プロローグ2
読んで頂きありがとうございます。
ここは、異世界 【ナオスエルピス】の神の国【ラーイ】
十数年前のある日
「あーあっ!また怒られちゃったよ!!なんで皆分からないかなぁ!異世界召喚なんてもう古いでしょ!?
もっと楽しい事あるでしょ!」
この神は【遊戯神 ケイパー】その権能からか、常に刺激を求め、娯楽を愛する神である。
度々やりすぎて、他の神々に怒られてしまう。
「あっ!、、、これは!面白いはず!!"僕達の世界の人の赤子と異世界の人の赤子を入れ替えちゃお!!"
うん!新しいよね!!怪しまれないように操作してっと、、
よし!これで良いはず!」
ケイパーはナオスエルピスで産まれたばかりの赤子と異世界地球で産まれたばかりの赤子を入れ替えた。変に思われないように神の力を使い、大切に育てるように仕組んだ。
ケイパーも悪意がある訳ではないが、やっている事は残忍である。ナオスエルピスではケイパーの力で何事もなくその赤子はすくすくと幸せに育った。しかし、地球には異世界の神の力も十全には機能しなく地球に送られた赤子は辛い日々を過ごすことになった。
ケイパーは飽き性である。次に楽しい事を見つけたらそちらに意識がいき、彼らの事を観察する事を辞めるのにそう時間はかからなかった。
そして、十数年後 ナオスエルピスの人族の王国【ラカス】で数年で魔王が復活すると予言があり、それに焦りを感じた各国はラカスでの勇者召喚を提言しそれをしぶしぶラカスが受け入れた。勇者召喚には多大なる魔力が必要で命を落とす程ではないが一生目覚める事が出来なくなる者もいる程の危険を伴う。
ラカスは魔力持ちが他の国より多く、【魔の領域】からも離れているため白羽の矢がたった。
ラカスの第一王女【ミラ-フォーゼン-ヴァン-ラカス】は多彩な魔法の才能を有しラカス一の魔力保有者である。歳は14で
銀の髪、青い知性のこもった瞳をしていて皆の人気者である。
彼女は国の為ならばと自ら犠牲になる事を志願した。
国王や王妃達は反対をしたが、ミラは一度決めたならば梃子でも動かない程頑固者であり誰も止められ無かった。
第一王子の【シュヴァルツ-フォーゼン-ヴァン-ラカス】は最後まで奴隷で賄えば良いと主張したが叶わなかった。
このシュヴァルツこそが地球から来た赤子である。
そして、ミラとミラの親衛隊15名は勇者召喚を行った。
この時皆の気持ちは一つになった。"これだけの犠牲を払ったのにも関わらずハズレであったなら許さない"っと
勝手に異世界から召喚しといて酷い話である。
王の間に閃光が走り、光が収まると24人の若者がいた。
これ程の人数を召喚したのは初めての事で皆期待しミラ達を称賛した。
だが、少し遅れてまた誰かが現れた。25人目の登場だ。
そして、彼は吐き散らし倒れた、、、
この彼こそ本来のラカスの第一王子である。
「うわっ!」「汚い!」「最低、、」「まじか、こいつ、」
クラスメイト達がぼやく。
あまりのことに、少しの間王国側は声を発せられなかったが、王妃【イブ-フォーゼン-ヴァン-ラカス】が叫ぶ。
「何をしているのですか!?早く彼を救いなさい!」
王妃イブはお淑やかで冷静と言うのが皆の認知する所であり突然大声をあげた事に驚いたが、彼は運び出された。
「イブよ、どうしたのだ?大丈夫か?」
ラカス国王【エルドリア-ロワ-ラカス】は心配そうに尋ねた
「し、失礼致しましたわ。大丈夫でございます」
イブは自分でも何故あんな声が出たのかと、驚いていた。
「母上!あのような汚らわしい者を助けるのですか!?
あんな者が来るなど、、ミラが浮かばれない!即刻処刑せねば!!」
第一王子 シュヴァルツはいきりたつ。
その言葉に召喚された者達は息を呑んだ。
ただシュバルツの風貌は黒髪黒目でどうみても日本人だ。
それに、【只野 真子供】とそっくりな見た目をしていて
混乱した。
「口を慎まないか、シュヴァよ。勇者様方が怖がってしまうではないか!
ゴホンっ。召喚されし勇者様方お初にお目にかかる。
言葉は通じているだろうか?
我はこの国ラカスが国王 エルドリア-ロワ-ラカスである。
いきなりの召喚誠に申し訳ない。勇者様方に不便が無いよう便宜をはかるので許して欲しい。
ゼフ!説明してくれ」
言葉は通じているかとは、勇者召喚には異世界人とすぐにコミュニケーションとるために翻訳術式が刻まれておりそれの機能確認の為である。エルドリア王は金髪で赤い瞳をしている
中年に入る歳ではあるが、鍛えているので若く見える。
「はっ!!勇者様方、私はゼフと申します。お見知りおき下さい。貴方様方には、近々復活をするという魔王から世界を救って頂きたいのです!」
すると、召喚された男子生徒【真締 正義】が口を挟む。
「待っていただきたい!僕達はこちらに来る前に神に会った!
