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悪魔と神父と一人のプロテスタント教徒

僕たちは今、冒険者ギルドの貴族の護衛任務でエルブルグを出て東にある荘園へ向かっている

馬に揺られながらライマーが僕に質問する

「アフィナさんが新しく仲間に加わりましたが、正体が民衆にばれるのまずいですな」

アフィナはマントをかぶり羽が見えないようにして一緒に行動するようにしている

「そういえばアフィナさんは吸血鬼ですよね、太陽の光、大丈夫なんですか?」

「ああ、ミゲルに頼んで、太陽の光をブロックするクリームを塗っているんだ。だから大丈夫さ」

「あっ、それとライマー、ちょっと気になったんだけどアフィナが仲間になったとき、"改革派"とか言っていたよな、あれはどう言うことなんだ?」

「ああ、その事ですね、この際です、詳しく説明しましょう。まずミゲル教はユニヴェルスとよばれています。」

ユニヴェルス...この世界でいうカトリックみたいなことか

ライマーは本を取り出した

「この本はユニヴェルスの聖書です。この聖書では導きの書、新約書、旧約書に別れています。彰さん、あなたはキリスト教徒でしたよね」

僕も聖書を出しながら答える

「ああ、僕はキリスト教徒、ほらこれが聖書」

「私たちが使っている聖書、その聖書にかかれている新約書と旧約書はキリスト教で使われている新約聖書、旧約聖書と同じものなんです」

「えっ、同じものが使われているのか?」

「はい、そして導きの書はミゲル様が父なる神に代わりこの世を統治する、新約書の契約は有効であると書かれている書なんです」

主の神がミゲル教でも書かれているんだな...

「そして、先ほど質問にあった"改革派"は導きの書、新訳書、旧約書が聖典であり他は認めないと聖書主義に立ち返った派閥です」

「なるほど」

この世界版のプロテスタントと言ったところか...

「そして、魔人、亜人は邪神ルキフェルに作られたが、旧約書には"さあ、人を造ろう。我々のかたちとして、我々に似せて、、"(創世記1章26節)と書かれているとおり人は神に作られた平等な魂を持つものとされます。その為"改革派"では魔人、亜人も邪神によって手を加えられただけであり、本質的には人間と同じなのだ、と考えてるわけです」

僕は軽く頷いた

「だから、"改革派"では魔人も亜人も差別しないんですよね、ああ、対立する派閥についても説明を...」

「対立する派閥?」

「いや、対立すると言っても改革派はかなり少数で、異端審問にかけられ処刑されたものも少なくありません。それで対立する派閥は"保守派"です。保守派は導きの書のみを聖典とすべきと考え、邪神に作られた魔人や亜人は神の名において駆逐するべきだと考えているんです。そして主の神を神として認めておらず、唯一神ミゲル様のみが正しい神だとするんですね」

「ミゲル一神教ってわけか...」

「実際、ユニヴェルスを信仰している人間には神託や奇跡の力が与えられるものがいます、その為ユニヴェルスは奇跡の力と神託を利用してエウロペ大陸を支配しているんです」

「キリスト教の延長と改革派は考えるが、保守派はミゲル一神教と考える。そりゃ対立が起こるわけだ」

「ユニヴェルスの保守派は多くのエクソシストを育成し、"我望む、我が神ミゲル様の名によって!"っと言って各地で亜人、魔人の虐殺を繰り返しているんです。実は私、もともと司教だったんです。でもエクソシストによる虐殺、そしてミゲル様の名を自分の利益のために利用しているのが許せなくて、1年前、大司教が集まる会合で"私は改革派だ!エクソシストによる虐殺、教会の奇跡の悪用は許されない!"って叫んでしまったです」

「そんなことしてしまえば異端審問にかけられるのでは!?」

「はい、普通ならそうでした、しかし私は大司教になれるとまで言われていた人間だったんで、特別処置として神父に降格、そして教会の力の弱い、帝国都市へ左遷となってしまったんです」

「改革派を集めたり、反抗させないためにか...」

「はい、それでミゲル様の報告の時にチラッと言いましたよね、メーンツ大司教領のエハン大司教。彼は私の監視役なんです。私がすんなりミゲル様についていくのを承諾したのは教会から離れられる良い機会だ!って思ったからなんです」

