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異世界Changeling〜王への道〜  作者: 厨二のおっさん
序章
10/21

決別

読んで頂きありがとうございます。


牢屋から出て階段を登り少し歩くと八方さんがいた。



「名無し君?どうしてなの?なんで先生を、、、

私でも助けれなかった、、、」


それは良い情報だな。


「それは、良かったよ」


「ッ!?良かったってなにっ!名無し君は人を、、先生を殺したんだよ!?」


「そうだね」


僕は話を終わらせて先に進んだ。


王の間についた。


「これより先、王の御前だおかしな真似はするなよ」


頷き、扉が開かれた。


僕は特殊な手錠と足枷をしているので何もできないけどね

魔力がばらけて魔法が使えないみたいだ。


中へ入ると、王様が座っており横には王妃様もミラ様もいた。当然シュヴァルツ殿下もだ。彼はニヤニヤとしている。


少し歩き頭を下げる。、


「面をあげよ。ナナシよ何故同胞に手をかけたのだ?」



王様が険しい顔をしながら聞いてきた。


「名無し君!なんでなの!?」


「僕はあの人が嫌いだから」


「そ、そんな理由で!?殺したの!?」


「そうだね」


八方さんが通訳してくれた。



「嫌いと言う理由だけで師を殺したのか、、」


そこでシュヴァルツ殿下が口を挟む。


「父上!やはり此奴は危険です!即効首を落としましょう!」


「ま、待ってください!そんな、なにかの間違えです!ナナシ様がそのような理由で人を殺めるなど、ありえません!

そうですよね!ナナシ様!?」


ミラ様が、、庇ってくれた?、、

今にも涙が溢れそうになるが、唇を噛み踏みとどまった。


あんな奴のやろうとした事をわざわざミラ様に言う理由はない。変な責任まで感じてしまうかもしれないし。


「僕は先生を殺そうと思い殺しました。後悔はしていません。如何なる処罰も受ける所存です」


「最低だね、名無し君、、人殺し!」



「そんな、、、ですが、、」


それでも尚、僕の事を気にしてくれる、、

でも、だめだ。


「王女殿下はなにか勘違いをされているようですが、僕はただの殺人者ですよ?」



「・・・。」


八方さんは僕に何も言わなくなった。

あぁ、心が軋む。


「見損ないましたわ、、」


「どうやら救いようがない男のようだ。父上!」



「うむ。して、どのように殺したのだ?」


「僕の界能 等価交換(チェンジリング)で僕のいた世界の武器で殺しました」


これは最初に報告した僕の界能だ。

自分の持ち物と同価値の地球の物とで交換する力だ。


そのまま僕の本当の界能を言えばどうなるか分からなかったから制限がある力にした。


「そうか。それはどこにある?」

異世界の武器と言えば気にならないわけないよね。



「壊して、捨てました」

武器の発展はあまり好ましくないからね、、


「うむ。では異世界人 ナナシを斬首の刑に処す」


斬首かぁ、、断頭台かな?それとも剣で?


心の中で、もうどうでもよくなっているのだろう。

自分の死に何も感じない。


「お待ちください、私は処刑は軽率と存じます」


え?今まで黙っていた王妃様が口を開いた。


「イブ?その心は?」


「母上!庇うのですか!?」


「庇うわけではありませんが。召喚した者を手にかけて神々の機嫌を損なう事が無いと言い切れるでしょうか?

