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ばたばたしてて二日休んでた学園に登校した。内々で処理しただけあって誰にも知られていないようで安心した。家の全てが変わってしまった今、変わらない教室や級友が何とも心の救いだ。
ヒルドはまだ休んでいるので、同級の女子に大丈夫なのかと聞かれた時は内心ばくばくだったが、下手に嘘を吐くとどこかでぼろが出そうなので素直にわからないと答えた。
俺、忘れるなよ。嘘は一貫性が大切だ。
兄貴と一緒に通ってたのが遠い昔のよう、ということはなかったが、もう二度と並んで歩くことはないんだろうなと思った。少しだけ悲しかった。気がする。
家に帰ると雰囲気が重苦しくて部屋に籠ってしまった。夕飯の場にも兄貴は出てこない。
いつまでこの、人でも死んだかのような雰囲気は続くのだろうか。