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染込んでた猛毒

暗躍するテンカウント

 元魔族領、ゲシュレスト



「本当に大丈夫なのですか?」

 アナコスの詰問にヨシが気楽に言う。

「平気、平気。ヤヤってあのくらいの傷だったらよく受けてるから」

 信じられないって顔をするアナコスにヤヤが服を捲って胸の傷口を見せる。

 もうそこは、どこに傷があったのかも判明が難しかった。

「正直、最初から貫かれるつもりで重要器官を避けたこっちより、腕の方がきつかったりするけどね」

 ヤヤの言葉通り、ゴーターに抉られた左腕は、かなり変色している。

 複雑そうな顔をしながらもアナコスが言う。

「その言葉を信じさせてもらい、新たな侵攻計画を進めさせてもらいます」

「そうしてよ。次の相手の幹部、テンカウントが動く前にこっちも攻めに出ないと」

 ヤヤの言葉にヨシが手を上げる。

「テンカウントって言えば、あのメイドは、どうしてヤヤに止めを刺さなかったの?」

「確かに、あの状況なら十分に止めをさせた筈です」

 いぶしむアナコスにヤヤが苦笑する。

「刺さなかったんじゃない、出来なかったんだよ」

「出来なかった? 戦闘能力が低いという意味ですか?」

 アナコスの問い掛けにヤヤが手を横に振る。

「そういういみじゃない。戦闘力もかなり高いけど、あのタイプは、誓約でパワーを高めているから、主の意思以外では、力は、使えない。だから、あちきがゴーターに止めをさしに行っていたら、殺されていたかもしれない。不幸中の幸いって奴だよ」

「でもさ、やっぱり敵幹部は、一人ずつ出てくるのがお約束って奴だね」

 ヨシの言葉にアナコスが困惑した表情をするのでヤヤが申し訳無さそうに言う。

「ごめんなさい。ヨシってあんまり人の話を聞いてないの。だから改めて説明してあげて」

 アナコスが地図を広げて説明を始める。

「このゲシュレストを占領後の防衛戦で、捕虜からの情報も得られた為、魔族側の情報も色々と入っています。刻一刻と変る現状を説明すると解り辛いので、ヴァンデストが居た頃の魔族側の状況を説明します」

 そういって人間側から一番遠い城を指差す。

「ここが魔族のトップが居る首都、サータスです。魔族のトップは、ただ主とだけ呼ばれて、直接顔を見せる事は、すくなく大半の指示がその直属の幹部、テンカウントによって行われています」

 ヤヤが地図のサータスからゲシュレストに向って指を動かす。

「この間には、幾つかの難所がある。まずは、このゲシュレストは、人間領と境にて最前線、その危険性から不死性が高い、九のヴァンデストが管轄していた」

 アナコスが少し魔族領よりの大森林を指差す。

「魔族領と人間領を隔てさせている大森林、パンデンは、魔族にとっては、狩場でもあり、重要な場所である為、八のエッグが管轄しています」

 その大森林を指で通過して山脈を指差すヤヤ。

「サータスを護るように立つラッセル山脈、まず此処を常人が踏破する事は、不可能。唯一通れる平原には、砦があり、そこを護るのが四のフォーマ」

 アナコスが苦笑しながら言う。

「先のラグナロスを使った侵攻では、上空から攻めるという奇策でそれらの障害を通過しました。しかし、それでも最後には、サータスを守護する一のダンが待っていたでしょう」

