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1-4 魔法訓練

 どうも焔です。現在剣術訓練が終わり昼飯をとっているところです。


 食堂の席に着くと、昼ごはんが配られた。今回の献立は、何かの肉のステーキとパンだった。

 午前中に魔法を習っていた人たちも、丁度昼飯らしく凛音と詩紋がいろいろな話をしている


「詩紋~魔法の訓練ってなにやったんだ?」


 凛音がパンを頬張りながら質問している


「今回は、魔法とはなにかの座学と魔力を感じる訓練などすごく初歩的なものだったよ」

「へぇ~。俺は、魔法系は多分適正無いから、午後からは筋トレとか騎士に稽古してもらう予定だけど、詩紋もがんばれよ。俺らは、勇者のパーティーメンバーだからみんなの憧れになれるようになろうな」


 凛音が決意したような事を言っていた


「わかってるよ。まあパーティーを決めるのは、香蓮だからね。選んでもらえるように頑張るさ。僕は、午後も魔法の訓練参加するよ。凛音もがんばってね」


 そんな話を聞きながらご飯を食べていると、視線を感じそっちに視線を向けると、遠くにいる香蓮が、こちらを見ていた。香蓮は、何とも言えない顔をしていた。あれ?俺何かしたっけって考えていると香蓮が俺を見ていることに、気付いた男たちの視線が突き刺さる。


「俺、何か悪いことしたっけ…」


 俺は、自分の言葉を思い出しながらご飯に集中することを決めた。


 ~~焔たちご飯&魔法訓練所まで移動~~~


 俺らは、ご飯を食べ終わり魔法訓練所に向かった。魔法訓練所は、学校の体育館みたいな感じの大きさの建物で、奥のほうに的のようなものが置かれている。壁は普通の木製だが、表面に乳白色の幕が張ってある。


「今回、私たちに魔法を教えてくださる。王宮魔法使いの皆様です。」


 香蓮は騎士たちを紹介した時と同じ紹介をした。


「今日から1週間、魔法を教える者じゃ。みなからは、賢者とよばれておるゆえ気軽に賢者と呼んでくれればよい」


 賢者と名乗った老人は、腰が曲がっており髭も床につきそうなほど伸びているが、物言えぬ威圧感がある。


「では、まず魔法とは何かを簡単に説明しよう」


 ~~賢者説明中~~


「ということで魔法とは、自分の中にある魔力を使い詠唱をして火などを出すものじゃ」


 賢者の説明をまとめると、

 ・基本的に魔法とは魔族の使う魔術を人間でも使えるように改造したもの。

 ・魔法には属性があり、基本○○魔法の○○の部分が属性となる。

 ・魔法は魔力を消費し詠唱することで発動する。

 魔力消費は、自分の部屋で試行錯誤していたから知っていたが、詠唱はしたことが無かったから初めて知った情報だ。


「まあ座学ばっかり勉強したところで、魔法など使えん。試しに使ってみるのが大切じゃ」


 しゃべりながら奥の的のほうに向かった。クラスメイトもそれに続くように、ぞろぞろ移動している。


「初めに儂が、見本を撃ってみるから見ているのじゃぞ。」


 言い終わると賢者は、何かつぶやきながら指に魔力をためている。


「火の精よ我に力を…ファイヤーボール」


 詠唱が終わり、賢者が魔法名を叫ぶと拳ぐらいの火の玉が賢者の手から出てきた。出てきた球が、的に当たるとボンッと爆発音がなり消える。


「これが魔法じゃ、じゃが魔法を撃つには、魔力を感じなきゃならぬ。だから今から一人一人儂が、おぬしらに魔力を流し魔力を感じてもらう」


 近くに居たものから手を繋ぎ、魔力を流している。クラスメイトは、初めての感覚に戸惑っているが、何人かは魔力を淡々と感じているものも居た。


 ~賢者指導中~


「魔力を感じたものも、何人かおるみたいじゃのう…」


 賢者は何人かを見た。その中でも特にみていたのが、香蓮と詩紋だった。そして最後に何故か俺のほうを見ている。目が合うと何かを読み取ろうとしてきた。


「まあ良い。では次に魔力を感じたものは、魔法の実戦訓練じゃ。名前を呼ぶゆえ、的の前に居る魔法使いの方に行ってくれ。他のものは、魔力を感じるまでさっきの繰り返しじゃ」


