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第1話[加害者]
華の死亡と同時に姿が消えていくミミ。
魔法少女が死ねば、妖精は消滅してしまう。
公園内に響き渡る狂美の笑い声。
「そうさ、弱者は魔獣。」
「弱者は…。」
狂美の頬が膨らみ、血が吐き出される。
腹部の違和感、視線を下ろし狂美は理解した。
狂美のお腹を突き破り、異様な存在感を放つ刃物。
「フフフ、アハハハハハハ。」
笑う度、お腹が痛み、血のシミが広がる。
だが、笑いを止める事はできなかった。
そうか、結局私も弱者だったんだ。
ゆっくりと刃物が体から抜き取られていく。
狂美の体は力なく地面に倒れ、カカの姿が消滅した。
「実に不愉快ですわ。」
そう言うと彼女は血で汚れた鎌を布で拭き、綺麗にしていく。
「さっすが、アリス。」
「カッコいい。」
「フフフ、ありがとう、ツツ。」
妖精と会話を楽しむ中、八人目の魔法少女がアリスの元へ現れた。