1-3 剣術訓練
どうも焔です。 現在朝飯を食べるため食堂に来ています。
食堂には、大半のクラスメイトが集まっていた。
その中には、香蓮や詩紋や凛音なども居た。俺が、隅のほうの席に座ると全員そろったのか香蓮が話し出した。
「皆さんおはようございます。昨日の夕飯の時にも言いましたが、今日は午前中に剣術を教わり、午後に魔術をならう予定です。また約一週間後に、王国近くのダンジョンに行くことが、決まったのでご連絡させていただきます。」
香蓮の言葉を聞き、喜びの声を出すクラスメイトと不安な声を出すクラスメイトで分かれた。
ダンジョンか…その時にでもばっくれようかな。俺は、今のうちに一人で行動する算段をたてる。
「香蓮一ついいか。その剣の訓練と魔術の訓練は、両方受けなきゃいけないのか?僕は、ステータス的に魔術の訓練をずっと受けていたいんだ」
詩紋が、申し訳なさそうに言った。
「そうですね。得手不得手などありますので、どちらか又は両方受けるようにしましょう。」
「ありがとう恩に着る」
詩紋は、香蓮に一礼し席に着いた。
「ほかに何か知りたい人いますか」
数人のクラスメイトが手を挙げていた。
~香蓮 質問回答中~
「ほかにはいませんね。では朝ごはんを食べましょう。10:00ぐらいには、中庭に集合してください。
私からは以上です。」
香蓮が言うと準備していたのかクラスメイトの前にご飯が配られる
「メニューは、パンとサラダとシチューか、結構いいメニューだな」
俺は、メニューを確認すると5分もしないうちに全部食べ、そそくさと自分の部屋に帰っる。
「まだ9:00だし…向こう側に9:40分ぐらいに着くぐらいで出るとしても、少し時間があるしちょっと魔力でも消費するか」
俺はちょっとコンビニ行ってくるわ的なノリで魔法を使おうとした。
「魔力の流れとかで、バレたらヤバいから。小説とかにある空気に自分の魔力を馴染ませて外に漏れないようにする魔法でも試してみるか…」
小説とかで、魔力探知機的なものがあることを思い出し、ジャミング目的で自分の部屋に異常を発見されないように、ごくわずかな魔力を放出し他人からの干渉のされない領域を作り出した。
「ふぅ…結構魔力のコントロールの必要な作業だったぜ」
ふと時計を見ると、もう部屋を出なきゃいけない時間になっていた。
「もうこんな時間か、結構集中してたから気付かなかったぜ。まあぼちぼち向かいますか」
俺は、自分の部屋に鍵をかけ中庭に向かった。
~焔 移動中~
俺が中庭に着くとそこにはもう香蓮と凛音が居り王宮騎士の人に剣術を教わっていた。
「香蓮さんと凛音くんお疲れ様。早く来たつもりだったけど、二人とも早いね」
「ありがとうございます焔さん。勇者に選ばれたので、他の人より頑張らないといけないと思いまして皆さんより少し早いですが、稽古をつけていただいていたのです。」
「オレは、ステータス的に騎士系…俗に言う壁役向けだったから皆を守りたくって早めに来たら、先に香蓮がいたから飛び入り参加しただけだ。」
香蓮と凛音は、端に置いておいたタオルを取り汗を拭いた。
俺は、汗の感じを見て朝飯を食べてすぐここに来たんだろうなと感じた。
「二人とも自分の役割に拘り過ぎて、無理しないようにしてね。二人が倒れたら他の奴らが、心配するから」
俺は、自分らしからぬセリフに頬を搔きながら言った。
「お前本当に焔か?」
「どうゆうこと?」
「だってお前いつも本読んで、にやけたりなんか考え事してるイメージしかないから。
他人を気遣うってことしないと思っていた」
凛音は、申し訳なさそうに言った
「あぁそういうことね。俺は、よく小説とかで異世界もの読んで、妄想してたから不安より期待のほうが多いけど。
みんなそういうわけではないし、しかもリーダーが倒れたら希望より不安が強くなって暴走する人が出るかもしれないし、俺はそういうやつを何人も見てきたからな…」
俺は最後に意味深な言葉を言った
「焔最後なんて言った??」
「何でもないよ、ただ昔を思い出しただけ…それより俺も参加していいか剣を振るなんて日本では、殆ど出来ないからね」
「そうですね。ほかの皆さんが来るまで三人で教わりましょう」
香蓮がそういうと3人は、それぞれ剣を持ち素振りや持ち方などを騎士の人に教わった。
焔は、その時さっき朝練していた時握っていた剣が一番重いものだと教わり、騎士に剣を持ったことを有るか質問された。