「そうだったのか...確かに報告に言ってくるって言った次の日には、承諾されてたもんな」

「説得には苦労しました...私はあの時純粋に魔力が強い人間が居るから連れてこいって言われただけでしたが、ミゲル様を見たとき、"こんな子供までエクソシストにさせてたまるか!"と思って必死に行動しましたよ...まあ、まさか神様だとは思いませんでしたがね」

アフィナが驚いた顔で質問する

「え!?...ミゲルさんって神様なの!...」

ミゲルが答える

「そうだよ~アフィナお姉ちゃんに言うの忘れてたね」

「ミゲルさん ...ミゲル様って言った方がいいのかな...」

「アフィナお姉ちゃん、僕は全然気にしてないから、好きなように呼んで!」

「わかりました...ミゲルさん...」

アフィナにちゃんと伝えとくべきだったな、しかしユニヴェルスの"保守派"、"改革派"の対立か...現実の地球では宗教改革が起きたが、奇跡の力が使える人間がいる以上保守派の影響力はかなり強いだろうな...

「しかし、これからは大変です。アフィナさんは神聖ロマニエ帝国にいる限りエクソシストに狙われ続けるでしょう...エクソシストは魔物を倒すためだけに鍛えられあげた、まさに兵器と言ってもいいぐらいの人たちです。ある事件ではエクソシストと魔物の戦いで町ひとつが消し飛んだことがあるとか...」

「うう、それはまずいな...」

「そしてアフィナさんが吸血鬼なのも問題です。吸血鬼は魔族の中でもかなり強い存在。私はアフィナさんが戦った姿を見たことありませんが、吸血鬼は町一つ消せると言われてますから...」

うーん、こう考えるとまずい仲間を増やしてしまったな...

あれ?でも僕のリボルバーをなぜアフィナの父はよけれなかったんだ?

「ちょっと待ってくれ、僕はアフィナの父、カロルと戦った際、僕のリボルバーが彼に命中したんだ。今までの話を聞いてる限り、簡単によけれそうじゃないか?」

「そうですね...なぜ彰さんの銃弾をよけれなかったのでしょう...私は銃について詳しくないのでなんとも、あっアフィナさんに直接聞いてみればいかがでしょう?

そうか、アフィナは僕が弾を撃つ練習を見てたからな、もしかしたら原因がわかるかもしれない

僕は前にいるアフィナに質問した

「アフィナ!君のお父さんがリボルバーの弾をよけれなかったのが疑問で、アフィナなら理由わかるか?」

アフィナがこちらに振り向いて答えた

「うーん...多分弾から出る魔力を感じれなかったからだと思う...」

「弾から出る魔力?」

するとミゲルが答えた

「彰!この世界のもの全てには魔力が含まれているんだ、どんなものでも普通は、そして強い魔物は魔力の動きを見て攻撃を避けたり防いだりするんだ!でも彰に渡したのは純粋な地球産の銃、だから魔力が出てなくて避けれなかったんじゃないかな~」

なるほど、魔法や魔物がいる世界で銃が活躍するなんて限定的だと思ったが...これはいいことを聞いたぞ

「あっ、もしかしたら結界とかも彰の銃なら貫通するかも、結界は魔力を集めて魔力同士が反発するのを利用しているんだ!結界は高位種魔物のなら普通に使ってくるんだけど、彰の銃なら気にしなくて良さそう!」

おお、戦闘能力に乏しい自分にはありがたい話だ...


