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猛虎孤立

董卓軍は呂布の人間離れした戦闘力によって幾度となく連合軍を退けた。

また、呂布は戦闘だけではなく、戦の駆け引きにも秀でるようになった。

呂布の頭のなかには常に中庸(メソテース)があり、勝ちに乗じて敵軍を深追いしたり、己の武勇を頼って力押しをすることもなく、全体の流れを読んで最も効果的な行動を臨機応変に取る事が出来るようになっていった。

このような果断かつ安定感のある用兵を人々は神のごとく敬うようになっていった。


しかし、軍人としての呂布の成長は同時に三つ敵を作り出していた。まずは連合軍において「呂布を取り除かねば勝利はない」と言うことが共通認識になったと言うことである。

もうひとつは味方であり最大の庇護者である董卓が呂布のカリスマ性に恐怖し始めたと言うこと。

そして董卓を取り除こうと策謀する宮中の勢力からもターゲットになっていった。

呂布と董卓を離反させれば天下は引っくり返る。

多くの群雄や策士が内心このように考えるようになった。


「ふむぅ・・」

使徒である王允は家来の報告を聴いて深く考えこんだ。

呂布の軍功は董卓の一武将の域を越えている。

「この間、車騎将軍に推挙したばかりであるが、大将軍へ昇進するのが至当であろう。」

「御意。昇進の件、将軍に内々にお伝えしては如何かな」

差し向かいで黒衣の男がそう進言した。

「陳宮どの、まことその通りじゃ。これ呂将軍に使いをやれ」

王允が目配せすると侍女が一礼して家臣を呼びに出ていった。

「時に、娘様はおいくつに成られましたかな?」

「貂蝉のことか?18じゃが」

陳宮は侍女の後ろ姿を見送りながら何かを思案するように顎髭を撫でるのであった。




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