3つめの方法(事実2つめ)
僕、倉木小五は、彼女、伊井野田藍のことが好きである。
彼女のどこが好きかと言えば、それは今僕が頑張って作っているもの。
そう、彼女の笑った顔だった。
彼女は笑顔にはなる。
それでも笑っている顔は見たことがなかった。
だから僕は考えた。
『彼女を笑わせるための5つの方法』を。
これが今の僕を繋げてくれた事実で、真実だ。
もちろん現実で僕的には史実になってもいいくらいだ。
果実みたいに甘い彼女の笑った顔は、確実に僕の頭に焼き付いている。
僕は更に見つけなくてはならない。
3つめの方法を。
大学内でも話せるくらいに仲は良くなったので、お昼ご飯に誘ってみた僕だったが、なんとそこには3つめの方法を試すと言う要素が含まれていたりする。
「学食って初めてです。こんなに広いんですね。」
辺りを見回して彼女はそう呟いた。
「以外と広いよね。あと料理とか絶品だよ。」
「そうなんだ。楽しみ。」
3つめの方法について説明をしよう。
3つめの方法、それは、彼女の前で僕が恥をかいて笑ってもらうためだ。
僕は今日ラーメンを頼み、なんでもないところで転び頭から丼を被る予定だ。
学食自体は安いので一杯無駄にしたところでもう一杯買えばいいだろう。
よし、やるぞと思った瞬間だった。
「わあっ!!?」
「えっ!?」
ドシャーン!と、大きな音が響き、床にはこぼれたラーメンが広がる。
そして転んだ彼女がいた。
「あいたたた。」
「ぶふっ!」
思わず笑ってしまった。
「あ、いま笑いましたね!」
「あ、いや。その、伊井野田さんて結構どじっ子なんですね。」
「そうですね。」
彼女は自分に呆れてか、僕につられてか転んだまま笑った。
3つめの方法、「転んだ自分に呆れる、僕が笑ったのにつられる。(どっちか)」
ラーメンの汁で濡れた彼女からその後いい匂いがしてたのは内緒だ。
実を言うと大学生ではないので描写がおかしかったりします。
たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。