その神は世界を救う事を強制していなかった!」
真締 正義はクラスの委員長だ。自分が正しいと思えばそれが正しいと本気で思っている青年だ。顔もスタイルも良く成績は学年トップで入学をした。
「強制をする訳ではございません。ただこの中におられる勇者様には私達を、、世界を!!救って頂きたいのです!!
どうか!お願いいたします!!」
ゼフには技能【演説.7】があり聞く者を引き込む事ができる
迫真に迫るその言葉に召喚された者達は耳を傾け始めた。
「であれば、僕が勇者なのでしょうね。世界を救えと言うならば協力しましょう。ですか、仲間の安全と生活を保証して下さい!そして、全てが終われば僕らをもとの世界へ返してくれますか?」
真締 正義は自分が勇者だと、もはや決定事項のようにゼフに問う。
「おぉ!!ありがとうございます!お仲間の安全と生活は国王の名の下にお約束させていただきます。しかしながら、元の世界には帰る事は叶わないかもしれません、、」
その言葉に勇者達は怒る者、泣く者、笑う者様々な反応を示した。
「帰れないのか、、、」真締 正義は地球に大切な人がいるのだろう。悲しそうな顔をした。
「で、ですが!古い書物には帰還した勇者様がいたと言う記載もありますので、、可能性は無い訳では無いと考えます」
「そうですか、、分かりました。ですが、僕達は平和な国から来たので直ぐに戦う事はできません」
「ご心配為さらずに、勇者召喚で召喚された者は軒並みこの世界の住人には無い特別な力をお持ちになっております。
先ずはそれを調べさせて頂きたい」
「真締!そう簡単に決めるんじゃ無い!お前達に危険な事をさせる訳にはいかない!
申し遅れた!私はこの子達の教師をしている変川 態人だ。例え地球に帰れぬとも、私はこの子達を守る義務がある」
先程まで沈黙を貫いていた変川は一歩前に出てそう言った。
「成る程、、私どもも無理強いする訳ではありません。
本日は皆様の能力をお調べさせていただければ、、と思っています。それから皆様でお話し頂き返事をお聞かせ下さい」
「配慮感謝する」
そう言って頭を下げた。その顔は歪な笑みを浮かべていた。
早速召喚された24人の鑑定が行なわれた。
【名前】 真締 正義
【職業】 勇者
【魂位】 1
【界能】 断罪の剣
【技能】 正義感.8 順応.6 全属性魔法.1
【加護】 光の女神 アグライアの加護
ー能力ー
【筋力】 50
【魔力】 100
【速力】 100
【防御力】50
この世界のステータスはこの様に表れ、職業はこの世界全ての人型生物に与えられるものでその者の道を表し、その職業を習熟していくと技能が発現していく。稀に上位職へと変化することもある。
魂位はその者の魂の強さを表し、この魂位が高い程能力値が高くなる。しかしながら、同じ魂位であっても、能力値は様々で一概に同じ強さとは言えない。
召喚された勇者達にもこれは当てはまり魂位と能力値はこの世界の基準とは一致しない。
そして、一定の魂位でしか発動しない技能や所持できる武具があり高いほど高位の力を使用出来る。
魂位を上げるには他者を殺害しその者の魂を吸収する事により上がっていく。魂位の最高観測値は9であり前回の勇者召喚で召喚された勇者と前魔王の記録だ。
魂位の高さで身分が変わる国もある。
技能は先天的、後天的、固有、特殊の4つあり断続的に使用する事によりその技能のレベルが上がっていく。
最大は10である。
界能は世界を跨ぐ事により発現する特殊な力で技能とは一線を画す程の強力な力である。この力を求め召喚をすると言っても過言では無い。世界を跨ぐ事に成功した者は体が作り変えられより強い個体へと変化する。
加護は精霊や神から得られる祝福でその性質にあった補正が与えられる。逆に悪魔や悪神などからも与えられる魔加護も存在する。それは、犠牲の上で成り立つ補正ではあるが。
「やはりセイギ様が勇者様でしたか!それにしても素晴らしいステータスでございます!!」
ゼフは嬉しそうに言い、王国の人間達は喜んだ。
それもそのはず、この世界の成人男性の能力値の平均は30〜50であり、魂位の平均は2〜3である。さらの状態でこれ程あれば即戦力である。
ただしこの世界にも例外はおり、王宮魔道者や騎士団長
Aランク冒険者は今の勇者など軽くあしらってしまう。
魂位を分かりやすく表現するならば
魂位 10 以上 ???
魂位 9 勇者、魔王
魂位 8 化物
魂位 7 強者
魂位 6 精鋭
魂位 5 鍛え抜かれた兵士
魂位 4 兵士
魂位 3 少し強い一般人
魂位 2 一般人
魂位 1 子供
続々と召喚者達は鑑定を行なっていく。
ありがとうございました。