最終話[地獄]
「死ぬ事なんて考えんなよ」
「そんな事を考える暇があるなら、どうしたら生きられるのかを考えろよ」
「お前は強いんだから」
私が強い?
そんな訳ない。
今でも一人生きていく自信何て……。
「大丈夫、困った事があれば私も力を貸すから」
「だから生きて、華ちゃん」
真奈ちゃん……。
気付くと私は地上に立っていた。
火口に身を投げた筈なのに……。
「ねえ、ミミ」
「今の私ならどんな魔法でも使えるかな?」
「ええ、その膨大な魔力なら多分だけど何でもできると思う」
「そっか、私ねハルが殺される前まで時間を巻き戻そうと思うの」
「なっ、流石にそれは無理よ」
「恐らく、華の魔力が上がったのは魔法少女を殺したから」
「だから、ハルが殺された時まで戻るのは不可能だわ」
「だったらその時、また考える」
そう、もう私は死ぬ事を考えない。
生きる事だけを考える。
狂美が私に言ってくれたんだから。
真奈ちゃんが力を貸してくれるって言ってくれたんだから。
私は私の中で眠る魔法少女達に語りかける。
力を貸してくれるように……。
心の中でアリスを感じた。
真っ先に力を貸してくれたのだろうか?
「真奈達だけズルいですわよ」
「私だって、華の力になりたいですわ」
そう言っている様に感じた。
次に感じたのは三人。
真奈ちゃんと可奈と狂美かな?
「頑張って華ちゃん」
「私もあなたに協力するわ」
「全く、初めからそうしろよな」
それぞれがそう言っている様に感じた。
ありがとう皆んな。
次に感じたのは名前も知らない魔法少女。
彼女は何だか寂しそうに涙を流している感じがした。
「どうして泣いてるの?」
私がそう語りかけると彼女は生き返っても意味が無いと私に話してくれた。
誰からも愛されず、誰からも必要とされない。
だから生き返りたく無いと私に話してくれた。
このままの方が良いと、独りぼっちじゃないからと……。
「約束するよ」
「生き返ったら、私はあなたを捜す」
「そして独りぼっちにはさせない」
「だから力を貸して」
「本当に?」
「約束だからね」
そう言っている様に感じ、彼女は私に力を貸してくれた。
残すは後二人、愛歌と朱音だ。