スタンピード2
読んで頂きありがとうございます。
町の詳細が分かるほど近づく
門の前に兵士と思われる人達が戦っている。
もう戦闘が始まってしまった、、、
だけど、まだ外壁は壊されていなく耐えている
まだ間に合う!!
「カーティル!リッター!」 「『はっ!』」
これだけで僕のやりたい事を理解してくれる。さすがだな。
城壁の上空に近づくとリッターがアメリアを抱え飛竜から飛び降りる。カーティルは飛竜の影を使い兵士達を掴み後方に下がらせた。よし!
僕はそのまま魔物に突っ込む!
「【銀の翼】」
当たる寸前で自分の背中に翼を出し飛竜から飛び降りた。
"ドガーンッ"
大きな音をたて魔物達が飛び散って行く。
逃げてきただけなのかもしれないけど、ごめんね。
さらに僕は魔法を使う。
「【銀の薔薇】」
銀の飛竜を素材にハッサムの城壁を何周も囲う有刺鉄線を展開した。
強度はあまり信用できないが時間を稼ぐ事は出来るだろう。
僕はポカンとしている兵士達に声をかける。
「無事ですか?僕はヘーゼルの冒険者です。知らせを受け助けにきました!」
「本当に来てくれた、、、マシューのやつやりきったんだな、、、ありがとう、、本当にありがとう」
傷だらけの兵士達は安心しきっていた。
だけど、油断は出来ない。飛竜から飛び降りた際遠方に土煙をあげこちらに向かってくるなにかが見えた。
「責任者はいますか?状況が知りたいのですが」
「責任者はいない」
声がした方を見ると、装備が他と少し違うガタイの良い中年の男性だった。
「そうなんですか?貴方は?」
「私はダイムと言う。まずは助かった。感謝する!
ハッサムの領主と貴族達は王都に援軍を呼ぶと言う名目で逃げてしまった。その護衛として大部分の兵もとられたが、逃げる事が出来る住民達も同行させる事が出来た。
残るは怪我人や高齢者と子供500人がまだ中にいる、、
貴殿のあの竜でどうにか住民を避難させてはくれないだろうか?
勝てる戦ではないのだ、、、頼む!」
領主や貴族は民を守る責務があるんじゃないのか?
真っ先に逃げ出すなんて、、
だから、領主の代わりにダイムさんが現場の指揮官をやっているのだろう。この人は貴族じゃないのかな?
何処か雰囲気を感じる人だ。
でっ、勝てる戦じゃないか、、だけど逃げてもヘーゼルに魔物達が行ってしまう、、それは避けたい、
あの遠方に見えたナニカは王技なしでは倒せない気がするし
でも、僕の王技は今は使えない、、ならっ!
「一つだけで死者なくスタンピードを退ける方法があります」
「そんな事はありえん、、100を救うために10の犠牲は仕方ないのだ」
「試させて貰っても良いですか?無理だったら逃げる事を最優先しますので」
「うむ、、だが、あまり時間は無さそうだぞ?」
僕の作った銀の薔薇をくぐり抜けている魔物が何体かいるな
「カーティル!リッター!少し持ち堪えれる!?」
「『はっ!』」
僕はダイムさんと町の中に入る
すると、扉の前には武装した住民が何十人かいた。
だが、皆お爺さんや怪我人 若い子共だった。
「ダイムさん?どうしたんじゃ?凄い音がしたようだが?」
先頭にいる武装したお爺さんが話しかけてきた。
「あぁ、少しな。この隣の少年が助けてくれて今は耐える事が出来ている」
「そうじゃったか。だが、いつまでもつかのう、、で?町の中に用が?」
ダイムさんがこちらを見てきたので代わりに口を開く
「初めまして、僕はシルヴァと言います。Bランク冒険者で皆さんを救いにきました。僕の魔法で皆さんを安全な場所に運ぶ事が出来ます」
すると強面な男性が口を挟んできた。少し足を引きずっている
「俺は助けなんていらねーなぁ。逃げたってこの町は終わりなんだ。生まれも育ちもハッサムなら死ぬ時だってぇハッサムなんだよ!」
「まぁまぁそう言うな。わしらもお前と同じ気持ちだが、女子供らは出来るなら逃したい」
「それはそうだがよぅあいつらだって一緒だと思うぜ?」
町に愛着があるから逃げずに戦って死にたいか、、
それだけじゃ無さそうだけど、都合が良い。
「一つ提案があります。皆さんは町の中にいて良いですしこの町も無くならずにすむ方法があります」
お爺さん達の目つきが変わる。
「小僧?今のワシらにその冗談はどうなんじゃ?」
「そんな方法あるなら俺は神に手を合わせてやるよ!」
「冗談ではありません。僕にはそれが出来る力があります!ですが、これは皆さんの協力が必要でもあります」
ここで少し技能 王圧 を使うと皆少し聞く耳を持ってくれた。
「そんな方法が、、あるならばワシは協力するぞ!」
「ワシもじゃ!まだワシは死ねん!まだワシはワイフをみつけておらんからの!」
「俺もやるよ!」 「僕も!」
扉の前にいた武装した住人の半数は手を上げた。
もう一押しかな?
