ゴブリンの集落
読んで頂きありがとうございます。
『お眠りになったようだね。カーティルはシルヴァ様は王の器だと思うかい?』
「何が言いたいの?兄さんでもシルヴァ様を愚弄することは許さない」
『そんな殺気をだしてはシルヴァ様が起きてしまうよ?
別に私は愚弄するつもりはないよ。私だってシルヴァ様の騎士だ。忠誠を誓ったのだから」
「なら、なぜ度々シルヴァ様を試す様な事をするの!」
『カーティルみたいに妄信することが騎士の役目ではないからだよ。シルヴァ様はまだこの世界を知らない子供なのだから、時には助言や誘導も必要なんだよ』
「私は盲信なんてしてないっ!」
『そうかい?では憐れみかい?』
「ッ!・・・」
『同情や憐れみで目を曇らせてはいけないよ。でもね?カーティルは今のままでシルヴァ様を支えていけば良いよ』
「言われなくてもっ」
『王紋所持者には試練が降りかかる。この先なにが、起こるかは分からないけど、シルヴァ様を守っていこう』
「うん・・・」
『じゃあ私達も少し休もう』
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「シルヴァ様、シルヴァ様」
ぅん?、、、あぁ、すっかり熟睡してたみたいだ。
「お、おはよう」 「『おはようございます』」
まぁ、20時なんだけどね。
顔を洗い服を着替えた。
『では、行きましょう』
ん?なんかリッターさんとカーティルさんがぎこちないな?
喧嘩でもしたのかな?
高級宿を出て西門から外へ出る。
夜は町から出ることは出来るが緊急時以外は入ることは出来ないと門番に言われた。
しばらく街道沿いを歩くと道が分岐していてそこに、看板があり【この先 ウエスト フォレスト】と書いてあった。
「こちらから森に入ります」
森の中でも比較的歩きやすい場所を歩く事一時間
だいぶ目が暗闇になれた頃
『少し休憩なされますか?』リッターさんが言った。
多少の疲れはあるけど、まだ大丈夫だな。
「いや、まだ大丈夫だよ」 『はっ!』
どんどん進んでいく。
『少し、お待ち下さい。カーティル?』
「シルヴァ様、この先にフォレストウルフが三体いますがどうしますか?私が処理しますか?」
ん〜。今日はゴブリンに全力を使いたいからお願いしよう。
「お願い出来る?」 「はっ!しばしお待ちを!」
すると一瞬でカーティルさんが目の前から消えた!?
え?
『カーティルは暗闇では私でも追えませんからね。あの子の二つ名は【常闇】影魔法による暗闇からの暗殺には目を見張るものがあります!』
リッターさんは嬉しそうにカーティルさんを褒めている。
なんだ、喧嘩してたわけではないのか。
「すごいね」 『はいっ!』
2分程するとカーティルさんが帰ってきた。
「お待たせしました」
さらに森を歩くとついにゴブリンの集落の前についた。
時刻は23時ぐらいだろうか?
僕らは少し高い丘の上から集落を見下ろしている。
まだ焚き火の火が所々あがっていて、雑な木の家が点々としている。この光景には僕も驚いた、、
ゴブリンにはこれほど知能があるのか、、
『シルヴァ様 普通のゴブリンにはここまでの知能はありません。ですが、上位種が存在すると話は変わり、集落を築きやがて、町や国などと発展していきます。この規模ですとまだ【ビレッジゴブリン】と【ビックゴブリン】ぐらいだと思いますが、油断せず、ここで一時間程監視しながら、休憩をしましょう』
また顔にでていたのか、、
「分かったよ」 『カーティル、探りを頼む』 「了解」
カーティルが集落に消えていった。
「大丈夫かな?」 『ご安心を、ゴブリン程度に見つかる子ではありません』
カーティルさんが、帰ってくる間にゴブリンについて詳しく教えてもらった。
ゴブリンは邪の物で一番産まれやすく雑食で他の種族との交尾で増える。産まれるのは全てオスで人間の女性を襲い飼う性質があるらしい。捕まったら最後玩具にされゴブリンを産み続ける母体となり飽きたら無惨に殺される。
、、やっぱり殺さなければならないな。
あの集落にはいないのだろうか、、?