「えーと九に八、四と一が出たね」

 指折り数えるヨシにヤヤが更に指を立ててから折り返す様に倒す。

「こないだの五のゴーターと十のテンナーは、侵攻型。そして最後にでた二のセンドと三のサトールは、主の直近で働いているそうだよ」

 もう二本の指を倒すヤヤに続きアナコスが最後の二本の指を倒す。

「六のセックと七のセーエロは、戦闘よりも違った仕事、主の生贄を集めるのをメインとしているらしいです」

「詰り、テンカウントって幹部は、全員なんらかの仕事をあるから一緒に攻めてこないって事?」

 ヨシの確認にヤヤが頷く。

「そういう感じ。例外があるとしたら、侵攻型のゴーターとテンナーって事だったんだけど、ゴーターが先走り負傷、多分、同時侵攻は、暫くないと思う」

「何故、そこで疑問系?」

 ヨシの指摘にアナコスが告げる。

「不確定要素は、常にあります。センドに関しては、主の命令なら侵攻に加わるでしょうし、何より防衛に回っていないセックとセーエロが侵攻に加わる可能性は、十分にあります」

「それなんだけど、こいつらって絶対に搦め手を得意とするタイプだよ?」

 ヤヤの指摘にアナコスが苦々しい顔をする。

「正直、それが一番怖いです。こちらは、一応は、連合となっていますが、様々な思惑が絡み合っています。そこを突かれればかなり危険な事になるでしょう」

「その最右翼がランスット王国になるんだろうね」

 ヤヤのボヤキにアナコスが鋭い眼をする。

「そうですが、あからさまな分、対応がとれます。本当に危険なのは……。すいません、この話は、貴女達には、関係ない所で解決します」

「遠慮しないで、ここは、利害関係がないあたし達が力技で解決って方法もあるんだから」

 ヨシの提案にアナコスが大きなため息を吐く。

「そういう事を言うから余計に話せ無いって事を理解してください」

 様々な思惑を孕みながら、侵攻準備が続いていた。



 ランスット王国の王城。



「それでは、新たな侵攻が始まるというのだな」

 ランスット国王の言葉に弟の、ラントスが嬉しそうに頷く。

「ああ、間違いない。いよいよ私の出番と言うわけだ」

 ランスット国王も笑みを浮かべる。

「そうだ、大した益もない防衛線に貴重な兵を消費する訳には、いかないが、侵攻戦なら別だ。その活躍如何で領土の取り分が変るからな。我が精兵を率い、存分にその力を見せ付けてやるのだ!」

「任せてください兄上!」

 眼を輝かせるラントス。



 元魔族領ゲシュレストの砦。



「ミータッド王国に魔族の侵攻が来ています」

 アナコスの言葉にヤヤが肩を竦める。

「微妙なタイミングだね。でも、こっちも進軍用意は、済んでいる。当初の予定通り、侵攻を行った領土への攻撃を始めるんだよね?」

 少し思案するアナコス。

「正直、悩んでいます。あまりにもタイミングが良い。まるでこっちをおびき出しているような気もします」

「だったら、そんな誘いに乗らなければいいじゃん。今のミータッド王国だったら、侵攻を防ぐのだって難しくないんでしょ?」

 ヨシの言葉にヤヤが手を横に振る。

「それをやっちゃったら、共同の敵に共に戦うって連合のお題目が崩れちゃうんだよ。進軍は、避けられない。でも、その期間をどれだけ短く出来るか。それが勝負の分かれ道だよね」

