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デノンの冒険者たち  作者: 豹頭王
3/8

二つの世界と二人と二匹 3



 

「彼の名は、ギルモア――寄生型進化獣、カーバンクルよ。大抵の物には、化けるわ」


 ダリアの頭上のティアラは光を放ち、次の瞬間には彼女の右肩にカーバンクルと思しき生物が鎮座していた。

 額にルビーの宝石を頂く、白いウサギ――それが不思議生物カーバンクルの印象だった。が、これはあくまで仮の姿であり、状況に応じて猫にも狼にも変身することができるらしい。


「いやぁ、驚いたぜ。ダリアに殺されそうになったくせに看病してやがるから、とんだマヌ――いや、お人好しがいたもんだと――」


((今、マヌケって言おうとした!!))


 ギルモアのサプライズな登場シーンに驚かされ、マヌケとまで言われそうになったヤークとフロッグは、ギルモアに良い感情は持てなそうだった。

 ダリアはクスリと笑い、


「ギルモアは口は悪いけど、態度もメチャクチャ悪いけど――どうしよう。良い所が見つからないわ――多分、良い奴よ!?」


 不信感たっぷりのギルモアの評価に、疑心の目を向ける一人と一匹。


「コホン! あー、何だ。その、お前ら、ダリアを助けてくれてありがとな」


 空咳しながら、カーバンクルのギルモアが礼を言う。

 ツンデレ要素ありだな、とヤーク。

 素直じゃないタイプか、とフロッグ。

 悪い奴では、なさそうだ。

 出会いは最悪だけど、最低じゃない。

 ヤークはダリアに、この世界に来た事情を話し出した。

 ヤークたち、ドリュアド一族が、魔道師ローグの呪いで、樹木状に変わってしまったこと。

 選択肢として、ローグを殺すか時空を駆ける魔女レサルカを探し出し、呪いを解いてもらうかのどちらかということ。


「そう、魔道師ローグはあなたたちの世界にも、進出していたのね。私たちのダナン王国でも、魔道師ローグが魔族を解き放ったために日夜、戦っているの」


 ダリアがため息をついた。

 その時――


「ぎゃあああぁ!」


 耳をつんざく絶叫が、ダナン城の城門近くで轟いたのだった!







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