第3話[嫉妬]
「別にそんなつもりは無いわ」
「ただ、感情の無い彼女が真奈の復讐の為に此処へ来ている」
「そう思うと……、ああ、知りたい」
「彼女がどれだけ真奈の事を想い、どれだけ私達を憎んでいるのか、私はそれが知りたくて堪らないの」
恍惚な表情を浮かべる朱音を見て私は思った。
やっぱり朱音は変わっている。
まあ、別に二人を相手にしてくれるのなら、私はどちらでも良いんだけど……。
流石に私だけ三人の相手はちょっと面倒臭い。
その事を伝え、朱音は可奈とアリス、私は華と狂美の相手をする事になった。
さて、先ずは狂美から殺すか。
私は魔法で剣を作ると、それを構えた。
すると、華が私めがけ突っ込んで来る。
「あんただけは絶対に許さない」
そう言って攻撃して来る割には全然当たらないじゃない。
狂美の弾も当たらない。
あなた達はこの一週間、何をやって来たのかしら?
少なくとも私は朱音と一緒に戦い方を学んでいたわ。
私は隠し持っていたナイフを狂美めがけ投げる。
「くっ……」
ナイフは見事狂美に刺さり、隙を見せた所で私は剣で狂美の心臓を一突きした。
先ずは一人、次に朱音が戦っているアリスを狙う。
「はい、二人目も終了」
朱音の攻撃を受け、手負の可奈も始末して、残るは華だけだ。
「くそっ、私にもっと力があれば……」
「あんた達、絶対ロクな目に……」
私は華の話しを最後まで聞かずに始末した。
コレで全ての魔法少女は殺した。
「凄いわ愛歌、魔力が溢れている」
ええ、確かに魔力を感じるわ。
心地良くて身を任せてしまいそう。
ああ、人を殺したい。
私から良くない物を感じたのか、朱音は漆の名前を出して来た。
そうよ、私は何をしているのよ。
私が身を任せていいのは漆だけ。
こんなのに身を任せてどうするのよ。
「凄いわ愛歌、好きな人を想い、魔力の暴走を止める何て、貴女の愛は本物だわ」
「ありがとう、でも流石に少し疲れたわ」
「帰って休みましょ」
「ええ、そうね」
私は自分が何をしでかしたのか、ちゃんと考えようとしなかった。
人を殺した罪。
そのせいで私は酷く後悔する事になる。