「ただいま戻りました。集落の中にはゴブリンが30体 幼体が40体 ビックゴブリンが15体ビレッジゴブリンが20体そして何故か【キングゴブリン】の幼体がいました、、」
『なんだと!幼体とは言えキングゴブリンが産まれる程の規模ではないはずだが、、?』
「おそらくですが、母体となっている奴隷の女性の魂位が高いのだと思います」
ッ!?やっぱり、、今すぐ助けに行かないと!!
『シルヴァ様、お気持ちは分かりますが、少しお待ちを。
作戦を立てねばなりません。幼体とは言えキングゴブリンは侮れません』
くそっ、、、どうしよう。
地球にいた時に本で読んだ夜襲についての情報を漁る。
そして、魔力創造で暗視ゴーグルを創造
使ったことはないけれど使い方も構造も記憶している。
「カーティル、囚われた人の数は?」
「はっ!生きている者は一人です」
生きている者は、、ね。
「そうか、、、カーティルはその人の救出を頼めるかな?」
「御意」 「リッターは焚き火の火を消しながら上位種を頼めるかな?」
『それではシルヴァ様をお守りすることが出来ないです』
「僕は弱いからね、だからカーティルが救出し終わるまででいい。それまでは僕はここで待機する」
『それならば大丈夫だとは思いますが、あまり無理はされませんように』
「大丈夫、行って」 「『はっ!』」
その間に僕は発魔炉を意識して魔力が作られる量を上げる
イメージは【銀の剣】それを無数に作り雨のように降らす
硬くはなくていいただ鋭く、、、
リッターさんが焚き火の火を消しながら上位種だと思われるゴブリンを斬っていっている。
ゴブリン達は統率が取れなくなり右往左往している。
「シルヴァ様、戻りました」
カーティルさんの方をみると抱えられた女性がいた
歳は僕と同じぐらいだろうか?
目は虚で人形みたいだ。
カーティルさんが戻ったのが分かったのかリッターさんがこちらに走ってくる。今だ
「銀魔法 【降り注げ、銀の剣雨】」
上空に待機していた銀の剣が一斉に集落に降り注ぐ
うめき声が聞こえてきたが何十、何百、と淡々と降り注ぐ中でその声は聞こえて来なくなった。
このぐらいだろうか?これ以上やっても効かない奴には効かない。
「『お見事です』」
土煙が晴れそこにいたのは所々血を流し、王冠を被ったゴブリンが涙を流し死んだゴブリンの子供を抱き上げていた。
あれがキングゴブリンの幼体だろうか
大きさは普通のゴブリンより大きいが。
それにしても、ゴブリンが涙なんて流せるのか、、?
悲しむ感情があるのだろうか?
呆気に取られていると距離はあるはずなのに一瞬目が合った気がした。そして王冠を被ったゴブリンは叫んだ
「"アガァァァァ"」
その迫力に一瞬動けなくなってしまった。
『ッ!させん!【混成技能 ナイトロード】』
一瞬で僕の前に現れたゴブリンをリッターさんが弾いてくれた。
油断していたわけじゃない、、けどさっきまで100メートルはあったはずなのに、、
リッターさんとキングゴブリンが戦っている。
いつも余裕そうな顔をしているリッターさんの顔に焦りを感じた。押されているわけではないが、互角って感じだ、、
僕は何もしない方が良いよね、、かえって邪魔になってしまう、、
カーティルさんの方を見ると割って入るタイミングを見計らっている感じだ。
僕は邪魔にならないように後退りするしかなかった。
ありがとうございました。




