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異世界Changeling〜王への道〜  作者: 厨二のおっさん
序章
17/21

腐敗竜

読んで頂きありがとうございます。主人公は出てきません。

  《カーン カーン カーン》


王都 ラカスでは警報が鳴り響いていた。


この警報は魔王の復活の調べだ。魔王は復活の前兆で世界に厄災を落とす。世界中に怪物が現れソレらは三日三晩破壊のかぎりを尽くし、消えていく。その時散った肉 散った魂は魔王の糧となり多いほど復活する魔王が強くなる。


それを防ぐためこの世界の人々は善神に祈り【聖壁】を手にした。聖壁は邪なる物への絶対防御を可能にする神級の聖具であり、聖壁がある国や大都市は難を逃れる事ができる。

が、それは希少であり小さな国や町、村などはただ蹂躙されるの待つだけである。


怪物を倒すことが出来るのは成長した勇者だけだと言われている。しかし封印する事は可能で正義感の強いミラ-フォーゼン-ヴァン-ラカスは警報の音に即座に反応した。


自身の親衛隊を指揮し勇者達が居る場所へと向かう。


あまりの騒音に勇者達も自室から出て集まっていた。



「勇者様方!今から私たちと来てくれませんか!?」


勇者達は実戦に近い訓練はしているが、お世辞にも強いとは言えない。それは勇者達も感じている。


しかし、真締 正義はミラに好意を抱いていた。

それだけで彼は


「ミラが言うなら僕は行くよ!僕の正義の為に!」


その言葉をきっかけに勇者パーティと剣聖パーティは怪物の封印に付き合うことになった。



「ありがとうございます!セイギ様」


作戦会議をしている中声を掛けてきた者がいた。


「我も話を聞く」



その者はシュヴァルツ-フォーゼン-ヴァン-ラカスであった。

彼は歪んだ性格をしているが、家族と民だけは大事に思っている。

「本当ですか!兄様!」


「シュヴァルツ様!!」


マコトは嬉しそうに言った。まわりは疑問にはおもったが、声には出さなかった。


ミラはシュヴァルツが、苦手だが戦闘力に関しては信頼している。



シュヴァルツは転移者であり界能漆黒の雷ノワールザライトニングを持っており魂位(レーゼン)7(セッテ)である。


職業は【黒王】王紋は発現していないが魔道具で誤魔化している。彼が率いる黒の騎士団【ノワール】は全戦全勝の強者しかいない。


「今ここから近い場所に二つの怪物が召喚された。

我は騎士団を率いながら片方を受け持つ、片方はミラ達に任せてもいいか?」


「はい、兄様。必ず封印してみせます!」


「あぁ。ただし無理はするな」 「はい」



「では、我らは先に行く。勇者殿達も死なぬようにな」



シュヴァルツは騎士団を連れて出陣した。


「なんか、イメージ変わったね?」


「うん!怖いイメージだったけどちょっとカッコいいかも、、」


「だよねー!!」


クラスの女子達は呑気にそんな話をしている。



「では、皆様準備をして下さい。セイギ様、カエデ様はこちらに」


「分かった」 「はい」


ミラは2人を連れて宝物庫に入った。

溢れんばかりの金銀財宝にセイギとカエデは目を輝かす。


「お父様からは許可は頂いていますので、どうぞこれを」


ミラは2人に種類が違う長細い木箱を渡した。




「「これは?」」


「セイギ様には【聖剣 シャインカリバー】をお渡しします。この聖剣は光の女神 アグライヤの加護を受ける者にしか扱う事は出来ません。刀身は闇を切り裂き、不浄を断ちます

鞘は意志が折れぬかぎり所持者を再生、支援してくれます。

ですが、聖剣には意志があり受け入れられなければその力を半分も出してはくれないでしょう」


セイギは渡された箱を開ける。


そこには古ぼけた鞘に入るぼろぼろの剣であった。


「ぼろぼろじゃないか?」


「ご安心ください。ますば手にとり念じるのです。セイギ様がこの聖剣で何を成したいかを」


セイギは言われた通りに目を瞑り念じた。


(僕は、、、この世界を救いたい、、正義の為に、、)


すると、セイギの頭に少女のような声が響く。


(ん〜どうしよっかな〜アグライヤ様は勇者なら誰でもいいのかな?好みじゃないんだけど〜)


(君は?この聖剣なのかい?)


