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7-2-3 香蓮との会話

3話連続投稿最後。

脱線ストーリーのはずがめっちゃシリアスで話上重要っぽくなっちゃった。

 どうも焔です。前回は、香蓮に呼び出され寝転び湯に浸かってます。


 寝転び湯は、お風呂のように全身を浸かる訳ではなく名前の様に寝転び入る温泉だ。

 湯量は、少なく寝転がった状態で約半分程度湯に浸かる程度で普通に風に体がさらされるが、湯が普通より暖かいため程よく感じる。


「ふぅ~気持ちいい。まさか、こっちの世界で温泉を味わえるとは、思わなかったわ。」


 香蓮も俺の横で寝転び湯に浸かっている俺は、仰向けだが香蓮は、うつ伏せだ。なぜそんなことを説明するかだって?そりゃうつ伏せだぞ。何とは言わないが大きな山脈がつぶれてはみ出してるんだぜ。


「焔は、いつから日本に戻れるようになったの?」


 怒る訳でもなくただ興味があるように話しかけてくる。

 俺が香蓮の立場なら何故教えてくれなかったのかと怒ってる気がする。


「無剣が使えるようになって程なくしてかな。」


 ここで嘘をついても仕方ないため本当のことを言う。多分ここでの会話で俺は、嘘をつかないだろう。例え嘘が香蓮を救うもので有っても俺は、すべて話すだろう。


「ということは、最近か。」

「そうだな」


 気まずい。温泉自体は、気持ちよく体は安らぐが心は、冷たい。


「なんで教えてくれなかったの?」


 少し震えているように聞こえたがあえて香蓮の方を見ない。


「言い訳をするなら安全性が未知数で失敗した時の代償が怖かった。というのと本音は、今の生活が終わる気がしたからだ。」


 言い訳も本音も正直本音だ。

 無剣も無鍵も正直俺には、未だしっかりとした概念が分からない。

 無を扱うと言う大雑把な概要は分かるが無が何か。使用中に別の事を考えてしまった場合どうなるかが判らないと言った危険性がある。

 今、俺は、無を何にでも変化できる物という考え方のもと使っている。

 万能でありながら危険性しかないアイテムを公表し使う気にはなれない。

 ならなぜ前回迦羅と悟空を連れて使ったかと言うと、あの二人は、神でありあの実体は、神格を使った分身のようなもので例え死んでも復活できるという保険があったからだ。俺は最低だな。

 そして本音の方は、予想というかそんな気がしたからだ。

 このまま、俺の能力で日本に帰ってハッピーエンドにしてしまうと今までの冒険や頑張っていたものが全てパーになってしまう気がしたんだ。


「そうなんだ。なら焔は、今後どうする気なの?」

「とりあえず、不本意だが創造主のシナリオ通りカムスを平和にする。その為の人魔混合国グラングエルを建国する。誰かが死ぬ平和ではなく、全員が生き手を取る平和を目指してな。」

「例えば、魔族の中で魔神を召喚しようとしたり、アスやシヴァの様に二十四の獣が暴れたらどうするの?」

「とりあえず話し合ったり出来ればそれに越したことは無いが、出来なければ殺す。例えそれが身内で有ってもな。」

「分かった。とりあえず焔の考えている事は、理解した。だけどひとつ言わせて」


 背中で香蓮が起き上がったことが分かった。

 何をするのかと思ったら俺の顔を両手ではさみ顔を合わせてきた。


「焔が何を考えてるか私には、正直分からない。焔からしたら私たちは、足手纏いの道具かもしれない。だけど私たちは、焔を主と認め例え道具として使われようと、盾として一生を終えようと良いと思ってるぐらいには、貴方を慕ってるから、もう少し…私たちを頼って。」


 香蓮は、真剣な目で俺に言うがその目からは涙が零れていた。


「ごめん、嬉しいけど多分俺には、誰かを頼ることは、出来ないだろう。信用したとしても信頼は、出来ないだろう…たった二人を除いてな」


 日影と創造主しか知らない俺の闇で有り過去。

 其れのせいで俺は、壊れ今の自分がある。

 創造主からすれば笑顔でそれは逃げだというかもしれないがごく一般だった俺からすれば逃げであってもそうするしか他無かった。


「焔に何があったか分からないし。焔がよく言うように言いたくないなら聞かない。だけど一つ信用も信頼も要らない、それこそ私たちの事を道具だと思ってくれていいからもう少し焔の荷を背負わせて」

「はぁ焔、香蓮もこう言ってるし少し人を信用してみれば。」


 俺と香蓮だけの世界に一人堂々と入ってくる。

 それは、俺が一番信頼しており、この世界で唯一心を許せる女性で有り俺の神様だ。


「まさか俺の過去を知りその苦しみを知る日影からそう言われるとは思わなかったぜ。」

「焔の苦しみを知ってるからこそ、言ってるんだよ。このまま進んでもいいけどそうしたら過去のままだよ。」


 日影に抱かれた。

 下卑た意味ではなく、愚図る子供を抱く母親の様に優しく温かいものだった。

 温泉でも温めることのできなかった心を温めてくれる温もりだ。


「俺には、判らない。香蓮が俺の考え方を判らないように俺もお前たちの気持ちが分からない。正直言うと今の関係は、利益関係や力的な関係だと思ってる。俺の力が本当の意味で零になった時瓦解するほど脆い関係だと思うってる。」


 なんでだろう日影の温かさや香蓮の真剣さに内に抱えていた感情が流れ出していく。

 今の俺は、本当の意味で裸だ。感情や体・心全てがこの二人にさらけ出されている。


「それが怖い。この冒険が終わった後何も残らない気がして怖い。だけど誰かが傷つき俺の目の前で無残に死ぬのは見たくないんだ。」

「教えてくれてありがとう」


 日影とは反対から暖かさを感じる。

 香蓮も日影と同じように抱いたからだ。


「焔の本音が聞けただけでも今日こうして話した価値があったよ。だけど最後に一言言わせて、私香蓮は、例え焔が今と違って超ヘタレのキチン野郎に変わったとてこの愛情や恋愛感情は、変わらず一生貴方の眷属として生きる覚悟があるから少しだけでいいから頼って。」


 何度も言われる香蓮からの純粋な好意にどう返事すればわからず。

 嬉しさと自分の弱さに対する悔しさに泣くことしかできなかった。


読んでいただきありがとうございます。

乾燥お待ちしております。


次回は、01/01(火)です。

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