当然ないと言ったけど…
~焔たち訓練中~
「もう少しで、時間になるし少し休憩しよう。」
俺達が、時間になったから休んでいるとぞろぞろと他のクラスメイトがやってきた。見た感じ数人居ないことが分かった。
「数人いませんが、多分魔術師やサポート系をメインにする方たちだと思いますので、話を進めさせていただきます。」
香蓮は、クラスメイトを見回し居ない人のステータスなどを思い出しながら問題ないと思い、話を進めた。
「今日は、初めてなので剣の持ち方や振り方などを、学びたいと思います」
クラスメイトから小さな歓声が起きた。
「今日から一週間、私たちを育ててくださる王宮騎士の皆さんです。」
紹介と同時に、同じ鎧を付けた人たちが前に出てきた。その中でもひと際大きな剣を持った人が、前に出てしゃべった。
「今日から一週間君たちに剣術を教える騎士の長をしているものだ。一週間以内に戦えるぐらいまで鍛えるから覚悟をしろよ。」
挨拶したのは騎士長だ。さっきまで俺らに剣を教えていた人だった。見た目は20代後半ぐらいのお兄さん的な感じで、髪の毛は茶髪・目は青みがかった黒・身長は180cmあるかないかぐらいだった。
騎士長を務めているとは、思えないぐらいに細マッチョだ。
挨拶の時に少し殺気を込めていたが、気付いたもの・気付かなかったもの、理解して無視しているものなどバラバラだった。数人は小さく震えている。もちろん俺は、無視しているグループだ。
「では、まずはじめに剣を握ってもらう。3段階重さがあるから、自分に合った重さを選んでくれ」
騎士長の足元には3つの箱があり、その中には何本か剣が入っている。クラスメイトは、いそいそと剣を選んでいる。さっきまで練習していた俺らは、練習に使った剣を握っている。
「みんな選んだな。ならとりあえず振ってみろ、だけど誰かに当たるようなことはするなよ。後、組手など勝手にするなよ。勝手にやって死なれたら困るからな。では開始‼」
クラスメイトは各自、剣を振り回している。中にはアニメ風に振るものや剣に振り回されているものなどもいる。香蓮や凛音も振っているが、他と違って型にはまっている。
「仕方ないし俺もやるか」
~焔たち素振り中~
少しやっていると騎士長から止めの号令がかかる。
俺や香蓮・凛音は薄っすらと汗ばむ程度だが、数人肩で息をしたり、座り込む奴も居た。
「全員止め!では近くにいる人とタッグを組めでは始め!」
騎士長の号令でみんなタッグを組み始めている。
「焔さん、私とタッグを組みましょう」
声のする方を見ると、香蓮が近寄ってきた
「俺とで良いの?そんな突出したところもないし、正直言って俺そんないいとこないよ」
少し自虐を入れて、他の人の方に行ってほしいと願った。だって周りからの視線が、超いてーんだよ男どもなんて「なんで彼奴に行ったんだよ、彼奴よりおれの方が」とか「羨ましい。焔くたばれ」みたいな視線があるんだよ。お願い香蓮さん気づいてーーーー
「焔さんがいいんです。さっきの練習の時、焔さんの剣の振りが、結構上手くてちょっと試してみたくて」
彼女は少し顔を緩めながら言った。
駄目だったーーーというか、もっと油注いだーー男どもが、さっきより殺意を込めた眼で、見ているよこえぇよ眼だけで人殺せそうな雰囲気だよ。
「俺で良いなら、僭越ながらお相手させていただきます。」
「よろしくお願いします」
「タッグは、組めたか?では簡単な組手をしてもらう。ルールは一発当てるか、相手が降参するまでだ。剣自体は、刃が潰れているから死ぬことは無いが、怪我はするから覚悟を決めろよ。まあ防具を着るし回復師がいるから怪我ぐらい気にするな。後、手を抜いて戦ったら地獄の特訓があるから覚悟しろよ。ではまず一戦目…」
騎士長がどんどんと名前を呼んでいく。クラスメイトは、相手を傷つけることを怖がり、剣を振りかざす時に力を抜くものや相手を殺さんばかりの殺意で、剣を振るものなど居たがそういう者たちは、全員騎士長に怒られ腕立て1,000回(この後スクワットなど有)という地獄の訓練をしている。
~クラスメイト対戦中~
「では最後のタッグ。まあみんな分かっていると思うが、香蓮と焔のタッグだ。
では二人は準備をしてくれ」
香蓮は、防具を着ると組手用の簡易ステージに上がった。そういう俺もそそくさとステージに上がる。
「初めに言われましたが、焔さん手加減は無しですよ?