 アナコスが頷く。

「はい。丁度、ランスット王国からも援軍が来る予定になっていますから、短い間ならきっと……」



 翌日。

「断る! 我々は、魔族を蹴散らす為に来たのだ。防衛などしていられるか!」

 アナコスからの防衛への協力要請を真っ向から拒否するラントス。

「あのさー、そんな選択権があんたにあると本気で思ってる?」

 呆れきった顔で言うヤヤを見下すラントス。

「貴様が多少は、強い様だが、初戦は、小娘。高貴なる我に意見するなどおこがましい!」

 ヨシが淡々と言う。

「摂り合えず半殺しにしてから話し合いを再開させるって事で良いよね?」

 頷こうとするヤヤを制する様にアナコスが言う。

「提案があります。今回の侵攻の間の防衛が無事終わった場合、この次の侵攻での魔族将軍の首を落としたのは、ラントス様の功績としていただけませんか?」

 ヤヤが面倒そうに言う。

「元々、功績なんて気にして無いからあちきは、いいよ」

「ラントス様、今回は、それで御了承してくださいませんか?」

 アナコスが頭を下げると鼻で笑う。

「仕方あるまい。今回だけは、お前等の尻拭いをしてやろう」

 殴りかかろうとするヨシをヤヤが嫌そうに止める。

「あちきも我慢してるんだから堪えて」

「精々頑張る事だ」

 高笑いをしながらさっていくラントスにキルサインをするヨシであった。



 ミータッド王国に進軍した魔族の領地、パラドッスにアナコス達が進軍した後、我侭砲台のラントスに砦の人間達は、辟易していた。

「女だ! 女を呼べ!」

 ラントスの言葉に周りの兵士達が軽蔑の眼差しをおくるが、本人は、気付く気配すらなかった。

「ラントス様、始めまして」

 そういって一人の美女が酒を持ってラントスをもてなす。

「お前の様な美女がこの砦に居たのか?」

 意外そうな顔をするラントスに美女がしなだれかかり言う。

「偉大なる英雄のラントス様のお名前をお聞きして、来たのです」

「そうかそうか!」

 ごきげんなラントスに色々と奉仕する美女。

「最高であった。好きな褒美を取らせよう」

 それに対して美女が告げる。

「褒美など入りません。その代わり、次の防衛戦で多くの魔族の捕虜を捕まえてみせてください」

「魔族の捕虜などとっていかにするのだ?」

 怪訝そうな顔をするラントスに美女が語る。

「豪傑なラントス様と違い、指揮官のアナコス殿は、よく言えば繊細。はっきり言えば、小心者で、少しでも魔族の情報を得ようと捕虜をとっていると聞いています。そんなアナコス殿に明確に成果を見せるには、丁度良い方法かと」

「なるほどな。確かにただ敵を倒すより明確に成果を見せつけられるな。解った次の戦いでは、多くの捕虜を捕らえて、我が精鋭の力を見せ付けてやろう」

 自信満々のラントスであった。



 パラドッスのアナコスの陣営。



「さて、なんとか戦いの推移も決まったね」

 ヤヤの言葉にアナコスが頷く。

「はい、ヤヤさんが魔族の将軍を倒し、もう残った兵を掃討し、ミータッド王国に侵攻した魔族の後方から強襲をすれば……」

 そこにマムスが駆け込んでくる。

「アナコス様! ミータッド王国から緊急の使者が来ました」

 アナコスの顔に緊張が走りヤヤが眉を寄せる。

「まさか、かなり押されていて、援軍要請?」

「そうだとしたら、少し困った事態です。ここで残党を処理に力を抜けば逃げられ、次の戦いでの戦力を増やされる事に。とにかく、急いで報告させて下さい」

 アナコスが難しい顔をする中、ミータッド王国からの使者が荒い息のまま告げる。

「カナルス様からの至急の伝令です。敵魔族が一斉に撤退を開始、パラドッスへの挟撃の恐れがあり、十分に注意されたしとの事です!」

 ヤヤが怪訝そうな顔をする。

「おかしい。もし本当にそうなら?」

 アナコスが頷く。

「挟撃される可能性は、考慮してありましたから、ミータッド王国に攻め入った魔族が戻ってきた場合には、もう報告がある筈です。その報告がないと言うことは、考えられる可能性は、多くありません」

