第2話[愛の魔法少女]
魔法少女になって思った事は中々大変だという事だ。
平日は学校、夕方には宿題や予習をして夜になると魔獣狩り。
その他にもモデルの仕事に漆との遊ぶ時間。
かなりのハードスケジュールに時間が全然足らない。
ああ、一日四十八時間にならないだろうか。
そうすれば、もっとゆったりとした生活が出来るのに。
そんな下らない事を考えている私の前に彼女が現れた。
「初めまして、あなたが白浜愛さん?」
「それとも芸名の愛歌さんって尋ねた方が良かったかしら?」
何だコイツ。
私の熱狂的なファンか?
偶に事務所に届くファンレターに髪の毛を送ってくる奴とか居たけれど、ここまで調べ上げる奴は初めてだわ。
さて、どうする?
殺しちゃうか?
私がそんな事を考えている時だった。
彼女の後ろから妖精が現れる。
まさか、彼女も魔法少女なの。
「朱音、コイツ何か悪い事考えてたわよ」
「コイツとか言わないの、ちゃんと教えたでしょ、名前で呼びなさいって」
「ごめんなさいね、怖がらせちゃったかしら」
「まあ、無理もないよね」
「初対面でいきなり本名を言われちゃ、警戒もするよね」
初めて他の魔法少女と出会った。
ニニから聞いていたが、まさか身近に居た何て……。
「私ね、貴女に興味があるの」
「だって、不倫や二股とか、そういった人……、いや魔獣ね」
「そういった魔獣を狩る魔法少女なんて貴女以外、居ないんだもん」
「ねぇ、もっと詳しく話しを聞かせてくれない?」
本来ならこういう奴は相手にしないのだが、私も他の魔法少女がどんな感じなのか興味があった。
この子は何の目的があって魔法少女になったのだろうか?
それに、この子はさっき貴女以外居ないと言った。
それってつまり、他の魔法少女について何か知っているって事だ。
私は彼女を近くのファミレスに誘った。
そして、他の魔法少女について詳しく話しを聞く事にする。
「そうね、私が今知っている魔法少女は三人」
「狂美と華と真奈って子ね」
狂美と華と真奈かぁ。
私とこの子を含めたら五人。
結構居るのね。
もっと別の都道府県に居るものだと思っていたわ。
ニニの話しだと、魔法少女は全部で七人か、これだと残り二人もこの辺りに居そうね。
「あっ、そうそう」
「魔法少女は全部で八人居るって知ってた?」
朱音のその言葉にニニが反応する。
「は?」
「そんなのあり得ないわ」
「それがあり得るのよ」
「私も八人目の魔法少女を見た時は驚いたわ」
「だって、名前も顔も知らない妖精が居たんだもの」
「なっ、そんな訳無いじゃない」
「私達、七人揃って此処に来たのよ」
「八人目何て居なかったでしょ」
「知らないわよ」
「後から女王様が追加で人間界に送り出したんじゃないの」
「だとしても、顔も知らない何てあり得ないでしょ」
「此処に来れるのは妖精界でも、とびきり優秀な妖精だけよ」
「無名で顔も知らない様な奴が来れる所じゃないの」