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産土神
この村には昔っから産土神さまがいらっしゃって。
毎年賑やかにお祭りしとります。
ただ12年に1度、生贄を捧げる大きなお祭りになります。
生贄出したお家はそれはそれは栄えますので、みなこぞって我が家から生贄娘を出そうとしますわ。
そして、誰でもなれる訳ではなくっていくつかの条件もあります。
一つ 産子であること
一つ 生娘であること
一つ 美しいこと
一つ 子供でないこと
一つ 前回の生贄を出していない家であること
とまぁ、こんな調子でして。
別に生贄になったからって命を取られるわけじゃありません。
しかも生贄の娘さんたちは皆その後幸せな生活送っとります。
なもんでウチの村の娘たちは割と本気で生贄になりたがります。
そりゃ、生贄に決まれば周りの大人はチヤホヤしますし、周囲の子供たちからは羨望の眼差しを一身に受けますしねぇ。
生贄なのに、本当に大丈夫かって?
あぁ、大丈夫ですよ。
ちょっとごっそり持ってかれるだけですんで。
その後の生活に一切合切、支障はでませんよ。