それかしばらくして護衛対象の貴族の荘園へと着いた

「ようこそ、我が荘園へ、私はヘリベルト•フォン•ヘッセン子爵じゃ、君たちが冒険者ギルドが使わした護衛じゃな」

「はい、そうです、私は彰」

「神父のライマーです」

「僕はミゲル!おじさんよろしくね!」

「...アフィナです...」

「ふーむ、大人二人は良いとして、子供二人じゃと?ワシはわざわざシルバー会員に頼んじゃはずじゃが?」

ライマーがミゲルを前に出し言う

「こちらがシルバー会員のミゲル様です」

ヘッセンは驚いた顔をして言う

「こんな子供がシルバー会員?バカも休み休み言いたまえ!」

「むう!」

ミゲルは顔を怒らせ、腕を天に掲げようとする

ライマーはとっさにミゲルの腕を押さえ耳元で喋る

「ミゲル様!大事なお客様です!お怒りになるのはわかりますが、どうか許してあげて下さい」

ミゲルが少ししょんぼりした顔をして喋る

「うん...」

ヘッセンが馬車を指差して言った

「まあ良い、とにかく護衛は頼んだぞ、最近は帝国内でも魔族が増えて叶わん!」

ヘッセンは馬車へと歩いていった

「あまり良い印象な人ではないな...」

「彰さん、仕方ありませんよ、帝国内では魔族は忌み嫌われものですから」

それか僕たちはヘッセンの護衛を始めた

前の二人は僕とアフィナ、馬車の後ろの護衛はライマーとミゲル

馬に揺られながら、アフィナに警告する

「アフィナ、この貴族は魔族を忌み嫌っているから、バレないように気を付けるんだぞ」

「うん...」

それから平和な時間が過ぎていった...

しかし平和な時間はすぐに消え去った

「彰!」

「ミゲルか?どうしたー?」

「なんか大量のゴブリンが馬に乗ってこっちに向かってきてる!」

「なに?ゴブリンが?だがどこにも見えないぞ!」

「ふふーん!僕の魔力関知でずーと遠くまで見えるんだ!本気出せばこの世界のすべての動きだって簡単にはわかるさ!あっ全てって言うのは宇宙全体のことだよ!」

こいつやべぇ、格が違いすぎるだろ

「ミゲルさん...すごい...私も魔力関知使えるけど、そんな遠くまではわからない...」

とりあえず、まだ近くにはいないってことだな

「ミゲル!動きの同行を順次教えてくれ!もしかしたらどこか攻めようとしてるのかな...」

「うん、わかった!」

数十分後

「彰!やっぱりゴブリン、こっちに向かってきてるよ!あと言い忘れてたけど上空に怪しい魔力も感じられる、必死で隠そうとしてるけどミゲル様にはバレバレだね!」

「私も感じる...ゴブリン30体は軽く越えてる...でも上にいる魔力はわかんない...」

ゴブリンが30体!?結構な数だな、あと上空にいる魔力だと?気になるな...

「ヘッセン様!」

ヘッセンがだるそうに顔を馬車から出す

「なんじゃ?もう着いたのか?」

「いえ!ゴブリンの群れが近づいてくるみたいで...」

「な、なんじゃと!?まさか、やはりアイツらを取り返しに...ええい!馬車を早く走らせろ!」

「ヘッセン様、ゴブリンは馬に乗っているようで、馬車だと、追い付かれてしまいます」

「なんじゃと...」

「とりあえず馬車を止めて迎え撃ちましょう」

「わかった、大金を払ってるんじゃ!必ずわしのことを守るんじゃぞ!」

僕たちは馬から降り、ゴブリン達を迎え撃つ準備をした

「しかし変ですね...」

「ライマー、変とは?」

「いや、馬車がいつ出るなんて普通わからないじゃないですか、身内ならまだしも、さらには帝国で嫌われるゴブリン達がヘッセン様のことを事前に知るなんて、さらに気になるのはミゲル様が言われた空にいる魔力の存在です。アフィナさんには見えなかったてことは、かなり高位の魔物に違いありません」

「空から偵察し、その事をゴブリン達に伝えていたってことか...」

ミゲルが誇らしそうに言う

「どんな敵がきたところで僕にかかれば簡単消せちゃうよ!」

「ミゲル様、力を使ってはなりません。ミゲル様は手加減できないじゃないですか、ルキフェルを刺激するかもしれないんですよ」

「そんなことないよ!手加減せずに地面殴ったらこの星なんて木っ端微塵になるもん!」

ひえーこいつとんでもないことを言ってやがるぜ...

「おっ恐ろしい...それならなおさら戦っていけません、手加減をミスしたら大変なことになりますから」

「むう!だったら結界を三人とおじさん張るのは良いでしょ!」

「そうですね...結界ぐらいでしたら...」

ってことは戦力はアフィナと僕だけだ

「アフィナ、突然の戦いだが大丈夫か?」

「うん...大丈夫...」

よーし、射撃は練習したんだ、ちょっとは活躍して見せるぞ!