「そんな簡単に信じる事は出来ないでしょう。ですが時間はあまりありません。今この町に残っている病人、怪我人の治療をしましょう。それが出来たのならば信じて欲しい。
信じれずとも怪我や病人がいなくなれば逃げれるのでは?」
この人達は誰かを残して逃げる事が出来ないのだろう。
町には愛着はあるけど死ぬほどではないと思う。
「本当かにいちゃん!?母ちゃんが寝込んでてにげれないんだ!」
「女房は足が悪いんだ!」 「じいちゃんは目が見えない!」
さっき黙っていた人達が口を開く。
「約束するよ。だから皆でこの場所まで連れてきて欲しい
それまでの時間は僕が稼ぐ。ダイムさんと兵士の方も協力して欲しい。外は僕と仲間が守る。集まったら合図をお願いします」
子供達は素直に走っていった。
ダイムさんが
「本当に、本当に出来るんだな?」 「はい」
「ふぅ〜貴殿を信じよう。無理だろうとさっきまでの未来と同じになるだけだしな、皆!今は言われた通りにする!動いてくれ!」 「「「了解」」」
「ダイムさんが言うなら仕方ないのー」
皆が行動に移ってくれた。ありがとう
僕は再び門の外へでる。
『お待ちしておりました。シルヴァ様
状況は逼迫しており、あと数分で銀の薔薇が決壊するでしょう。如何しますか?』
「リッターはこの門を死守 王小紋も使っていいよ。
カーティルはアメリアと一緒に僕のそばへ」
「『はっ!』」 「・・・」
町の住民が集まるまで持たせなきゃいけない。
地球の兵器を創造する事も出来るけど魔力消費も大きいし複雑な分時間もかかるから今は使えない、、
となると、魔力消費が少なく構造も簡単で尚且つ魔物を抑え込める物か、、、なんだろうか?
「カーティル、討ち漏らしを頼むよ。アメリアは怖いと思うけど我慢してね?必ず守るから」
「御意」
「・・・死んでも大丈夫なので、、」
死なせないよ。
僕は銀魔法で高勾配のスロープを横100m程作り
その後ろに前方を見渡せる高台を作りそこにアメリアと乗った
あとは魔力創造で3メートル程の巨石を創造 創造 創造 ひたすら創造する。
これなら稼働率が戻った発魔炉
で十分賄える。アメリアの【魔の香り】によって魔物達はこちらをめざしてくるので次々巨石が魔物を轢き殺していく。
あまりに見ていられない光景だが、やっているのは僕だ
どちらが、悪者か分からなくなるな。
討ち漏らしやスロープを躱した魔物達はカーティルが倒しそれでも抜けた魔物はリッターが片付ける。
数十分程虐殺をしていると大型の魔物が現れ始めた。
どうやらこのスタンピードはダンジョンに発生した怪物により起こっているそうだから今からは高ランクの魔物やダンジョンの主が出てくるだろう。それまでに王技を使えるようにならないとまずいな。
すると兵士に呼ばれた。
「怪我人、病人、今いるすべての住人が集まったぞ!」
さぁ、気合いをいれなきゃ。もう柄じゃないとか言っていられない。
「アメリアついてきてくれる?」 「・・はい」
「カーティル リッター また少し離れるけど頼むよ?」
「『御意』」
スロープを変化させ壁に変え、急いで町に入る。
「こんなとこに連れてきてどうするんだ!?」
「本当に信用出来るのか!」
「どうせ死ぬだ、、早まっただけ、、」
「落ち着いてよ!」
色々な声が聞こえてくる。怒りや恐れ不安などが感じられる。
僕は銀魔法で演壇を作り、フードをとった。
そして、王圧を使いながら口を開く。
「ハッサムの勇敢なる民達よ!私はシルヴァ 王になる者である!もうすぐこの場所に高ランクの魔物とダンジョンの主がやってくる。このままではこの町もろとも全滅するだろう」
そこで少し話すのをやめて住人達を見渡す
王圧のおかげか皆真剣な目でこちらを見ている。
「だが、皆の協力が有れば町を守り抜き迫り来る魔物も全て蹴散らせる事が出来る 私が願うは皆の忠誠である!勿論ラカス王国につく皆を裏切らせる気はない。今一時で良い。この災厄を乗り越えるまで良い」
住人達がざわざわと騒ぎだす。
「今すぐに信用する事は出来ないかもしれない。だから!怪我人 病人を集めて貰った。私が治そう。そして、約束しよう
誰も死なせないと」
「俺は生きれるならあんたに忠誠を誓うよ!」
「国を裏切らなくて良いなら、、、」
「私も、、足が治るならシルヴァ様に忠誠を誓います!」
「ワシもじゃ。老い先短い命じゃがシルヴァ様に、」
いくつもの誓いの声が聞こえて来る。すると
【一定数の民の忠誠を確認、、王技の再使用が可能、、】
よし!これで治してさらに忠誠を集める事が出来る。
先に王の神槍で魔物を一掃しないかは人は危険が迫っている時のが心が動くらしい
倒し終わった後に王技が使える程忠誠が集めれるか分からないから保険だ。
アメリアの心を早く救いたいのも理由の一つだけど。
しばらく黙っていると
「だけどよぉあんたに利は無いだろ?なんでそこまでするんだ?」
「確かに、、なんでだ?」
「おかしよな!?」
きた!この言葉達が必要だったんだ。
「私にとっての王道は民に寄り添う事だからだ。民なくして王は、存在しない。さぁ共に立ちあがろう!
