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17話 違い


「断る」


私は彼女の手を振り払った。


「な、なぜですかベリアル様……?」


「王の妻というのは王の支えであり、民にとって

 平和の象徴でなければならない。だが、貴様は

 どうだ」


私は数々の氷の像を睨みつけた。


「平和の象徴どころか、自らが平和を壊している。

 自分のことしか考えない妻など、必要ない」


「……なんということでしょう」


フリージアは膝からガクリと崩れ落ちた。


「それほどまでに、あの女に毒されている

 なんて……!」


「べ、ベリアル。もう帰らない……?」


リトラが小声で耳打ちしてきた。


「………そうだな。フリージア、また来る」


その時、私たちが入ってきた扉が重い音を立てて

閉まった。


「いけませんベリアル様……貴方は私の王にして、

 夫なのです!ここから出すわけにはいきません!」


「――リトラ、レオパルド。構えろ」


「ここで3人とも氷漬けにしてさしあげます!」


フリージアは両手を私たちの方へ向ける。


「ダイアモンドダスト!」


彼女がそう言うと、無数の氷の刃が上から降り

注いだ。


「クリムゾン・ギガ・フレア!」


リトラが放った巨大な火球が氷の刃を迎え撃つ。

轟音と共に炎と氷がぶつかり、蒸気の煙が広がった。


「行くぞベリアル!」


煙に紛れ、私はレオパルドと共に踏み込んだ。


「……読んでいましたよ」


突如、激しい吹雪が巻き起こる。視界が一瞬にして

白く染まったが、レオパルドは剣を振り抜き、剣圧で

吹雪を裂いた。


「伏せろ、レオパルド!」


「……!」


私が手を掲げると、レオパルドは即座に身を伏せた。


「テラ・エクスプロージョン!」


「っ!ベリアル様……!」


次の瞬間、轟音が城内を揺らした。フリージアの

眼前で巨大な爆発が起こり、衝撃波と黒煙が

広がった。私はレオパルドと共に後方へ跳び、爆風

から距離を取った。


「……いいか2人とも、絶対に彼女を殺すな」


「アンタ、まだあの変人と話すつもりなの……!?」


「そうだ。まだフリージアには言っていないことが

 ある」


直後、煙に紛れて氷の龍が大口を開けて突進して

きた。


「ベリアル、前!」


「む……」


「ったく!タイムチェーン・ワンミニッツ!」


リトラがそう叫ぶと、地面から鎖が現れ、龍の体に

巻きついた。


「ほう、そんな高度な魔法も使えたのか」


「1分しか拘束できないから、今のうちに何とか

 して!」


彼女が言い終わるより早く、レオパルドは龍の体に

一太刀入れた。しかし――


「!?これは………」


刃が通らない。


「レオパルド、剣を上に掲げて!」


リトラの声で、彼はすぐに剣を掲げた。


「行くわよ、レクリムゾン・ギガ・フレア!」


炎は真っ直ぐ剣先へ向かい、剣は業火に包まれた。

彼はそのまま剣を振り下ろし、氷の龍を真っ二つに

斬り落とした。砕けた氷は蒸気となり、白い霧と

なって城内へ広がった。


「はぁ……魔力切れになりそう………」

 

「あんな高度な魔法を連発してれば、誰でもそう

 なる」


そう言いつつ、レオパルドはリトラに魔力ポーション

を渡している。


「やはり、この程度では殺しきれないようですね」


煙の向こうから、フリージアの冷たい声が響き渡る。


「そこに居る女魔法使いと銀髪の剣士だけならどう

 にかなったかもしれませんが、ベリアル様が居ると

 なれば話は別です」


「何を言っている。貴様が本気を出せば、私たちなど

 すぐにでも捻り潰せるだろう」


「そんなことをしてもつまらないでしょう?たっぷり

 苦しんでもらわなければ」


彼女が指を鳴らすと、床から氷のイバラが這い出て

きた。


「こんなの、別にどうってことないっての!」


私たちはイバラを何度も斬ったり、燃やしたりしたが

キリがなかった。


「……ベリアル。このイバラ、さっきより数が増えて

 いないか」


「それだけではない」


私は何度も魔法をぶつけているリトラを顎で示した。


「どんどん丈夫になってきている」


「ええ、その通りです。このイバラたちは倒せば

 倒すほど増殖し、丈夫になっていく」


フリージアは勝ち誇ったような笑みを浮かべた。


「私に近づくことすらできなくなりましたね?

 このまま、ゆっくりイバラに締め殺されなさい」


「ふむ」


私はこの状況を打開する策ならいくらでも思いつく。

しかし、それではレオパルドたちの成長には繋がら

ない。


「レオパルド、何かいい案はないか?」


彼は唇を強く噛み、静かに頷いた。


「あるにはあるが、2人には協力してもらわなければ

 ならない」


「……そうか。リトラ、こっちに来い!」


リトラは伸びてくるイバラを炎で弾きながら、慌てて

こちらへ駆け寄ってきた。


「何なのよ、この忙しい時に!」


「レオパルドが、この状況を打開できるかもしれん」


「ほ、ホント………?」


彼女の視線がレオパルドへ移る。


「ああ。だが、その技を使っている間はお前たちの

 声が届かなくなる」


「大丈夫。私たちが、アンタに合わせるから遠慮

 せずに使って」


「……分かった」


彼は私たちの前に立ち、剣を低く構えた。


「過集中」

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