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選帝侯と皇帝と大司教

僕とミゲルとライマーは今は帝国都市でギルドからの依頼をこなしている。貴族の護衛や野生のイノシシや狼の退治など一般的な仕事だ。そして今日も仕事へ行こうとしたとき...

「反乱だ!反乱だ!皇帝と選帝侯の戦争だ!」

なに?反乱?

「アングリア選帝侯とチェヒ選帝侯、さらにはリュティンツィア選帝侯が皇帝の退陣を要求したらしいぞ!」

「なにやら皇帝と愛人の不義密通がバレたらしい」

「皇帝は去年戴冠したばかりだからな、不安定な政局だから新しい皇帝を立てたいと言う思惑があったのだろう」

中世世界では政略結婚が一般的だ、そのため愛人を作る貴族も少なくない。不義密通がバレたのを利用して皇帝おろしと言うわけか。

「彰さん、これはお金を稼ぐチャンスですよ、選帝侯が3っも反乱に回ったとなれば皇帝が負けるのは明らか。選帝侯に肩入れして、あわよくば称号でもいただいちゃいましょうよ」

うーむ、確かにミゲルがいれば簡単に敵軍ごと消し去ることができるだろう。

「いやライマー、ミゲルを戦闘に出せば神であることがバレる危険性が高い。そしてライマーは回復魔法が軽く使えるだけで自分は戦えない、だから付添人状態で今までの依頼でも何もできなかったじゃないか?あとそもそも僕とライマーは冒険者ギルドに登録すらしていない」

「あっ確かに...それならどうしましょう...」

「ミゲル、魔術師として手加減して戦えるか?」

「僕、詠唱して魔法使う方法がわかんない、無詠唱で大型魔法使ってたらすぐ怪しまれると思う...」

確かに、ミゲルは詠唱なんてしなくても魔法が使えてしまう。それが仇となったか...

「新しい、そして強い仲間がいる。」

「え?」

「グループで動くとなるとミゲルができることは限られてしまう、そうなると戦える人間が必要だ。それか僕達自身が戦えるようになるかだが...」

「私を見られても困りますよ!回復魔法の勉強と普段使いに便利な魔法を知ってるだけで戦闘なんてできません!」

「そうか ...なら!回復班として選定侯を手伝うのは?」

「なるほど、良い考えです!回復魔術師は最前線で味方を治療したり、戦場で味方を治療する関係上、無詠唱魔法が使える方も少ないですがいるにはいます。ミゲル様を大魔道師と説明し、私は補佐としましょう、神父が回復班として戦場に出ることは少なくありませんから」

「よしそれならミゲルとライマーは支援に行ってほしい」

「わかりました、それでは私はメーンツ大司教領のエハン大司教に戦場へ立つことと、ミゲル様の報告をして参ります」

「ありがとう、ライマー。あとは僕がどうするかだが...」

「彰はエルブルグにいた方が良いと思う!僕の魔法で守ることも出きるけど怪しまれちゃう」

「わかった、自分はお留守番だな、だが中世で無防備は不味いんじゃ?」

「剣術はどうなの?」

剣術、オークを送ってから冒険者ギルドで訓練はしたのだが...

「全くダメだ、そもそもショートソードを持ち上げるの自体怪しい、ベルンハルトに”君は剣を振っているというより、剣に振られているな”と言われたぐらいだしな」

「うーん、それなら地球にあった銃とかどう?」

「銃?この時代に銃何てないだろう?」

「銃?彰さん、銃なら一部の国で使われてますよ?アルビオン連合王国やローマニア連邦で、あとこの時代ってどういうことですか?」

「あー、ライマーにずっと内緒にして行くわけにはいかないか...回りに人が多い。ちょっと宿屋で話そう」


~宿屋ひつじ~

僕はライマーに自分がミゲルに地球から連れてこられた人間だと説明した

「なるほど、転生者でありましたか...」

「あれ?案外驚かないんだな」

「ええ、まあそれは、数十年に一度転生者が異世界から来ることは有名ですので、全くこの大陸を知らない人が現れるんですよ?普通おかしいじゃないですか。あとはミゲル様の方がはるかに驚いたのでもう驚きませんよ」

「そうか...」

まあ転生者よりも神様と一緒でーすの方が100倍驚くことだよな

「転生者ということはなにか特殊能力をもっていらっしゃるのでは?あと転生者は身体能力と魔力もすごいと聞きましたが...」

「いや僕は転生した際にミゲルに身体能力強化もらってなくて、魔力もないんだ」

「ええ!?魔力がない!?魔力がなければ普通死んでしまいますよ!?」

魔力がないと死ぬのか...もしかしたら地球とこの世界の人間の構造は違うのかもしれないな

「まあ、身体能力強化はしてもらってないが特殊能力?というか特殊能力が使えるようになる腕時計はつけているよ」

「腕時計?ローマニア連邦で使われているらしい非常に珍しいものですよね...」

腕時計が珍しい?もしかして...自分は特殊能力を使い腕時計の歴史についての本を出した

「おお!すごいこれが特殊能力ですかぁ、おや見たことのない文字で書かれた本が出てきましたね」

「ミゲルにもらった僕の特殊能力は転生前の世界から自由に本を取り出せる能力を使える時計なんだ」

「彰のために僕が作ったんだよ!すごいでしょ!」

「さすがはミゲル様です、それで彰さん、その本は?」

「ああ、転生前の世界の歴史書さ」

僕は腕時計がいつ生まれたかを調べた、そうすると19世紀ごろに誕生し20世紀に普及したと書かれていた、もしかして!?