おっゴブリンが黙視でき...

僕がそう思ったときだった、隣にいたアフィナが物凄い勢いで飛び出し、ゴブリンを虐殺し始めた

「ひ、ひぇ...アフィナがさっきまでいた地面、軽くえぐれてるじゃん。どんだけ勢いあるんだよ!」

僕は目を凝らしながらアフィナの戦闘を眺めた


アフィナ視点

殺す、殺す、殺す、殺す

全員殺して、血をいただく!!!

アフィナは完全に野生化しており、殺戮を繰り返す兵器とかしていた

「ニ、ニゲロ!」

「コロサレル ...コンナハズジャ...」

アフィナはゴブリンの腹を切り裂き、ゴブリンの首をねじりとる

ものの数十秒でゴブリン達は全員殺され、辺りには肉片しか残らなかった...


彰視点

や、やべぇ...これが吸血鬼...

するとヘッセン子爵が降りてきた

「き、君!あの少女は一体何者なんだ!?」

「えっとそのー、戦闘狂的な?」

「なんだそれは!?まるで吸血鬼のように動きが素早く、ちょっと待て...やつ、血を...」

「あーあーあ!気のせいですよ!子爵様!とりあえず安全かどうかわからないので馬車へお戻り下さい!」

「ちょっと、君!」

バタン!ふー危なかった...まさかアフィナがあんな戦闘狂だったとは...

とりあえず、これでゴブリンの脅威は...ってあれは!?

上を見上げると漆黒の羽を生やし角が生えた女が現れた

「あら、吸血鬼がいるなんて予想外だったわね...」

僕はすぐさま銃口を構えた

「おっお前は何者だ!」

「あら、かわいい坊や、異質な容姿、あなた転生者ね」

見ただけで転生者とバレてしまった...

こいつは一体!?

とにかく自分一人ではまずい

「アフィナ!早く戻ってこい!」

アフィナがこちらを振り向くと、先ほどと同じようにすごい速度で戻ってきた

「彰...大丈夫...?」

「大丈夫って、すごい血の匂いが...」

「ごめん...美味しくて夢中になってた」

ひぇ!とんでもない子を味方に付けてしまったな

「アフィナ!とりあえずこの飛んでるやつを対処だ!」

「うん...わかった...」

空に浮いてた彼女が少し距離をとりお辞儀をした

「飛んでるやつとは失礼ですわね、私は"色欲の悪魔""アスモデウス"」

あ、悪魔だと!?それも地球の伝説と同じ悪魔じゃないか!?まさかミゲル、ルキフェル以外にも悪魔がいたのか!?

「悪魔だ...と...?」

「そうよ、驚いた?いやー邪神ルキフェル様は何でこんな弱そうな四人のことを調べろと言ったのかしら...」

邪神ルキフェル?意味がわからんぞ...

するとミゲルが飛び出した

「僕は弱くなんかないぞ!君なんか、簡単に消せるよ!」

「ミゲル様!戦闘してはいけません!」

「あら、かわいい子供、ほとんど魔力がないのに私を倒せるですって?ははは、そこの神父にしがみついてれば良いわ、見たところ神父の方が魔力あるみたいだし」

ミゲルのやつ、ちゃんと魔力を隠してたんだな...ってそんなことはどうでもいい

「おい!アスモデウス!お前が戦う相手は僕だ!」

「わ、私も居ます!...」

アスモデウスは不気味に笑う

「ええ~、お嬢さんならまだしも君は全く魔力を感じない、君みたいな雑魚に用はないのよ。でもそこのお嬢さんなら面白いおもちゃになりそう」

アフィナは顔を強張らせ、すごい勢いでジャンプした

だが悪魔アスモデウスは簡単に避けてしまった

「くっ...」

「お嬢さん、フードで隠してある羽でも使ったら?」

アフィナはフードを脱いで、空を飛んだ

「あら、素敵な羽、ふふふ、切り裂いて邪神様の献上品にでもしようかしら」

「ふざけないで!あなたは私が倒す!」

「ふふふ、悪魔と吸血鬼の戦い、面白いわね」

「はぁあああ!」

アフィナはてに力を込め、アスモデウスを殴る

「吸血鬼ってこんな力?」

しかし、彼女のパンチは片手で止められてしまった

「お、か、え、し」

アスモデウスは彼女に向けてパンチを繰り出した、だが...