「どういう事なの?」

 ヨシの疑問にヤヤが言う。

「最悪なのは、こっちを出し抜き、予想外のルートでの襲撃。これをやられたらかなりヤバイ事になる」

「しかし、現状は、完全にこっちが有利です」

 マムスの言葉にアナコスが頷く。

「負けは、しません。しかし、それで発生する時間のロスは、ゲシュレストの防衛の危険度を高めます」

 そんな緊張した空気の中、ヨシが何気ない様子で言う。

「もしかして逃げちゃったりして」

「自分の領土を捨てて、そんな訳があるか!」

 怒鳴るマムスだったが、アナコスとヤヤの表情に驚愕が走った。

「そうだよ、なんで気付かなかったんだよ。ここは、見棄てられたんだよ!」

「その可能性は、高いです。すいませんがゲシュレストに至急に戻って下さい!」

 アナコスの言葉にヤヤが頷く。

「了解、ヨシ、休息無しで、突っ切るよ!」

「いいけど、何だって言うの!」

 戸惑うヨシの手を掴みヤヤが走る。

「事情は、帰り道で話すから、いまは、とにかく急ぐの!」

 駆けて行くヤヤとヨシの後ろ姿を見てマムスが困惑する。

「どういう事ですか?」

 苦々しい顔でアナコスが言う。

「ヤヤさんが言った通りなのでしょう。ミータッド王国への侵攻で手漉きになったと思わせて、その実、その実戦力の大半を侵攻軍に組み込み、パラドッスに戦力を引き込んで手漉きのゲシュレストに襲撃する」

「でしたら、全軍で直ぐにもどるべきでは?」

 マムスの言葉にアナコスが首を横に振る。

「ここで、兵を引けば、別の魔族領からこの地を経由してゲシュレストに侵攻されます。ここは、確実に押さえこれ以上の増援を防ぐ必要があります」

「しかし、それでは、ゲシュレストが落ちます!」

 マムスの言葉にアナコスが告げる。

「そうならない為に強固な防衛をひける様にしてあります。現行兵力さえ蹴散らせば、ミータッド王国の兵を押し上げてもらい、この地を確保、ゲシュレストへの援軍に向います。その旨をミータッド国王に伝達をお願いします。書状は、いま」

「はい」

 ミータッド王国の使者に急ぎ、今後の動きの協力要請の手紙を渡すアナコスであった。



 元魔族領ゲシュレストの砦。



「大勝利だ!」

 魔族の襲撃を蹴散らし、多くの魔族を捕らえたラントスが浮かれていた。

「我が勝利を祝して、存分に飲むが良い!」

 祝勝会モードのランスット王国から増援と違い、残された防衛の兵士達は、警戒を怠っていなかった。

「次の襲撃の可能性も高いと警戒を緩めさせない様に言いつけるとは、本当にアナコスの小心者は、解っていない。勝利したのだから、兵には、十分な英気を養わせるべきであろう」