「彰さん、驚いた顔をしていますが...」

「いやローマニエ連邦の技術が気になってな」

「ああ、ローマニエ連邦の、ローマニエ連邦では鉄の塊が専用の道で動いていたり、街にはケイサツ?と呼ばれる人たちがいると聞いたことがあります」

なんだって!?鉄の塊は電車のことだろう、警察...警察...僕は本を取り出して調べた。

やはり、専門警察が出てきたのは近代以降だ、つまりローマニエ連邦は近代並みの技術があるにちがいない。やはりローマニエ連邦を目指すべきだな。

「いや一人で本を呼んですまない。少し気になってたことがあってな。えーとそもそもの話しはなんだっけ」

「えーと、彰さんが転生者についての話しとこの時代の発言についてと...ああ、銃についてです」

「そうだった、えーと転生者だとは説明したよな?実は転生前の時代はこの世界より技術が進んでいて、過去に似たよう時代があって、それでも歴史書を取り出して調べてたんだ」

「なるほどそういうことだったんですね...」

「それで前の世界の歴史ではこの世界の技術水準は中世と呼ばれる時代レベルなんだ」

「ほう、中世...」

「それで僕のいた世界ではこの時代銃は発明されていなかった、銃が出てきたのは近世以降なんだ。それで銃があると言われて驚いたんだよ」

「なるほど、そうだったんですね。私も勉強したときに知っただけで詳しくは知らないのですが、アルビオンとローマニアでは銃が兵士の装備として一般的に普及しているらしいです」

「銃が一般的に普及している国があるか...それならミゲルに銃をだしてもらってもそこまで怪しまれないかもな」

僕は次に銃について書かれている本を取り出した。

「ミゲル、このS&W M29を出してくれ、44マグナムを使ったものだ、おそらく魔族や魔獣がいる世界でもある程度役に立つだろう」

「はいはい~ポンッとこれでいいかな?」

ミゲルがそう言うと僕の手元に拳銃が現れた

うぉ、重い...これがリボルバーか...銃なんて持ったの初めてだ

「ほほ~これが銃ですか...いや神聖ロマニエ帝国ではなかなか目にすることがありませんから...」

「よし!これで自分の身はある程度守れるだろう、それじゃミゲルとライマーは選帝侯の援軍に行ってくれ!あっミゲル、僕用の食事を出しといてほしい。しばらく帰って来れないだろうからな」

「OK!これでいい?」

そう言うとミゲルは保存食など調理が不要な料理を出してくれた

「ありがとう」

「これくらいどうってことないよ、それじゃライマーお兄さん、一緒に選帝侯連合軍を助けに行くよ!」

「了解ですミゲル様」

そう言ってミゲルとライマーは出ていった

よし、まずは44マグナムになれるために郊外に行って練習でもするか...


ライマー視点

いま私はエハン大司教に報告書を書いている。しかしまさかミゲル様が神様だとは予想外だったな...とりあえず報告書には強い魔力を持った子どもっと、子どもなため複雑な魔法は使えないため(嘘だけど)指導してまいりますっと

「お兄さん、お兄さん!報告書書き終わった?」

「ミゲル様、少しお待ち下さい、終わればすぐに出発しますので」

「お兄さん!早くしてね!みんなが助けを待ってるんだから!」

とりあえず報告書はこんなものでいいか

私とミゲル様は他の冒険者といっしょに馬に乗り戦場へと向かった...


「ああ!君たちが増援の回復魔術師か!って子ども!?」

「こちらはミゲル様、大魔道士であり無詠唱で回復魔法を使える天才です」

「僕に任せて!」

「あ、ああ...」

私に小声で騎士が質問した

「本当に大魔道士?それも無詠唱で?君のほうがてっきり...」

「私はただの神父でミゲル様の後見人です、ミゲル様の実力は本物ですからお任せください」

「ああ、ならいいんだが」

騎士がミゲルと私に挨拶をした

「私はフランツ・フォン・ゲルンハルトだ、この部隊の司令官をしている」

「おじさんよろしく!」

「よろしくお願いする、先日、選帝侯連合軍8000と皇帝軍5000が接敵し、われわれは皇帝軍対して勝利、皇帝軍は今現在、帝国首都に向けて敗走中だ。しかし徴募兵を中心に多くの兵が負傷しており、今現在、軍隊の再編中である」

「僕達がその負傷兵を助ければいいんだね!」

「ああ、すこし不安が残るが頼む」

ミゲル様と私はすぐさま負傷した兵に対して回復魔法を唱え始めた

「神様、み心にかなうように力を下さい!神様、皆に救いのお導きを与えてください!ヒール!ヒール!」

隣に神がいるのに神様に祈りながら回復魔法をかけるのは複雑な気持ちだな...