「なっなに!?」

ミゲルがみんなに施した結界でアフィナには傷一つつかなかった

「そんな馬鹿な!?魔力全く感じれない結界なんて邪神様ぐらいしか...まさか神ミゲルが魔人に力を貸したとでも言うの!?」

「こっちのターン!...」

アフィナはすぐさま彼女の背後に周り攻撃を加えようとする

「ふっ、甘いわね!」

しかし、アスモデウスは簡単に避けてしまった

どうする...アスモデウスとアフィナの力の差は一目瞭然だ...ミゲルに頼らず勝つには...!

"うーん...多分弾から出る魔力を感じれなかったからだと思う..."

そうか!僕の44マグナムなら!

「アスモデウス!!44マグナムを食らいやがれ!」

パーン!

「うっ!」

アスモデウスの胸にめがけて銃弾が食い込んだ

「まさか、銃弾を私が食らうなんて...でも銃弾なんか何発食らっても...」

彼女の胸に刺さった銃弾が出てきて、あっという間に傷がふさがってしまった

「ふん、銃弾を当てたことは褒めてあげるわ...神ミゲルの祝福を受ける吸血鬼、面白いじゃない!また遊んで、あ、げ、る」

彼女がそういう言うと天空に漆黒の扉が開かれ帰っていった

「ふぅー、悪魔が来るなんて予想外だぜ」

僕は尻餅をつきながら喋る

「彰さん!...大丈夫?...」

「アフィナこそ大丈夫か!?怪我はしてない?」

「うん...ミゲルさんの結界のお陰で大丈夫...」

はぁ、驚くことばかりだよ、あっ悪魔についてミゲルに聞かないと

「ミゲル!」

「彰!お姉ちゃん!大丈夫?」

「ミゲルさん結界のお陰で無事です...」

「僕も、ミゲル、ありがとう」

ミゲルが誇らしそうな顔をして言う

「こんな結界張るのなんて簡単さ!」

簡単って、悪魔でも攻撃するまで気づけない結界だぜ...やっぱ元大天使は格が違うな

「ミゲル、聞きたいことがあったんだ」

「あの、あくま、って名乗ってた女の魔人のこと?」

「そう」

「あれはね、ルキフェルは君の世界にいた伝説の悪魔を真似て作った偽物の悪魔だと思う。見てたけど、僕の足元どころか、塵にも及ばない力しかもってなかったから」

「塵にもって...」

「いや嘘!ブラックホールと塵ぐらいの差...」

「いや、そこはいいよ。つまりパクリ悪魔っとこか」

「うん、そんな感じ、僕が戦えたら、簡単に消せるのに...」

「ダメダメ!おそらくルキフェルが作った悪魔なんだろ?消したりなんてしたら、それこそ冷戦が熱戦になるよ」

「うん、でも戦って見たかったなぁ、1秒ぐらいなら僕の攻撃耐えれそうだったし」

やべよこいつ

「もし、そんなことしたら...」

僕はミゲルの頭に拳を当てる

「止めて!頭グリグリは!いたいもん!」

「わかったならよし!」

とにかくゴブリンは追い払い、悪魔も...

すると馬車から大きな声が聞こえてきた

「吸血鬼!やはり吸血鬼か!?」

あっヤバい、さっきの戦闘でアフィナのフードが...

「貴様ら!まさか魔人を使っていたとは!この事はすぐに大司教に報告だ!貴様達の元へエクソシストが向かうだろう!ハッハッハ!吸血鬼を発見したなんて大手柄になるぞ!」

ヘッセンが馬車に乗り込み馬車が走って行ってしまった

「ああ!おい!」

まずい、悪魔には目をつけられるし、アフィナが吸血鬼だとバレるし、まずいことになったぞ...

「みんな!とりあえず、エルブルグへ帰還するぞ!」

「了解!」

「わかった!」

「了解です...」

我々は急いで馬に乗りエルブルグを目指し帰路へついた...

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