怪我させることなど気にせずに、本気で来てくださいね」
笑顔で言ってはいるが、何故か猛獣の前に居る様な威圧感に包まれる
「わぁ・・・こえぇ手加減してくださいね勇者様」
軽い冗談を言ったつもりだが、さっきより殺意が強くなった
「まあみんなの前で負けたら示しがつかないと思うし、クラスメイトが不安になったら困るから少し本気で戦ったら負けるよ。多分今後本気で殺し合うことがあるかもしれないから‥‥その時までお預けで」
香蓮にしか聞こえないような声で言った。彼女はその言葉を聞き驚いている。
「何か二人で話しているようだが、試合を始めるぞ。では……始め‼」
号令とともに香蓮が、突きを放ってくる。それを剣の腹を使って往なすが、往なされた力を用いて横払いをしてくるが咄嗟に後ろに跳んでよけた。
「うわぁ勇者様つえぇ…今の一瞬の中で、あそこまで動けるとか今まで剣使ったことあるんじゃない?騎士長ですら驚きで固まってるよ」
俺は純粋に思ったことを伝えた。クラスメイト達は、何が起きたのかわからないのか戸惑っている。
香蓮は、獲物を見つけたかのようにすごい笑顔をしている
「そういう焔さんも強いですね。焔さんこそ剣を手慣れたように扱ってますよね?」
「うん。俺、興味あったら何でもやる人だから、剣も銃も一通り触ったこともあるし遊戯のせいで、人を怪我させるのも多分躊躇ないと思うし、他にもいろいろ言えない事もしたしな…」
本当に何でもやった…多分もう俺の手は真っ黒だと思う。
「私も周りからの期待とかで、剣道などのものを一通りさせられたのでそのせいだと思います。焔さんもいろいろと苦労されているのですね。」
俺たちは試合中なのに、昔を思い出し、ため息をついている。
「お疲れ様です焔さん。」
「香蓮さんもお疲れ様……ていうかこれ試合中だよね。周りの人なんかもう、ついていけなくてぽかーんとしてるよ。まあなんか興ざめしちゃったし、降参します。俺の負けということでおなしゃす」
俺はそそくさとステージから降りる。騎士長は、俺の宣言で現実に戻ったのか香蓮の勝利を宣言した。香蓮は、もう少しやりたかったのか残念な顔をしている。
「では、今日の訓練は終わり。明日もあるからしっかり休めよ」
クラスメイトは、終わった後も疲れからか地面に座っている人が数人いた。
「この後は、お昼ご飯を食べた後魔術の訓練を受ける人は、そのまま食堂に居てください。受けない方は、今日は終わりなので体を休ませておいてください」
香蓮が、連絡事項を伝えている。話が終わると、クラスメイトの皆は、ぞろぞろと食堂へ向かった。
「焔さん。試合が、始まる前の言葉はどういう意味ですか??」
その表情には、本気で殺しあえることへの期待と、クラスメイトが危ないことを考えていることへの、不安の表情がうかがえる。
「特に意味はないよ。ただ王女の言葉を聞いて、疑問に思ったことが多々あるから独自で動こうかなって考えてて、そうした場合敵対する可能性があるからね。」
俺は安心させるように言った。
「出来るだけ危険なことは、しないでくださいね。クラスメイトが死ぬようなことをやろうとしているのに、見ているだけは嫌なので。」
その言葉は、勇者だからではなく純粋に香蓮の気持ちだと思った。
「まあどうなるかは、その時次第だけど…今は訓練をがんばろう。もうみんな食堂に行ってるし、俺達も向おう。じゃないとまたいらぬ噂が…」
「??」
香蓮は、訓練中の男子の視線を気付いていなかったようだ。マジかよ
「なんでもないよ…早くいかないと怪しまれちゃうなって思っただけ。」
俺は早足で食堂へ向かった。
はぁ~今後どうなることやら‥‥
人物紹介
3回目は予告にもあった凛音くんです。
名前 凛音
ステータス
年齢 17歳
種族 人間(♂)
LV.1
HP 100/100
MP (魔力) 10/10
STR (力) 100
DEX (俊敏) 50
VIT (耐久) 150
INT (知力) 10
EXP (経験) 0/5
スキル:剣術Lv.2・盾術Lv.2
称号:異世界人・巻き込まれ
紹介
元ははんなり高校の学生でよく授業中詩音と話している。運動部で体力や力はあるが頭は少し残念だけどいざとなった時の指揮力は部活で培った力がある。
運動系の部活のキャプテン的な存在で個々の実力など見極めるのが得意で瞬発的な力はピカイチ。
仲間思いで他人を助けるために危険をかえりみない性格で猫を助けるために車に轢かれたことや溺れている子共を助けるために飛び込むなどするがすべてほぼ無傷だった。
今回の物語では勇者の香蓮のパーティーの壁役となり仲間を危機から守っていく。
次回はモブ2の詩紋君の紹介です。
一応現時点での強さは 香蓮<>焔※|越えられない壁|凛音=詩紋※2>>>>>>>クラスメイト
※ ステータスなどを考えると香蓮のほうに軍配が上がるが本気を出せば焔が勝つ可能性がある。技術は焔のほうが勝る
※2 二人とも得意とするのが違うから何とも言えないが持久戦になると凛音が勝つ。
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次回の投稿は10/20(金)を予定しております。