2つめの方法(事実1つめ)
なぜかは知り得ないが、僕は彼女と仲良くなれた。
それどころか、連絡先はもちろん休日に会う約束さえ作ってしまった。
会うからには見つけたい。
彼女を笑わせるための2つめの方法を。
待ち合わせ場所は僕の家から少し遠い大学を通り過ぎたファミレスに、どちらかと言えば午後側の正午までに集まることになっていた。
今日は美味しいものをたくさん食べてもらい、笑ってもらおうと考えている。
前回の一つめは成功か失敗かで言うと失敗なのだが、初めて見た彼女の笑顔に免じてゆるしてほしい。
10時半、家から出てすぐに暑さに直面する。
+はや歩きになり更に汗をかく。
11時、大学を通過。
+ビニールプールで遊んでいる学生の「きゃー冷たい!」に対して「きゃー暑いー。」と返した。
11時半、待ち合わせより一時間ほど早くついてしまった。
+一人席に案内されそうになったのを二人で、と自信満々に言った。
12時少し前、彼女が店に到着。
+午前側の正午に集合完了。
「あの、こういうところはよくくるんですか?」
「いえ、初めてです。」
「それはよかった。なら、あまりの美味しさに笑っちゃいますよ。」
「はい。楽しみにしてます。」
僕と彼女は6年間以上の付き合いなのだが、事実僕の片思い止まりで彼女は僕のことを覚えているかも、知っているかもわからない。
それでもこうして彼女と一緒にご飯を食べれるということに僕はひどく感謝するだろう。
出来うるならば彼女を笑わせるための2つめの方法を見つけたい。
「あの、ドリンクバーにしたことですし、ドリンクいれてきますね。」
「あ、僕もいきます。」
ドリンクバーに並んでいる人達の最後尾に並び、自分たちの番になって後ろに人がいないことを確認し、僕はドリンクを混ぜた。
「なにやってるんですか?」
しまった。いつものくせで。
「いや、こうするとジュースが美味しくなるんですよ。」
「ほ、本当ですか?」
「ほ、本当ですよ。」
すると彼女は僕のコップに刺さっているストローをくわえ、混合ジュースを飲んだ。
「え!?」
僕が驚いて変な声を出してしまった後に彼女は笑った。
「本当だ。美味しい。」
2つめの方法、「混合ジュース(美味しい)を飲む」
僕はその後の食事のとき、そのストローを使っていいのか迷った挙げ句、ストローを変えたのであった。
友達とファミレスなんていったことない私ですが、とりあえず平凡なことで笑う彼女の笑っているところをなぜ主人公はみたことないんでしょうか。
たまたま読んでくださったのであれば有難うございます。