「おじさん、大丈夫だよ!ほら!」

「ああ、ありがとうござます、大魔道士さま...」

「おい!だれかこっちに来てくれ!こいつの出血が止まらないんだ!」

「僕に任せて!」

小さな声が聞こえてくる

「ああ!誰か助けてくれ...」

「だめだ、こいつはもう助からない。」

「大丈夫!僕なら助けれるよ!ほーら!」

「馬鹿な!?内蔵をやられてたんだぞ!?す、すごい...」

ミゲル様がほとんど死にかけの人などや、普通のヒールだけでは助からないような人々をどんどん助けていく

「ゲルンハルト司令官!我が部隊にいた負傷者はすべて回復!一人も死んでおりません!」

「なんだって!?何人かは体を剣で貫かれたんだぞ!大魔道士でも助けれない人ばかりだったじゃないか!?」

「はい、それどころか足を失った者は足自体が再生してます...」

「ありえん...魔法の域を超えているではないか...これは全部増援に来たミゲル、いやミゲル様の力か...」

ミゲル様が誇らしそうな顔をしている

「僕にかかればこれくらい朝飯前さ!」

「まさか死人を蘇生したりもできるんじゃないのか!?」

「そんなのか...」

私は急いでミゲル様の口を塞ぐ

「んんん~!」

「ゲルンハルト司令官!死人が生き返るなんてありえませんよ!何をおっしゃっているんですか」

「まあ、そうか、ありえないよな、とにかく助かった。今回選帝侯連合軍が勝ったあかつきには私の兄が皇帝へ戴冠する予定なのだ、君たちのことは兄にいっておくよ」

「ありがたき幸せ」

ミゲル様が私の耳元で話す

「なんで僕の口をおさえたんだよ!死人ぐらい簡単に蘇生できるじゃん!」

「普通はありえないからですよ!今の時点でも大概ありえないことをしているんですから自重してください!あとルキフェルにバレたらどうするんですか!?」

「うん...ライマーさん、ごめんなさい」

「怒ってませんよ、ミゲル様のお陰で普段は助からない多くの人が救われました。ありがとうございます」

「うん!これからも頑張る!」

ゲルンハルト司令官が聞く

「なにコソコソ喋っているんだ?」

「いえ!ゲルンハルト司令官、これからの予定は?」

「これからか、我々選帝侯連合軍は合流し、帝国首都シュパンガウへ目指す。籠城する皇帝を捕らえるか、帝国首都をおさえ、講話を行うつもりだ」

「わかりました、我々もついていきます」

「ああ、助かる。君たちがいれば心強い」

我々は帝国首都へ向かった


~帝国首都シュパンガウ~

「おお、あそこが帝国首都、さすがは神聖ロマニエ帝国の首都なだけはありますね、すごい繁栄ぶりだ」

ゲルンハルト司令官が兵に向かって叫ぶ

「我々は今から攻城戦を行い帝国首都を落とし姦通皇帝を捕らえる!皆のもの後に続け!」

「おぉおおおおお!」

ミゲルがライマーに質問する

「お兄さん!お兄さん!」

「何でしょうか?ミゲル様」

「こうじょせんってどれくらいかかるの?」

「我軍を見た限り攻城兵器のマンゴネルがありますが、それでも数ヶ月はかかるでしょうな。強攻すればある程度は短縮するでしょうが...」

「数ヶ月もかかったら彰と合流できるのが遅くなっちゃう!いやだ!」

「しかしそう言われましても...」

「そうだ!いいこと思いついた!」

「あっミゲル様!どこへいかれるのですか!」

ミゲル様が手元に何かを出してベルンハルト司令官のもとへ向かった

「おじさん!おじさん!」

「ミゲル様、どうしたんだ?」

「これ!治癒ポーション!簡単な傷は治るやつ!実は大切な友達をまたせてるんだ、だから...」

「なに!?そうか...まあ君は子供だからな。まあ兵を損耗したくないから強攻はするつもりはない。君がいなくなっても大丈夫だろう」

「おじさんごめんね」

「大丈夫だ、新しい皇帝が戴冠するのを待っててくれ!」

「うん、わかった!」

ミゲル様がゲルンハルト司令官のもとから戻ってきた

「ミゲル様良かったのですか?」

「うん、なんか彰の身に危機が迫ってる気がして...力を使えばわかるけど、これ以上力を使ってルキフェルを刺激するのはまずいから」

「わかりましたミゲル様。しかし彰さんに危機が迫っているというのは気になりますね...」

我々は選帝侯連合軍を後にして急いで帝国首都エルブルグへ向かった...

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