(そだよ〜) 

(では、力を貸してほしい今も誰かが傷ついているんだ!)


(ん〜まぁ〜暇だしいっかぁ。うん、宜しくね勇者

私はシャインだよ)


(ありがとう。僕はセイギだ)


その瞬間聖剣が青白く光り輝く。

光が収まるとそこにあったのは先程の剣とは思えないほど立派な姿だった。刀身は鋭くまるで新品の様になり鞘には宝石が二つあった。他にもいくつかの窪みが存在している。


「すごい、、これなら勝てる!」


「さすがでございます、セイギ様そして、カエデ様にはこの【マサムネ】をお渡しします。これは名しか伝わっていませんが、形状がカエデ様が希望していた刀と呼ばれる物でしたので

どうかお使いください。刀に秘められている魔力は伝説級(レジェンダリー)ではあるのですが、私たちには鞘から抜くことが出来ませんでしたので使えるかは分かりませんが、、」


カエデは刀と聞いて目を輝かし箱を開けた。


「これは、嘘、なんで?、、異世界にあるの?、しかも銘がある、」


カエデは涙を流し渡された刀を抱きしめた。

それにミラとセイギは驚いた。


「正宗と言うのは作者の名前です。この銘は【黒姫】、、」


その刀の銘を読んだ瞬間またしても光を発した。

ただ、その光は黒くされど優しい光である。


(久しいの、、妾の名が呼ばれるのは、、、其方が新しい主人かの?)


(えっ頭に声が!?)


(妾もそこの聖剣の小娘と同じで意志があるのじゃ。妾の名を呼べてマサムネ様を知っておるならば同郷なのかえ?)


(そうなのかな?正宗は私のいた世界の代表的刀工でお爺様が

彼の一振りを持っていて私はその刀に感動していつか私も持ってみたいと思っていたの!

でも、、なんで異世界にあるのかな?、、)


(マサムネ様は最期にこちらに飛ばされてしまったのじゃ

何も説明もなく言葉も分からず、、じゃが、マサムネ様は気にもせず、妾達を作った。そして逝ってしまわれた、、

それから幾百年妾達はバラバラになり意識が芽生えた、、

そして、妾はずっと独りぼっちだったんじゃ、、、)



(そうなんだ、、、でも、もう大丈夫!私がいるわ!

私が黒姫のそばにいるわ!)



(、、、、そうか、、、そうじゃな!!汝の名を教えてはくれぬか?)



(私は時雨 楓 カエデよ!)


(うむ!妾の名は黒姫 マサムネ様が作られし中で最強のひとふりじゃ!妾を使いこなしてみせよ、カエデよ!)


(うん!)


黒光が収まるとそこにあったのは吸い込まれそうなぐらい黒い鞘だった。カエデはそれを何の抵抗もない様にスルリと抜いた


姿をあらわした刃もまた黒く鋭い物だった。


(妾でつけた傷は癒えにくい。上級クラスでなければ完治はしないじゃろう。まぁそこの聖剣の持ち主には利かぬじゃろうがな。

妾は居合刀じゃ、妾を極めれば光さえ切って見せようぞ)


すると、黒姫はカエデの身長に合わせてその姿を縮めた。


(うん!わかったよ!)



