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デノンの冒険者たち  作者: 豹頭王
2/8

二つの世界と二人と二匹 2

 

 ダリアは攻撃を妨害したフロッグを視認する。

 敵は一人では、なかったのだ。

 巻きついたフロッグのベロから、何とか王女は剣を引き抜こうとする。

 フロッグの舌は、かなり柔軟性があり、押しても引いても、その方向に力を逃がすよう、巧みにコントロールしていた。


「くっ! 放しなさい、この使い魔っ!」


 思いっきり引っ張るダリアに、フロッグは意地悪な笑みを向け、悪魔的な素直さで、ベロを引き戻す。


「きゃあ!」


 反動で尻もちをついたダリアは、そのまま頭を強打する。はずみで長剣は茂みの中へと飛んで行った。


「さて、ヤーク――この娘、どうしよう?」


 しゃべるカエルは、困ったようにベロをひねった。

 数分後――円形の大理石の噴水に寝かされていたダリアは、上半身を起こした。額からは、水で冷やしたタオルが滑り落ちる。

 側には心配そうな顔のヤークと、使える使い魔が王女を見守っていた。

 負けを察したダリアは、ひと息つく。


「してやられたわね。さぁ、殺せば!」


 カエルと少年は、脱力する。


「あのね、お姫さん。オイラたちはアンタを、どうこうするつもりはないよ。ちょっと、話を聴いて欲しいだけなんだ」


 ダリアはヤークのシャツの片袖が失くなっていることに気づいた。

 どうやら、シャツを割いてタオル代わりにし、介抱してくれたらしい。

 王女は自身の過ちを認め、頭を下げた。


「ごめんなさい。魔族との争いで、今、この国はピリピリしてるの」


「良いって。オイラたちも、フホー侵入して悪かったし」


 頭があまり良くないヤーカート。

 当然、王女みたいな高貴な人物と会話したことがないので、幾分変なしゃべり方となった。

 ふと、ダリアが周囲をキョロキョロと見回す。


「ギルモアは? 私の剣は、どこ!?」


 白刃の剣の名は、ギルモアらしい。

 まるで、人の名前である。

 ダリアの声に反応したのか、茂みから長剣が彼女目がけ襲いかかる!


「「危ないっ!」」


 ヤークとフロッグが同時に叫ぶ。

 白刃の長剣はダリアの頭部に刺さ――らずに、彼女の頭上を飾る銀色のティアラとなった。


「無事だったのね、ギルッ!」


「あたぼうよ!」


 ティアラが明滅し、声が聴こえた。


「「どういうこと!?」」


 ヤークは首を、フロッグは舌をひねった。























スマホ執筆で、バックアップ取れないので


短文掲載となります。



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