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エゾとの会話

「うーん、どうしようかな」


 今日はいつもより尾行者の数が少なく、突き刺さるような殺気がなかった。


 完全に諦めて、撤退してくれればいいのにと思う。

 私がいつも通り撒くか、数が少ないことを好機としてうっとおしいネズミを叩き潰すか迷わなくていいから。



「リミ」

「あ、エゾ。奇遇だね」  


 うーんと悩んでいると、エゾが通りかかった。

 夜にグラマの店で会うことはよくあるが、日が出ているときは行動パターンが違う。

 昼は暇なのでよくぶらぶらと歩き回っているが、エゾは仕事があり頭を使うことで頼りにされているらしいから拠点にいることが常だ。


「一人は珍しいね」


 エゾは頭はいいが腕っぷしはダメダメなので、いつも仲間と連れ歩いている。


「特殊な仕事だからな」

「そうなんだ。気を付けてね、ここら辺は安全とは言い難いから」

「リミとは違って、考えなしに動いているんじゃないから大丈夫だ」


 せっかくの親切からエゾの言葉で、くだらない言い争いに変わる。

 いつものことだが、結局最後にはバカ、弱いくせにとなるのだから不思議だ。



「リミは何をしていたんだ?」


 エゾは先程のがなかったように、そう聞いてきた。

 切り替えが早い。

 私はバカにされてまだムカムカしているのに。

 落ち着いてきたのを見計らっている節があるから、余計腹立たしい。


「別に。歩いていただけ」

「……まだ怒っているのか?短気は直したほうがいいぞ」

「余計なお世話だよ」


 ぷいっとよそを向いて拗ねると、エゾは追求するのをやめて「何か悩んでいなかったか?」とズレた話を元に戻した。


「悩み?……あー、迷っていたんだよ。尾行者を叩き潰すかどうかを」

「前言ってた奴らか?まだ続いてたんだな」

「うん。今日は少ない人数だから、逃げられずにできるかなって思って」

「やめといたほうがいいんじゃないか?」

「なんで?」


 エゾが言うには、仲間意識が高いから余計付きまとわれ、殺し合いに発展するかもらしい。

 たしかに連携プレーは良かったから、そんなことが起こる可能性はある。


「なら、やめておこうかな。エゾが言うならあっているだろうし、面倒くさくなるのは嫌だからね」


 しばらく話をして、それからエゾと別れた。

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