表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/138

最終話[愛]

彼女は語る。

膨大な魔力を手にしたら何ができるのかを……。

その魔力を使えば人を生き返らせる事も可能なのではないかと……。

朱音を殺し、他の魔法少女も殺せば私はとてつもない魔力を手にする事ができる。

そうすれば皆んなを生き返らせる事だって出来るかも知れない……。


「でもあなたはそれでいいの?」

「真奈は人殺しのあなたを愛してくれる?」


「えっ?」


「出会う前ならいざ知れず、出会った後でもう誰も殺さないと約束して更には自分が生き返る為に人を殺した」

「そう知ったら真奈はあなたを今まで通り、愛してくれるかしら?」


「愛してくれるよ……」


「本当に?」


愛してくれるよね?

愛して……。

駄目だ、真奈ちゃんの喜ぶ顔が想像できない。


「だったらどうすればいいのよ」


「簡単な事よ、真奈を生き返らせなければいい」


ふざけないでよ。

それじゃ何の意味もないじゃない。

何が幸せよ。

何が愛よ。

コイツは何も分かっていない。

私がそう思っていると、朱音は不気味に笑いながら私にこう提案してきた。


「真奈を生き返らせず、世界を支配すれば良い」

「そして、世界の中心にお城を建てて、人々に命じるの」

「私の手の甲にキスしなさいってね」


彼女は私の耳元でそう囁くと、私の手を取り、そして私の手の甲にキスをした。


「あなたはこれから世界中の人々から愛されるお姫様になるのよ」


私がお姫様……。

素敵。

朱音ちゃんの言葉が私の胸をドキドキさせてくれる。


「さあ、立ち上がってお姫様」

「私と一緒に残りの魔法少女を殺すの」

「そして最後はあなたの手で私を殺して?」

「私をあなたの心の中に住まわせてくれる?」


「うん」


私は朱音ちゃんと一緒に理想の世界を作る為、残りの魔法少女を殺した。

そして、最後に朱音ちゃんも……。


数年後。

私は世界を支配しお城を建てた。

何処が世界の中心か分からなかった為、人が集まりそうな場所にお城を建て、男女問わず私の手にキスをするよう人々に命じた。

私の前に跪き、私に愛を囁いて手の甲にキスをする。

フフフ、皆んな可愛い。

そして皆んなが愛おしく思える。

ねぇ、真奈ちゃん見てる?

私今、幸せだよ。

皆んなに愛されて、皆んなを愛し、本当に幸せ。


「ありがとう朱音ちゃん」

「朱音ちゃんの協力のお陰で私、幸せになれたよ」


私は殺した筈の朱音ちゃんにお礼を言った。

彼女ったら、私を愛し過ぎて私の背後にいつも幽霊として現れるんだもん。

本当に私の事が大好きなんだね。

私も彼女に愛を与えちゃう。

フフフ、アハハハ。


桃香END

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