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始まり

あれ…ここは……ん?

ここはどこ…?まさかボンヤリしてる間に敵の転移魔法かなんかで見知らぬ土地に飛ばされた、とか…?

…だって私さっきまで怒りの森で森の守護者と一緒に魔獣と戦って……

あれ、それってゲームの話じゃ…?


「裕香ー迎えに来たよー!!!」

しかしインターホンから聞こえる声に

ハッと意識が現実世界へ引き戻される。

馬鹿か私は!戦闘も魔獣もゲームの中の話だよ!

ヤバイよ、今日学校あるよ…!!!

ミツメが迎えに来たってことは…

恐る恐る時計を確認すると長針は8より少し手前を、短針は11辺りをさしていた。

「オワタんだけど。」

大体なんで母さん起こしてくれないの!

あ、この前母さんがドア開けた時が丁度ボス戦で私がガチギレしたんだった。

「ゆーかー!?遅いー!!」

玄関前ではミツメが私を呼んでいる。

急ごう、ミツメに殴られでもすれば

多分戦闘力0.05の私なんて肉塊にされてしまう。


「ミツメ!ごめん!!!」

玄関から飛び出しミツメに謝る。

…しっかし相変わらず整った顔立ちしてらぁ。

シャンプーのCMにでも出るんですか?って言いたくなるサラッサラの黒髪。

昔はお嬢様かい?ってくらい長かったんだけど今は肩にもつかないほどバッサリいっていらっしゃる。

そして目が合えばこちらから逸らすことなんて出来ないような漆黒の瞳。

私の目だって黒だけど、ミツメみたいな

ブラックホール的な存在感は無い。

肌はヒキニートレベルの白さだし、唇だって先生に口紅塗ってるなって止められるような紅色。

髪型と相まって日本人形みたいだ。

「…なんで遅かったの。」

おっと、ミツメの美しさに気を取られていてボーッとしてた。

…嘘をついても多分バレるしここは素直に話すとしましょう。

「えーっと…明け方までゲームしてたら寝坊しました。」

「死刑。」

あ、ミツメ様がお怒りだ。

鎮めなくては!

「じゃあ今私の装備してるssレア装備あげるから許して?」

「許す!!」

チョロい。まぁ彼女もそこそこのゲーマーさんだからね。

レア装備には抗えない…ゲーマーの性だよね。

「まぁ昨日sssレア装備見つけたんだけどね。」

「斬首!」

そんな雑談をしつつ登校し、教室に入ってすぐに私はスマホを開いた。

「てか昨日寝オチしたんだけど死んで無いといいな…。」

私の今やっているゲームはpcからでもスマホからでもログイン可能なゲームなのでスマホログインして私の状態を確認する。

「あ、よかった生きてる。死にかけだけ、ど…ん!?」

あれ、バグった?

急にプレイしていたゲームがタスクキルされ、強制的に別のゲームを開かされる。


【unknown- world】

…ん?これはスマホプレイ不可能でしょ?


しかしスマホはそんなことは無視し私のデータをロードし始める。

「「はい?」」

声が被ったので声のした方を見ると

ミツメが私と同じようにスマホを睨みつけ眉をひそめていた。

「ミツメも?」

「うん。なんかログインしちゃ…!?」


突如、画面から光が放たれた。

眩い光は私達の視界を奪い、

そしてゆっくりと光が収まった頃には


私は、【unknown- world】のゲーム起動時に一度飛ばされる《start center》にいた。

「あれ、ナニコレ…もしかして…」

いや、もしかしなくとも、これは…

「夢、だね!多分ホームルーム中眠くて寝ちゃったんだなー。」

ならばトコトンプレイしてやるまで!

いつも通りセンターの中央にいる

受付嬢的な役の 管理者アーミーに声をかけ、前回中断したところから始めさせてもらった。


ふわりとした浮遊感のすぐ後

私は既に《サイハテの森》にいた。

取り敢えず進行中だったミッションをクリアしようかなと歩き出したその時、

不安感を掻き立てる嫌な警告音が

森中…?いや、このゲーム内全体に鳴り響いた。


『エラー・エラー・データに損傷・修復不能・1分後、ゲーム内とゲーム外の干渉の一切を不能にします。エラー・エラー・データに損傷・修復不能・1分後、ゲーむ内とゲーム外の干渉の一切を不能にします。カウント・1分…59 58 57…』


「は?」

干渉が出来なくなるって…まさか…

「ちょ、これ現実世界に戻れなくなるってこと!?はぁあ!?」

大急ぎでログアウトしようとするが

今ここにいる全員がログアウトしようとしているわけだからサーバーが重いなんてレベルじゃない。

完全に固まっている。

いや、夢だとは思うけど…!

でもやっぱり怖いってこれは!!!

『3...2...1...。ゲーム内とゲーム外の干渉が不可能になりました。』

「嘘でしょ…もう、帰れないって…そういうことだよね…。」

大丈夫…ただの夢だ…、そう思おうとする自分と、いや、これは現実だと告げる自分が私の中で論争を繰り広げる。

周りにいたプレイヤーも「おわった…」と悲しげな声をあげていた。

そしてまた、警告音。

しかし今度の音は時折聞く高ランクプレイヤーに緊急連絡を行う時の音だ。


『緊急連絡です。ランクが150以上のプレイヤーは10分後、《賢者の街-イレイン》に集まって下さい。

大型ミッションの発表があります。

現時刻は8:20ですので8:30までに《賢者の街-イレイン》に来れなかったプレイヤーはたとえランク150以上でもミッション参加資格が与えられません。』


…あれ、私のランクっていくらだっけ。

ステータスウィンドウを開く。


・°*・°*

名前:アクイ

ランク:340

HP:2000

MP:200000

攻撃力:350000

(魔法:物理...8:2)

防御力:25000

火属性攻撃:レベル15

水属性攻撃:レベル15

風属性攻撃:レベル16

木属性攻撃:レベル15

雷属性攻撃:レベル17

闇属性攻撃:レベル25

光属性攻撃:レベル24

スキル:基本スキル+特殊スキル×10

アビリティ:「被虐心」(ダメージの量に関係なく、攻撃を1度受ける度にMPが150回復)

称号:強運の持ち主-戦闘狂-羨望の的-勇ましき少女-イカれ兎


「あ、ランク150以上だ。てかそれより称号今まであんまり見てなかったけどネタばっかりじゃん。」

強運の持ち主って…何したらもらえるのこの称号。



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