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さすらいの獣  作者: Tt
2/3

紫の太陽

第2話です

よろしくお願いします

前回までのあらすじ

宇宙テレーゼ随一の大きさを誇る惑星グリーゼが突如として爆発し、始まりの獣が目を覚ます。それに誘発されるように宇宙各地で突如として異常事態が多発し始めたのだった。そして外縁部に位置するUR星系OU惑星では謎の青年が目を覚ましていた。





UR星系OU惑星 大気圏外


自然豊かなUR星系の住む人、生き物、木々、全ての生命が吸い取られるかのように消えていた。

眠りに就いた時は思い出せないがそれでも自然豊かな星系であったことだけは覚えている。何があったのだろうか。もしかしたら天変地異が起きたのかもしれない。それとも長期にわたる自然破壊の結果だろうか。どちらにせよ異常な事態が起こっていることは間違いない。もしかしたらこの星系以外の、最悪の場合宇宙全体で同じような現象が起こっているかもしれない。

「やはり怪しいのはあの太陽か。」

OU惑星に背を向け、怪しげな紫の太陽を見る。やはり太陽からは何らかの視線を感じる。が、それは心地のいいものではなく、どこか淀み、どこか憎しみのある視線であった。

 「調べてみる価値はありそうだ。」

私は紫の太陽の近くまで移動し調べることにした。

宇宙空間を浮遊し太陽まで残り200メートルを切った時だった。

ビュッという風を切る音が私の横を通り過ぎて行く。

少しばかり頬が強ばったかと思えば赤い球体が周りに飛び散り浮遊した。

やはりあの太陽には何かがいる。

私は飛行速度を上げ太陽に近づいて行く。

目視できない何かが私に向かい飛んでくる。

飛行速度をひたすら上げすんでのところで何かを全て回避する。

太陽まで残り50メートル。そこで私は太陽の正体が「獣」であることに気づいた。

その獣の名は「火の獣」と言っても、火の獣から溢れ出た力が星に宿り形を持っただけのただの人形だ。

二本の角と鋭く大きな牙。体表は赤茶の鱗だろうか?獣と言うより龍といった方が正しいかもしれない。そして大きさは私の数千倍はくだらない。

「すまないが死んでもらうぞ。」

私は紫の太陽に右手をかざす。

この星系の異常の原因は間違いなくこいつだ。こいつからかすかにこの星系の生命を感じる。

「fう..つの力g…まjwり…時、厄災wおhあらいt…安寧を。」

記憶から溢れ出る言葉を淡々と静かにつぶやく。体の中がじわりと熱くなり右手の手のひらには白い球体が浮かび上がっている。

「ホワイデルコウセン」

右手の球体は収束し、一筋の光となって獣目掛けて放たれた。矢のように鋭く速い光は獣の額に突き刺さり難なく貫通した。

数秒の後、獣の体が白く輝き、静かに爆散した。そして緑に輝く粒子が星系の星星へと降り注いだ。

紫の太陽のあった場所には小さな赤い欠片が浮かんでいた。それを手に取った瞬間、火の獣の記憶だろうか?それとも今いる場所なのだろうか?果てしなく広がる湖の映像が脳に流れ込んできた。脳に直接、情報を押し込まれているようでクラクラする。



しばらくして映像が流れ終わったのだろうか。私の意識ははっきりしており白い光の筋が赤い欠片から伸びているようだった。

「この先に行けということだろうか。」

正直なところ、記憶は曖昧で、自分が何者なのかも分かっていない。そしてこの宇宙で何が起こっているのかも分かっていない。

それでもかすかに覚えているのは私のいた惑星とテレーゼという神の存在。そして私には大きな役目があるということ。そして何故か出てくる獣の知識、そして気づかない間に発していた詠唱と、放たれた光線。

私には不確定であり、未知の部分が多くあるのだろうか?しかし、今すぐどうにかできることなどひとつもなく欠片から出る光を辿り、この宇宙を旅し、見ることに決めた。

次なる目的地である湖の惑星を目指すべく飛行体制に入る。飛び立つ前に振り返り、UR星系を見た。緑の光の影響か、ポツリ、ぽつりと生命の息吹や生命を感じることが出来た。

「戻ってくる頃には元の状態に戻っていてくれよ。」

一応、自分には帰る場所がある。そう思うと少しばかり心が軽くなった気がし、私は次なる惑星をめざし飛び立った。


to be continued








〜解説〜


紫の太陽・・・火の獣から溢れた力が星に宿り形を得たいわば人形。体長、体重共に不明。攻撃方法は黙認できないほどの速さの刃を放つ。


ホワイデルコウセン(光線)・・・主人公の使う光線技。威力はタメによって変わり、収束させればさせるほど貫通力が高くなる。


赤い欠片・・・力の結晶体。火の獣は赤色、水の獣は青色、土の獣は黄色など獣の名前や属性によって結晶体の色が変わる。結晶体内部には獣の力の本質が宿っており、欠片だけでも星を攻め落とすことが出来る。


???・・・身長は獣(紛い物)の数千分の一である。この宇宙の惑星、特に外縁部の星は小さい傾向がありOU惑星などは直径が1000メートルである。紫の太陽はそれより3倍ほど大きかったので、その数千分の1が彼の身長である。つまり1m以上2m以下である。

使える光線技は今のところホワイデルコウセン(光線)。それ以外にもあることだろう。


詠唱・・・技の発動時トリガーとなる言葉。長ければ長いほど強力な技が発動する。


湖の惑星・・・惑星の9割9分が水で覆われた惑星で火の獣の記憶にでてきた。

読んでくださりありがとうございます

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どうぞよろしくお願いします。

3話の投稿日は未定ですのでご了承ください。

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