 話し終わると、数人の名前が呼ばれた。当然その中に詩紋と香蓮の名前があった。あと俺と4,5人呼ばれた。


「今から、魔法を教える魔法使い部隊の長をさせてもらっているものだ。簡単に隊長とでも呼んでくれ」


 自己紹介したのは、魔法使いの中で賢者の次に魔力が多かった男だ。年齢的には、20歳前後でめっちゃイケメンだった。金髪碧眼で身長が175cm前後、大人な雰囲気だ。クラスメイトの女子の数人は、訓練のことを忘れ眺めている。


「なんか色々視線を感じるけどいいか‥‥では魔力も感じれたみたいだし、試しに魔法を使ってみようか。試す魔法は、賢者様が使っていたファイヤーボールっていう名前の魔法だよ。この魔法は、火魔法Lv.1の魔法だよ。」


 魔法の説明が終わると、近くに居たクラスメイトを手招きし、的の前に立たせた。


「では魔法を撃ってみようか。僕が言った通りに繰り返してみてね」


 呼ばれたクラスメイトは、頷いた


「いきます。火の精よ我に力を…ファイヤーボール」


 詠唱が終わると、手からマッチの火ぐらいの火の玉が出てきてフヨフヨ漂った後、ぽふって音と共に消えた。


「魔法としては、成功だけど火魔法としては失敗だね…。だけど初めて魔法を使うのに、成功させるのはすごいね。基本みんな初めては、詠唱しても何も起こらないことの方が多いんだよ。」


 僕もそうだったしね…と隊長は、頬を書く。

 落ち込まないようにフォローしているように見えるが、実際初めてで成功させるのは珍しいのか驚いている。


 ~クラスメイト魔法訓練中~


 その後、何人か挑戦してみるが不発やマッチぐらいの火を出すものが多かった。


「火の精よ我に力を…ファイヤーボール」


 詠唱の声の後にボンッと言う音が聞こえた。今魔法を使ったのは、詩紋だ。賢者のファイヤーボールに引けを取らない火力だった。


「すごいね。君はもう賢者様と同じぐらいの火力だ。このまま色々な魔法を覚えれば、多分賢者様より強くなるかもね」

「ありがとうございます。ですがまだ半人前なので、これからも訓練お願いします」


 一礼した後、自分のいた場所に戻った。


「気を取り戻して次は、勇者様お願いします。」

「わかりました。」


 返事をし的の前に立った香蓮


「ファイヤーボール」


 詠唱を短縮し魔法名を唱えた。太陽と見間違えるほどの火の玉が、的に向かって発射された。数秒後的に当たった玉は、ゴウッと言う音と共に消えた。当たった場所には何も残っていなかった。


「…」


 隊長は、ファイヤーボールの当たった場所を見つめたまま固まっている


「すみません。的を破壊してしまいました。」

「無詠唱にあの火力…やっぱり勇者はけた違いか…」


 隊長は、香蓮の謝罪が聞こえてないのか独り言をぶつぶつ言っている。


「ふぉふぉふぉ勇者様はすごいのう…儂でもあの的を破壊するのは骨が折れるのじゃが、無詠唱でしかもまだ何発でも撃てそうじゃのう…」


 賢者は、感心したような少し嫉妬したような声色をしている。


「そんなことはないと思います。私はまだ制御できずに全力で魔法を使っただけなので‥技術などを考えると賢者様の方が上です。」


 はたから聞けば嫌味にしか聞こえないのだが、香蓮は自覚していない。


「まあよい。今日は的が壊れたので実戦訓練は中止し、魔力操作の訓練で終わるかのう」


 俺は、魔法を撃たずに済んだ。コントロールなども特訓してたから皆と同じ程度で抑えられると思うが、万が一、バレたら問題になりそうだから、やらなくて済んだのは、幸運だった。

 この後、魔法を使う前にやった魔力を感じる訓練をやって魔法訓練は終わった。


「この後は、夕食まで自由時間とします。皆さんお疲れ様でした。また食堂で会いましょう」


 連絡が、終わるとクラスメイトは「疲れた」や「寝よう」など言いながら各自解散をした。


「どうすっかなぁ…暇だし書物庫にでも行って、この世界のことを調べるか。書物庫の場所なんて知らないから、城の中ぶらぶらしながらメイドさんに会うか書物庫を見つけるまで探検しますか。」


