第2話[依存]
八人目の魔法少女。
彼女の名前は倉暗真奈。
魔法少女の殺人を止めるべく、彼女は日夜歩き回っていた。
そんな彼女が今までに出会った魔法少女は三人。
その内の一人にアリスは含まれている。
「また、あなたなの。」
不快そうな表情を浮かべるアリス。
自分の正義を邪魔する真奈が邪魔で仕方ない。
「ひどい…、二人も魔法少女を殺すなんて…。」
口を塞ぐ真奈に、アリスは状況を説明した。
「私が殺したのは一人よ。」
「もう一人はこいつが殺したのよ。」
狂美の遺体を指差すアリス。
「まさか、魔獣が魔法少女に化けていた何てね。」
上品に笑うアリスに真奈は「間違っている」と呟いた。
その言葉に過剰に反応するアリス。
彼女は自分の行った正義を否定されるのを極度に嫌う。
「あなた馬鹿じゃなくて?」
「こいつは、正義の味方の魔法少女を殺したのよ。」
「放っておけば、大勢の人が死んでたわ。」
「同じだよ。」
「は?」
「同じなんだよ。」
「人を魔獣と称して殺している時点で、あなたはその魔法少女と同じなんだよ。」
一緒?
この私が、この快楽殺人者みたいな魔法少女と一緒ってわけ?
何をおっしゃっているのかしら…。
本当に何をおっしゃっているのかしら…。
「ツツ、私は何か間違っていて?」
「アリスは何も間違っていないよ。」
「間違っているのはアイツ、アイツの方よ。」
「まったく、妖精ならちゃんとした奴を選びなさいよ。」
そう、間違っているのはアイツ。
アイツなのだ。
私は何も間違っちゃいない。
私の正義は…、間違い何かじゃ…。
独り言の様に自問自答を繰り返すアリスに真奈は容赦なく意見した。