5つ目の方法
「すみません。待ちました?」
「うん。まった。」
「すみません。」
「じゃ、いこっか。」
序盤から話して始まるのは初めてかもしれない。
だが、僕は彼女の本当の姿をみたい。
それに変わりはなかった。
「今日はなにするんです?」
「今日はこの辺をブラブラしよっかな。って。ダメ?」
「ダメじゃないです。」
彼女は笑顔だ。
でも笑ったりはしない。
そんな僕は彼女の笑っている表情が見たくて、探していた。
彼女を笑わせる5つの方法を。
「、、、。」
「、、、。」
「なんか話そっか。」
「そうですね。」
「なんで僕と話してくれるの?」
「あなたが面白い人だからです。」
「じゃ、僕といると笑える?」
「はい。笑っちゃいます。」
「そっかー。」
「そうです。」
「、、、。」
「、、、。」
「なら、僕がなんで君といるか教えようか。」
「そう言えば、、、なんでですか?」
「君の笑った顔が見たいから。」
その言葉に彼女は目を見開き、そして笑った。
「あっはは!な、なんですか!それっ!」
お腹いたいまで付け加えた彼女の顔は今まで以上に輝いていて、僕が探していたものの最後を飾るにふさわしい表情だった。
5つめ、「僕といること。」
これが、僕が望んだもののすべて。
僕が彼女を笑わせているんじゃない。
彼女が僕といて笑ってくれてたんだ。
彼女を笑わせる5つの方法はこれで終わり。
次はなんの方法を探そうか。
なんてね。
たまっていたものを終わらせたいので、多少変でも見逃してください。
たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。