 俺は、今まで行ったことのない道を選びながら、書物庫を目指した。道中に、弓道場らしき場所や牢獄のような場所があった。


「やっぱりお城だから牢屋はあるんだぁ」


 本の中でしか見たことのない場所を見れて、少しウキウキしながら探索していると、廊下の先でイケ爺の使用人を見つけ書物庫の場所を案内してもらった。


「ここが書物庫でございます。では焔様、夕食の時間となりましたらお呼びに来ますので、ごゆっくりとしていってください」

「ありがとうございます」


 使用人は、一礼し廊下の先に消えた。


「それよりすごいなぁ…よくアニメとかで一面本って描画が、あるけどこういうことを言っていたんだな。」


 一面に本があった。これは、例えではなく、そのまんまの意味である壁一面に本棚があり、人2人が入れるかぐらいの感覚で本棚が置かれており、本棚すべてが本で埋まっている。二階もあるが、ほとんど変わらない。違う点は、二階には長机が数台あり読書スペースになっていた。


「こんだけ本が、あると何処に何が有るかわからないな。適当に見ながら興味あったら読む感じにしよか‥」


 歩きながら目についた本を取り、読み終わったらまた戻し、探すを繰り返している。


 ~焔読書中~


 7冊目ぐらいに差し掛かった時にふと足音が聞こえた。


「焔様、ご夕飯の用意ができました。」


 顔を出したのは、案内してくれた使用人ではなく、まだ20歳ぐらいのメイドさんだった。


「ありがとうございます。すみませんが、ここから食堂に行く道がわからないので、案内してくれませんか」

「了解しましたでは、こちらです。」


 メイドに案内されながら道中何事もなく食堂に向かった。


 ~移動中~


 食堂に着くと、殆どのクラスメイトが居り、グループを作って食事を取っている。数人、焔を見たがまた食事や話に戻る。


「適当な席に座って、さっさと飯を食って本に書いてあった事を、実践したいな」


 読書中に見つけた面白いことをやりたくって、うずうずしている焔の前に、夕食が置かれた。


「ほぉ今日の献立は野菜メインのスープとパンですか…正直、ご飯が良かったけど無問題。頂ます」


 愚痴を言いながらも、食事をし始める。


 ~もぐもぐ~


 俺の飯が半分ぐらいになったころ香蓮が立ち上がる。


「みなさんいいですか?一週間後のダンジョン探索ですが、希望者制にしたいと思います。もし参加したくない場合は、私にお伝えください。また女王様や国の方に聞きたいことなどありましたら、それも私に言ってくださいね。連絡は以上です。」


 香蓮が一礼をし席に座ると皆、食事や会話に戻った。


 ~もぐもぐ食事中~


「ふぅご馳走様でした。」


 夕飯を食べ終わり、片付け自分の部屋に向かう


 ~焔移動中~


「疲れた~お疲れ様自分!」


 部屋に戻るなり速攻ベットに倒れ、自分で自分をねぎらう


「何かすると日課になってるけど…」


 名前 焔

 年齢 17歳

 種族 人間(♂)

 LV.1

 HP     25,315/25,315

 MP (魔力) 88,521/88,521

 STR (力)  46,257

 DEX (俊敏) 22,327

 VIT (耐久) 11,903

 INT (知力) 65,246

 EXP (経験) 0/5

 スキル 「???」・魔力操作Lv.8・火魔法Lv.5・・水魔法Lv.5

 土魔法Lv.5雷魔法Lv.5・氷魔法Lv.5・風魔法Lv.5・防御魔法Lv.5幻影術Lv.5

 回復魔法Lv.5・剣術Lv.3・詠唱破棄・魔力節約・空間魔法Lv.5

 称号:異世界人・巻き込まれ・魔法使い


「多分だが、そのステータスに関係する訓練をすればステータスが上がるのかな…」


 異様に上がるステータスを無視し、考察を立てる。

 例えばだが、筋力を上げるために勉強しても意味が無いように、行動に関連したステータスが上昇しているのだろう。俺の場合毎日寝る前に、魔法を使っているからMPやINTが他より成長しているのだ。


