表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/138

第5部第1話[変化]

ハルが私のお店に来て花を買おうとしている。

そんなハルに私は笑顔で接客し、サービスとして彼女に花をプレゼントした。

私は彼女に取り入ろうと必死だったのだ。

ご機嫌なハルを見て、私はホッと胸を撫で下ろす。

彼女の機嫌を損ねてしまえば私がイジメのターゲットにされてしまう。


「ありがとう華、すごく嬉しいわ」


「うん、その花言葉はね……」


少しハルと会話をし、ハルはご機嫌で帰っていく。


「また明日学校でね」


「うん、また明日」


どうやら彼氏に花を贈るらしい。

私はお手伝いを終えると静香の家へ向かった。

今日の事を話し、静香を安心させてあげる。


「そっか、ハルちゃんが華ちゃんのお店に」


「うん、ハルとも仲良くやってるし私は大丈夫だよ」


「良かった」

「それにしてもハルちゃんに彼氏かぁ〜」

「好きな人にお花を贈るなんて素敵だね」


「うん」


私も静香と同じ意見だ。

好きな人にお花を贈るかぁ。

私もそんな日が来るのだろうか。

何はともあれ、ハルには彼氏と上手くやってもらいたいものだ。

そう思っていたのに……。


翌日、私の席に花瓶に入れられた花が置かれていた。

その花を見て私は心底傷ついた。

何故ならその花は昨日、私のお店であげた花だったからだ。


「あっ、やっと来た」

「私の愛しい彼氏様」


悪びれる事無く私に話しかけて来るハル。

そんなハルに私は笑顔で接する。

そうするしか私には選択肢がないからだ。


「ねぇ、嬉しい?」


「うん、すごく嬉しい」

「ありがとうハル」


私は瞳に涙を滲ませながら彼女にお礼を言う。


「泣く程嬉しいんだ」

「そりゃそうだよね」

「私達、相思相愛だもんね」


「うん、そうだね……」


私は辛くて俯いた。

そしてホームルームが始まり、担任の先生が私の席にある花に気づく。


「華さん、その花は?」


私はハルの指示通りに席を立ち、そして叫んだ。


「フラワーショップ花花、只今経営困難です」

「どうかクラスの皆さん、私のお店を救って下さい」

「私のお店でお花を買って下さい」


私はクラスの皆んなに席に置かれた花を見せる。

そんな私を見て、ハル達は笑っていた。


学校が終わり、私は静香の家へ向かった。

彼女の側に居られるだけでいい。

今日起きた出来事も我慢できる。

我慢……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