「その通りですラントス様!」

 兵士達も浮かれる。

 そんな時、敵襲の鐘が鳴る。

「敵襲だと、どこからだ?」

 ラントスの言葉に、駆けつけた兵士が答える。

「パラドッス、正確に言えばミータッド王国に侵攻していた魔族がこちらに襲撃を仕掛けて来ました!」

「馬鹿な! どういうことだ?」

 困惑するラントスだが、苛立ちながらも告げる。

「えーい、構わぬ、撃退しろ! お前等は、その為に居るのだろう!」

 しかし、ラントスの言葉に即座に答えられるランスットの兵は、皆無だった。

 だが、この時点では、まだ残された兵士でも防戦は、可能だった。

 その為の術をアナコスは、残された士官達に通達していたからだ。

「ぐわー!」

 兵士の悲鳴があがる。

「何だ! 今度は、何が起こった!」

 ラントスが怒鳴ると酒に酔った状態で必死に抗戦する兵士が悲鳴をあげる。

「捕虜です! 捕縛して無力化した筈の捕虜達が牢を脱出しています!」

「ば、馬鹿な」

 愕然とするラントスの前にあの夜の美女が現れる。

「ラントス様、この度は、大変ありがとう御座います。我らの内部からの奇襲の手助けをしていただいて」

 妖艶な笑みを浮かべる美女にラントスが戸惑う。

「な、何を言っているのだ?」

 そこにピエロ様な格好をした者が現れて言う。

「セック様、全ての捕虜の牢屋の解放が終わりました」

「ご苦労様、セーエロ」

 美女、セックの言葉を聞いてラントスの顔が青褪める。

「ま、まさか貴様は、テンカウントなのか?」

 満面の笑みでセックが答える。

「そうよ、精力以外は、からっきしのラントス様。あたしは、テンカウントが六、淫魔のセックよ」

 深々とお辞儀をするピエロ、セーエロ。

「そして私は、テンカウントが7、道化のセーエロと申します」

「テンカウントが二体もだと、そんな話は、聞いてないぞ!」

 怯えるラントス。

 セーエロは、投げナイフを取り出す。

「ご協力の感謝を込めて、苦しまないように一撃で決めさせてもらいます」

「誰でもいいから助けてくれ!」

 叫び、左右を見回すラントスだが、そんな馬鹿に構っている余裕がある兵士など居なかった。

「そいつを殺すのは、構わないけど、兵士達を無駄死にさせられないんだよ」

 振り返りセックが意外そうな顔をする。

「あら、もうお帰りなのね白牙の英雄様」

 余裕たっぷりのその態度に舌打しながら今さっき戻ったばかりのヤヤが言う。

「やってくれたね。パラドッスからの襲撃だけでも厄介だっていうのに業と捕虜を増やして、内部から切り崩す、こっちの侵攻プランが滅茶苦茶になったよ」

「あらあら、台無しになったのは、侵攻プランだけかしら? パラドッスに残っていた人間は、とても愉しい事を教えてあるわよ」

 愉快そうに笑うセックをヨシが睨む。

「パラドッスに麻薬を蔓延らせたのは、あんただったんだ!」

肩を竦める。

「めぼしいのは、奪いつくしたし、あそこは、もう用済みだったのよ。多くの人間が移民してきているここで新たな狩りを楽しませて貰うわね」

 嬉しそうな言葉にヤヤが告げる。

「そんな事は、させないよ。ここは、まだ人間の領土なんだからね!」

「まだね。でも直ぐにあたし達、魔族の領土に成るわ!」

 高らかに宣言するセックに対してヨシが言う。

「へーでも、あんたの予想通りなのあれが?」

 ヨシが指差す外を見てセックが驚く。

「どういうこと? なんで魔族が正面から出て行っている?」

 ヤヤが面倒そうに答える。

「アナコスさんは、優秀なんだよ。捕虜の暴走なんてケースも考えていた。その際は、敢えて逃げ道を示し、そっちに誘導する。いくら生身でも強い魔族だからってフル装備の人間の集団の中で戦いたい訳がないからね」

 セックが忌々しそうに言う。

「さすがと言うべきね。セーエロ、ここは、退くわよ」

「あの男は、どういたしましょうか?」

 投げナイフを構えたままのセーエロの問い掛けに怯える縮こまるラントスを見てセックが微笑む。

「態々足かせを外してあげる必要ないでしょ。精力だけは、使えるからまた楽しませてもらう事にしましょ」

「了解いたしました。それでは、ここでは、瞬間脱出のマジックを御見せいたします」

 そういってセーエロが空中に無数のトランプを撒き散らすと、それが舞い落ちた時には、セックと共に消えていた。

「道化って言うより、手品師だね」

 ヤヤが憮然と言う中、助かったと思ったラントスがいっきにまくしたてる。

「違うのだ! 私は、騙されて、そう騙されたのだ! 私は、何も悪く……」

「五月蝿い!」

 ヨシの正拳が顔面に決まり気絶するラントスであった。

「さて、砦内部で暴れる魔族を黙らせないとね」

 この状況でも戦い続ける強気の魔族の相手をするヤヤであった。



 解放された捕虜との合流、再編後、再襲撃を続ける魔族だったが、パラドッスの残党生理を終え、ミータッド王国に引き継いだアナコス率いる本軍が戻ってくると即座に撤退するのであった。

 しかしながら、この戦いは、ゲシュレストに集結していた連合軍に多大な被害をもたらしたのであった。

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