「よしステータスの確認終わり。ここからは、本を読んで発見した新しい魔法の実験といたしますか」


 ステータスを仕舞い、手慣れたように空間魔法と防御魔法を同時に展開する


「この二つは展開すると壊されるか、魔力補給を切るまで自動で出続けてくれるからありがたいぜ」


 防御魔法のおかげで、俺の一人ごとを聞く人は、誰もいない。また空間魔法のおかげで、魔力を感知されることも無い。ある意味では最強の部屋が出来上がった。


「ではまず一発目…サンクチュアリ」


 魔法名を叫ぶとMPの約3/1がごっそり奪われ、俺を中心に部屋を防御魔法と空間魔法とは違う乳白色の膜が覆った。

 MPの3/1と言えばそこまででも無いような気がすると思うが俺の総MP(88,521)から考えると異常である。

 一例に、魔法を教えていた賢者ですら1,000行くか行かないかぐらいしかない。


「うっわー消費量えっぐい、本にも集団魔法って書いてあるだけは有るわ…めっちゃだるい」


 魔法の結果よりも消費した魔力量と魔力が一気に減ったことで襲い掛かる、気怠さに驚いている。


「ふぅ少しは落ち着いた…これが、聖魔法か本には神に認められたものが詠唱し、大量な魔力を消費して発動すると書かれていたが、これほどとは驚きマン。名前から軽く予想はしてたけど、やっぱり防御系の魔法か」


 本には、初代勇者が魔物の大襲撃の時に、街を守るために100人を超える魔術師から魔力を借り、発動したと書かれていたがどんな魔法であったかは、しっかりとは書かれていなかった。


「では性能実験でもしますかな」


 俺は、詠唱破棄を使い自分の現在覚えている魔法の中で最大火力の魔法を放った。

 だが結果は、何も起きなかった。いや語弊があるから言い換えよう、何も起こらなかったのでは無い。

 しっかり魔法は、発動されたがサンクチュアリに当たると消えた。


「まじかよ…壊れないにしても、罅か衝撃ぐらいは覚悟してたのに…何もないとは怖!。では、本に書いてあったもう一つの魔法でも試してみますか。でも聖魔法が使えるってことは、こっちは使えない可能性が微レ存?まあ試すだけ試すか」


 そんな事を言いながら魔力を練り始める


「こんぐらいで良いかな…ダークネス」


 聖魔法同様MPの約3/1が奪われた。

 発動した魔法は、俺の手から生まれた黒いバスケットボール大の球だ。

 その球は、ゆっくりと前に進み5メートルぐらい進むと、急に圧縮され一気に爆発した。さっき放った、最大火力の魔法を食らっても無傷だったサンクチュアリが壊れた。

 正確にはダークネスを相殺したのだ。


「こっちはこっちでいろいろえぐいな…まあなんか予想通りで、相殺ですよね~。そりゃー闇魔法が聖魔法より強かったり逆だったりしたらバランスが壊れますもんね、そんな事より疲れた。寝たいというか寝よう…お休み」


 張ってあった魔法を解除しベットに倒れそのまま寝た俺であった。






 人物紹介

 4回目は予告にもあった詩紋くんです。


 名前 詩紋

 ステータス

 年齢 17歳

 種族 人間(♂)

 LV.1

 HP     50/100

 MP (魔力) 150/150

 STR (力)  20

 DEX (俊敏) 50

 VIT (耐久) 50

 INT (知力) 100

 EXP (経験) 0/5

 スキル:魔法Lv.3(火・水・風・土・雷・氷・風・回復・防御)・詠唱破棄・魔力操作Lv.3

 称号:異世界人・巻き込まれ


 紹介

 元ははんなり高校の学生でよく授業中凛音と話している。文化部で体力はないが知識が豊富でいろいろ頭が回る

 文化部ゆえか他人と話すことが少し苦手だが凛音と同じでいざとなった時の指揮力や起点はピカイチ。

 今回の物語では勇者の香蓮のパーティーの後方支援役となり仲間の傷を癒したりステータス強化を施す。

 次回は人物ではなくステータスの紹介です。

初めまして日影焔です。

誤字脱字等ありましたら教えていただけると幸いです。

また感想やアイデアを常時募集中です。

ここがつまらないなどの意見も送って下さると幸いです。

次回の投稿は10/27(金)を予定しております。

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