仮にも彼はケイパー神の加護を持つ者

王国あるいは世界に災いは無いと確信できますでしょうか?」


「・・・・。うむ、一理あるな」 「父上!?」


「それだけではございませんわ。私の私兵によるとワザトさんは職業や界能の底上げという理由で専属使用人を隷属化していたようです。ミラを見る目も気持ち悪かったですし。

ですが、罪は罪です。放置する事は出来ません。なので

私は国外追放が妥当と考えますわ」



「ミラを見る目が気持ち悪かっただと、、、?そうか。

ナナシよ、貴様は国外追放とし【ラカス】への立ち入りを禁ずる!!これにてこの件は終わりとする」



死刑にならない?、、

僕は、、、


「父上!なりません。その者を生かしておく事は我が国にとって脅威になります!」


「シュヴァ、、"王の決定ぞ?"」 

「・・・申し訳ありません」


「ナナシさん?強く生きるのです。己が道を進みなさい」



王姫 イブ様が真剣な目で僕を見つめそう言った、、

涙が溢れて止まらないが、深く頭を下げた。



謁見が終わり、自室にある荷物を持ちそのまま外に連れられる事になった。城の門の前にクラスメイト達がいた。


「最低だな!人殺しが!許されるならば今すぐ

君を処断したい」


「アイツはウゼー先公だったけどなぁ俺達の為に必死だったんだぞ!?オメー早く死ねよ!」


「先生を殺すなんてね、、いつかやると思っていたよ」

真締、覇道、真子供が口を開いた。



僕は目も合わせず通り過ぎようとしたら。


「本当は前から気持ち悪かったんだよね、、」


「「「最低」」」


今度は八方さん達女子に軽蔑された。


門の外に出ると豊穣さんがいた??

記憶はないはずだけど、、



「あ、あの、、分かんないんだけど、、只野君にお礼を言わなきゃって思って、、先生は私に優しくしてくれたはずなのに、、私は、、死んだと聞いてホッとしちゃった、、

おかしいよね、、私、、だけど只野君!!

私も頑張るから只野君も頑張ってね!!」


・・・・。


いつからこんなにも涙もろくなってしまったのだろう。


「ど、どうしたの!?只野君!?」



「いや、なんでもないよ。僕は殺人者だから話しかけ無い方が良いよ。でも、、、ありがとう。頑張るよ」


「・・・。ま、また会えるかな?」


「それはどうだろう?豊穣さんも無理しないようにね!」


そう言いながら歩き出した。記憶は無くても感じるものがあったのかな?少し元気がでたな。


あの状況で殺す以外の選択肢は僕には無かったんだ。


異世界人にはこの世界の隷属の首輪は効かないそうで奴隷にして縛ることも出来なかった。痛めつけて改心するような人でも無かった。通報したとしてもどうなったか、、

なんて、、言い訳だろうね。僕が弱いから殺すことしか出来なかったんだ。






初めて見る城下町は賑やかだ。だけど、

僕は縛られ兵士に連れられているから皆こっちを見ている。

たまに、物が飛んでくる。


しばらく歩きながら観察していると、頭に獣耳をつけた人や耳が長い人、背が低すぎる人、高すぎる人がおり、高すぎる人は皆、首輪がしてあり奴隷だろう。


城の本に書いてあった、獣人族、エルフ族、ドワーフ族、タ

イタン族だろう。


この国は基本種族による差別は無く、違法な奴隷化は禁止されているが、タイタン族だけは例外で盛んに売買されている。だからと言って痛めつけたり、殺したりするのは犯罪だが。


タイタン族は全体的に力が強く。細かな作業も出来るので奴隷としては最適な種族らしい。戦闘も活躍できるので前戦によく駆り出されるそうだ。おかしいのが自らが奴隷として生きていたいと望んでしまっている事だ、、


これには理由があると思うが僕は知らない。

染み付いた奴隷根性なのか洗脳なのか、、、


どちらにしろ、僕にはどうしようも出来ないさ、、



そんな事を考えていると外壁までついたようだ。


「これより先は一人で行け。10日が過ぎても国内にいるようならばその場で処する、行くがいい」


僕は翻訳の魔道具を没収されていた。言葉は分からないのを知っているはずなのにそのまま放り出された。

結局は殺しにくるのだろうか?


第一に10日でラカス王国内を徒歩で出るには無理がある。

寝ずに歩き続けても12日はかかる距離で

強化されているとは言っても僕には基礎体力が足りない。


っと王国側は思っているだろう。ところがどっこい

僕は言葉は話せるし、最悪はお金も作れるんだぜ!


次にある町【ヘーゼル】で馬車でも借りれば国境を越えれるだろう。ヘーゼルまでは3日もあればたどり着く距離だ。


強く生きろと言われたんだ。だから僕は精一杯この【ナオスエルピス】で生きてみせる!


整備された道の端を歩き、森へ入った時木々が揺れた。


「ナナシ様、少しこちらにお願い致します」


この声はカイエンさんかな?


整備された道を外れ森の中へ足を踏み入れた。








ありがとうございました。

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