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今日は両家交えての話し合いが行われた。年始に集まったときはあんなに和やかだったのに、今日は死ぬほど殺伐としていて、俺は被害者のはずなのに土下座したくなった。
どっちが悪いとも言えない状況だから、あんななんとも気まずい空気になったんだろうな。
向こうの両親は、終始兄貴を睨んでて、帰り際に俺は泣きながら謝られた。
そういえば、ヒルドとは一度も目が合わなかった。合わせられても困るしかなかっただろうけど。
入れ代わり立ち代わり侍女の皆が慰めてくるのがありがたいやら悲しいやら。
具体的なところはまだ聞いてないけど、多分兄貴とヒルドを結婚させることになるんじゃないかと思う。共同で手掛けてる宝石加工の事業を今更投げ出すわけにもいかないだろう。
急な結婚相手の変更は知り合いに良い顔されないだろうけど、精々頑張って乗り越えてほしい。
おじいちゃんは朝起きたらもう帰ってた。