「では、皆の所に戻り怪物を封印しましょう!!」


「あぁ!!」  「分かった!」



ミラとミラの親衛隊【銀の乙女】と勇者パーティ、剣聖パーティは王都近郊に現れた怪物を封印するために出発した。


王都から馬を走らせること数分、街道には避難民で溢れていた。兵士達は避難誘導に追われている。


その中には怪我をしている人々もおり、血の匂いが感じられる召喚された者達は皆顔を下に向けた。


「急ぎましょう!」 

ミラと親衛隊はその匂いに慣れているのか動じず先を急ぐ。



そして空気を振動させる雄叫びが鳴り響く。


   「グゲャァァァ!!」


ミラ達が向かっている場所に現れた怪物はドラゴンであり

それも皮膚が所々溶けて腐っている腐敗竜と呼ばれるアンデットドラゴンであった。もう既に村を破壊したようだ。


周囲には腐敗臭が充満し一同鼻を抑えた。


アンデットには只の打撃や斬撃は効かず、魔法が混ざっている攻撃や聖属性でしかダメージを与えることは出来ない。



「ど、ドラゴン、、無理だろ、、」

勇者パーティの一人炎術師のソウスケが口を滑らせる

その一言で只の高校生の彼らは萎縮してしまった。


「親衛隊はドラゴンを中心にし散らばり波状攻撃を!」


「「「「はっ!」」」」


「勇者様達はまずは落ち着いて下さい。戦える人は遠距離からお願い致します。私は封印の準備をします」



親衛隊は様々な属性魔法でアンデットドラゴンに攻撃を仕掛けた。攻撃を受けた側にドラゴンが目を向けるとその反対から攻撃をする事でドラゴンにブレスを吐かせないようにしている。


「すげぇ、、、これなら俺達は手を出さなくていいんじゃないか?」」 

ソウスケがそう言った瞬間 ドラゴンが叫んだ。


  「グギヤャャャ!!」


アンデットドラゴンは周囲に瘴気を撒き散らした。

口から吐かれるブレスでは無く、所々穴が穿いている場所全てから。


「!?逃げて!!」


ミラは焦っていた。その瘴気に触れた木々や大地が一瞬で腐っていっているからだ。


「僕だって、、、やれる!聖剣 シャインカリバー!!」


セイギは勇気を振り絞り聖剣を鞘から抜きそれを掲げた。

すると、聖剣は光り輝き迫り来る瘴気の波が浄化されていった。


「皆は僕が守るんだ。ヒジリ!親衛隊の人達を頼んだぞ!」


親衛隊の半分はその瘴気の波に呑まれてしまい、半死半生の状態であった。


「あ、え、わ、分かったよ!」


「真締君、私も行くわ!」剣聖であるカエデがセイギの隣に立つ。


「あぁ、助かるよ。シャイン!」


(はいは〜い、アンデットなんか気持ち悪いから斬りたくないんだけどな〜)


(頼むよ、皆を守りたいんだ!)


(しょうがないなぁ〜)



セイギは聖剣を振り翳しおろした。


「正義は必ず勝つ!断罪の剣(ジャッジエスパーダ)!!」



セイギは界能を解放する。白き斬撃がアンデットドラゴンへ直撃した。


「グゲャァァァ!?」

アンデットドラゴンは痛みに叫ぶ。

左半身が消し飛んでいた。


「か、勝てるぞ!?」


「次は私が!流転(テレポート)!時雨流居合一の形 断空」


カエデが界能をつかい瞬時にアンデットドラゴンの頭上に現れ黒姫を抜いた。ほとんどの者にはカエデが鞘から刀を抜いた事は見えていない。それぐらいの見事な抜刀術であった。


アンデットドラゴンは斬られたことにも気付かずその首が胴体から離れ落ちていった。


「「「やった!!」」」 

「すごいです!まさか倒してしまうなんて!」


一同安堵し勝鬨をあげる。だがカエデだけは疑問を口にした。


「やったの?でもおかしい、手応えがあまり無かったわ」


瞬間、絶望が彼ら彼女らに降りかかる。



  「グゲャァァァガァァ!!」

大地に倒れたアンデットドラゴンが徐々に再生していき

ひと回り巨大になり復活した。黒姫でつけた傷さえも完璧に治ってしまった。


その際に撒き散らかされた瘴気で一人また一人と倒れて行く。


ヒジリが慌てて界能を使い治していく。



「まだ、足りないのか!シャイン!」

(ん〜やれるけど、多分また強くなって復活しちゃうよ〜?)

