第1話[変化]
「出てきなよじゃないわよ」
「人の契約の邪魔しといて何が出てきなよよ」
出てきた妖精が文句を言う中、狂美ちゃんが私に話しかけて来た。
「コイツら妖精と契約して私らは魔法少女になったんだ」
「なあ華、お前も魔法少女になって悪と戦わねーか」
悪と戦う……。
私が……。
「私に出来るかな?」
「大丈夫だよ」
「華ちゃんは妖精に選ばれた人なんだよ」
そう言って真奈ちゃんは語る。
目の前に居る妖精が私の事をつけ周り、調べていた事を。
「私も魔法少女になる前に真奈と可奈に助けて貰ったんだ」
「もし二人が駆けつけてくれなかったら私はカカと契約して人を殺していたかも知れねー」
そう言って狂美ちゃんは悲しそうな表情を浮かべていた。
もし、三人が駆けつけず私が魔法少女になっていたら……。
私は静香を見て、三人が駆けつけてくれた事に感謝した。
ハル達を殺さなくて本当に良かった。
もし、殺していたら私はきっと後悔していた筈だから。
「ねえ華……、私と契約してくれる?」
恐る恐る尋ねてくる妖精に私は笑顔で「うん」と答えた。
変わるんだ。
私も三人みたいに強く……。
「よし、それじゃ妖精に頼んで今日の出来事を無かった事にしちまうか」
「ついでに皆んな仲が良かったって事にしてよぉ」
「えっ、そんな事ができるの?」
私の問いに狂美ちゃんが答えてくれた。
妖精は人の記憶を操作できるらしい。
この力を使ってハル達の記憶を操作して今日あった出来事を無かった事にし、私と静香を仲の良い友達だと記憶をすり替えるつもりだとか。
「待ってくれない、その……、出来れば記憶を操作しないでほしいんだけど……」
「あっ?」
「そしたら内心書に響くだろうが」
「プッ、あんた学力だけで何とかするんじゃなかったの?」
「結局、気にしてたんだ」
「可奈テメー」
二人が戯れ合う中、真奈ちゃんが私に話しかけて来た。
「本当にいいの?」
「うん、ハル達とキチンと向き合おうと思って」
「そっか、分かった頑張ってね華ちゃん」
こうして私は妖精と契約し真奈ちゃん達の仲間になった。