【我、王の名において汝らに与える 王の温情】」
銀の光が降り注ぐ、、、
「あ、足が生えた!?」 「手が、、!?」「苦しく無い!」
「痛く無いぞ!?」 「腰が、、なおったぞい!」
沢山の喜びの声が聞こえてくる。これならなんとかなるかな?
僕は後ろにいたアメリアに声をかける。
「どうかな?少しは良くなった?魔加護まではどうにもならなかったけどいつかなんとかしてみせるよ!」
アメリアは涙を流している、、
「体が、、心が軽いです。なんでか生きたいと思えます、、」
あぁ、それが聞きたかった。僕も少し前までは死にたかったから、、
僕は振り返り再び声を張る。
「どうだろうか!!信じるに値しただろうか!再度願う!
私に忠誠を!さすればこの町を襲う魔物を打ち払おうぞ!」
「「「「シルヴァ様に忠誠を!!」」」」
町の住民が一斉に膝を突き頭を下げる。ダイムさん達兵士も誓ってくれた、、、けど頭に声が、、再使用を可能と告げる声が聞こえない、、、どうしてだ?500人ぐらいの忠誠は集まった筈だ、、さっきは100人ぐらいで聞こえたじゃないか!
まずいまずいまずいまずい、、汗がスーッと頬を伝う。
「あの、、、私も、、、良いですか?、、シルヴァ様に一生の忠誠を誓っても、、?」
「え?あ、うん、ありがとう」
【一定数の民の忠誠と真の忠誠を確認、、王技の再使用が可能】
あぁ、、、真の忠誠か、、助かったな。
「アメリアに救われたよ、、君が皆を守ったんだ」
「、、え?」 「もう一回町の外にお願いできる?」
「・・はい!」
「皆はここで待っていてくれ!」
アメリアと共に町を出ると血だらけになりながら二人は戦っていた、、王の温情は二人にも届いた筈なのにもうあれほど傷ついているのか、、
展開していた壁は大穴が開けられているが、ちょうど良く大型の魔物達は一直線にこちらを目指している。
「カーティル!リッター!ありがとう!下がって回復を!」
「、、はっ!」
『はぁはぁ、私もシルヴァ様の王の言葉を聞きたかったですね!情けない話ではありますが、後はお願い致します』
二人が下がったことを確認し界能発魔炉を出力を最大にする。
「【我道を 示せ 銀の道】」
僕から魔物達へ一直線の銀の道が現れる。この銀の道は入ったものを逃さない。
だか、魔物達は気にせず走り出す。それも仕方ないだろう、最後尾から巨人が魔物達を次々吹っ飛ばしているから。
前に逃げるしかないのだ。
あれは、サイクロプスと呼ばれる魔物だろう、ダンジョンの主だったのだろう、あんなの王技が無きゃ挑まないな。
だけど、僕の勝ちだ。
僕は右腕を天に向ける
「【我王道を阻む物 一切を貫け 銀王の神槍】」
外壁ほどの巨大な銀の槍が僕の上空に現れる。
僕は天に向けた腕を振り下ろす。
解き放たれた銀王の神槍は魔物を貫きながら加速する。
最初にいた魔物達は残骸も残らず消滅していく。
そして、サイクロプスを貫く。さすがダンジョンの主か一撃では倒れず腹部から血を噴き出しながら僕をその大きな一つ目に捉える。
「"グギャァァァ"」
今までは、前の魔物達が邪魔で本気で走れなかったのか
とてつもない速さで僕に向かってくる。
「・・・シルヴァ様、、、」 「大丈夫だよアメリア」
サイクロプスはその巨大な腕を僕に向け突き出してくる
(グングネル!)
通り過ぎた神槍は僕の元に戻ってくる。その速さは音速を超え音を置き去りにする。
"シュン"
サイクロプスは何が起こったのかも分からなかっただろう。
その巨大な顔は消失し突き出した右腕は僕の少し先で力なく地面に落下した。
終わった、、、さすがに、、魔力を使いすぎだ、、
頭が痛い、、なんか、僕、、倒れてばっかだな、、
「ッ!?シルヴァ様!? シルヴァ様ー!!」
ありがとうございました。




