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第1話[可哀相]

真奈が順調に仲間を増やしていく中、私は命の価値について考えていた。

赤の他人と自分が飼っているペットの命、果たして価値があるのは何方だろうか。

愛情を持って飼育していれば当然ペットの命だろう。

だけど、観賞用に飼育している熱帯魚とかならどうだ?

比較的に魚や虫といった生き物は命を軽視されがちだ。

虫は子供でも簡単に殺せるし、魚は釣り人によっては食えないからという理由で路上に捨てられる。

よって犬や猫よりも虫や魚の方が命としての価値は低いだろう。

この事から考えるに命の価値は第三者によって決まるのだと私は考えている。


「なのに真奈、何故あなたは価値の無い命を守るの?」

「あなたにとって私の命は価値があるのかしら……」


これまで可哀相を求めて多くの人を殺してきた。

友人や両親をも殺した。

自分でも分かる。

私の命に価値が無い事が……。

ただ、友人や両親は殺すものじゃ無いわね。

お陰で見ず知らずの他人を殺しても何も思わなくなったわ。

毎日が退屈な日々。

早く来ないかしら。


数ヶ月後、私は真奈達に囲まれた。

六人全てを説得する何て凄いわ。

互いに自己紹介を済ませ、真奈は明るい笑顔で私を勧誘する。


「それでね、朱音ちゃんも私達と一緒に人助けをしない?」


私は真奈に笑顔を向け、ポケットに忍ばせた小石を魔法で剣に変え、そしてそれを見ず知らずの通行人めがけ投げた。


「これが私の答えよ」


目を見開き唖然とする真奈に私は言う。


「早く治療してあげないと、あの人死んじゃうわよ」


真奈を含めた三名の魔法少女が通行人の治療へ向かう。

その間、狂美が私に近づいて来て胸倉を掴んできた。


「フフフ、こんな昼間から私と戦うつもり?」

「私は迷い無く罪も無い人を殺すわよ」

「あなた達にその人達を守りながら戦う覚悟があるの?」


私は狂美を押し退けて前に進む。


「朱音ちゃん」


私の名前を呼び悲しそうな表情をする真奈。

そんな真奈に私は今夜、近くの公園でまた会いましょうと言い残して、その場から去って行った。



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