の叫びに振り返ろうとするが、背中に重みを感じて地面に体を叩きつけられてしまう。

背中に感じる感触から、足でグリグリされているのが分かる。


「狂美ちゃんから離れて」


真奈がそう叫び突っ込んで来るが簡単に返り討ちに合い真奈は吹き飛ばされ、公園内にある遊具に頭を打ち、気を失い気絶した。


「真奈ちゃん」


愛歌が真奈に近寄り抱き寄せる。


「愛歌、そのまま真奈を連れて逃げてくれ」

「このままじゃ……、みんな……」


何が起きたのか理解出来ないでいた。

気がつくと愛歌の首が転がり、愛歌の血が真奈にかかり、真奈の体が赤く染まっていた。

地面に血溜まりができ、力無く倒れる愛歌の体。

そして、剣を作り出し朱音はゆっくりと私の所へ歩いて向かって来た。

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