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かなり揉めたが俺の優勢といったところだろう。根回しに関してはかなり気遣ってあの二人に隠していたので、バレてはいなかったはず。ついでに書いておくと『仮眠』についてもバレていないと思う。バレようがないとも言えるが。
もうすでにアップリテル家と『深刻社』の両方が俺に賛同してくれているという一手が決め手になった。兄貴に家を継がせたくない父さんと、継いだとて針の筵になるのがわかっている兄貴が、ああも黙りこくるのはもう諦めたのだと見ていいはずだ。
むざむざ針の筵になるのが兄貴への処分。
その兄貴と結婚するのがヒルドへの処分。
二人としては、家から追い出すとか、そういう処分を予想してただろうし、あるいは期待してたのかもしれないが、流石にそこまで心が痛むことは出来ない。排斥された、そして廃籍された貴族の末路なんて大抵決まりきっている。
貴族として生きて、そして死んでいくことに何の疑問も抱いてなかっただろう二人を、個人的感情で崖に追いやるというのは俺の中の良心が咎めた。両親は咎めただろうか。
俺の健康状態とこの根回しの速さに、多少の違和感を抱きはしただろうが、そこを突っ込んでも大した反駁にはならない。もう戦いは終わっている。
今はただ、終わりを待つのみだ。




