3/24
『深刻社』の社長が俺を訪ねてきた。昨日の話だが。そこから夜通し話し続けて起床したのが昼、と書くのもおこがましいか。夕方の五時だった。問題というほどの問題でもない、という切り出しで始まったその話は、普通に問題だった。
簡単に書けば、『深刻社』の内部分裂である。テアマット家は弟の俺が継ぐから安心、となっていたところに、やっぱり兄貴が継ぐことになるかもしれない、などと話せばそうなるのは目に見えていた。なので、何でこんなに社長が落ち着き払っているのか俺には終ぞ理解できなかったが。
現状、社内は『社長が大丈夫って言ってるんだから大丈夫なんだろう派』と『社長が何を言おうとオートスは信用できない派』に分かれているらしく、ここ数日、その収拾に努めていたんだそうだ。
俺が寝てしまっている三日の間の出来事だった。
申し訳なさすぎる。
とりあえず、後日俺の方から詳しい説明をするということで社員を納得させたので、近々『深刻社』に顔を出してくれと言われたのだが、傍から見れば無責任な行動ばかり取っている俺が何を言っても無駄だと思ったので手紙を渡したい、というところで意見が割れた。
水掛け論どころの話ではない、いくら水を掛けても何も芽吹かない不毛な時間が続き、結局は俺が根負けして、数日中に会社に向かうことになった。
不毛なのに根負けとは。
不毛だから根負けなのか。