(くそっ!なんとかならないのか!)


(私とシンクロ出来ればあんなやつ楽勝なのにな〜

今はまだ勝てないよ。逃げよ〜)


(僕が逃げるなんて出来るわけないだろ!)

(ふ〜ん。まぁいいや〜)

(おい!シャイン!)  (・・・。)


「くそっ!何故返事をしないんだ!?」


「これは、無理ね。強くしてしまうだけ、逃げた方がいいわ。ミラ様!」

カエデが実力差を感じミラに判断を仰ぐが、

「そんな、、、復活なんて、、」


ミラは珍しく混乱していた。

いくら強敵の怪物と言えど三日三晩耐えればその存在を消す。

だから、各国は封印する事より避難誘導に力を入れる。


それを無理をいって勇者達を連れて封印におもむいてしまい

強敵である怪物をさらに強くしてしまった。


どうすれば???私がなんとかしないと、、、

王女なんだから!


立ち尽くす彼女に最悪の一撃が迫る。

巨大になったアンデットドラゴンは口を裂けるほど開けた。


ドラゴンブレスだ。


この瞬間に盾士であるサトシが界能を使えれば防げただろう。

他の生徒達も界能を解放すれば叶わない敵では無い。

ヒジリを回復役ではなく聖属性で攻撃させていればこんな事にはなっていなかっただろう。

だが、誰も動く事も声を出す事も出来ない。


ただ、ドラゴンの口の前に大きく膨れ上がる禍々しい球体を見ていることしか出来ない。



私は、、、こんなところで死ぬのですね、、

なんででしょう?こんな時にナナシさんの顔がでてくるなんてあの人は人殺しです。。でも、また会いたいなんて、、あの人は生き残れるといいな、、、



   「ズシャッッ!」


今にも放たれる絶望が突如としてその力を無くした。


「・・・え?」


巨大なドラゴンに巨大な風穴が空いていて血飛沫の雨を降らす


再生も復活も出来ずドラゴンは大地に再び倒れた。

ミラの前には巨大な銀の槍が佇んでいた。そして

そっと彼女を見守るように消えていった。


銀に魔力が内包される事によりそれは魔銀(ミスリル)となる

ミスリルには破邪、浄化の力が備わっており対アンデットには最強の武器といえるだろう。


只野 名無し 改めてシルヴァは妹ミラを救う事に成功したのであった。


「勝ったのか?」  「勝ったぁぁ!」


「「「うぉー!」」」


ミラ率いる親衛隊、勇者、剣聖パーティは誰一人欠けることなく生還した。最も聖女ヒジリがいなければ全滅もありえたが。


そして、王都に戻る道中 第一王子 シュヴァルツと黒の騎士団が、ミラ達の元にやってきた。


「ミラ!大丈夫であったか!?怪物は!?」


「はい、お兄様。討伐に成功しました!」


「討伐だと、、、?それは勇者殿が?」


「それは、分かりません。突然巨大な槍が怪物をつらぬいたのです」


「うむ。詳しい話は戻ってからにしよう。無事でよかった」


「ありがとうございます。お兄様の方はどうでしたか?」


「我らは、、少なくない犠牲をだしてしまったが、封印には成功した」


「そうですか、、、さすがお兄様と黒の騎士団です」


「うむ」



それにしても、あの槍はなんだったのでしょうか。

私達を守ってくれたのでしょうか?

あれ程の力の持ち主など数える程しかいないでしょう

少し探ってみますか。魔王討伐に力を貸していただければよいのですが、、、、


一同は王都ラカスに帰還し暫しの休息をとった。




ありがとうございました。

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