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エキセントリックな彼女  作者: BIG×2
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第1話 アイドルみたいな彼女

みんな同じにしなきゃいけない。少しでも違うだけでハブられる。だから、イェスマンになるのが楽だってことはみんな知っている。

でも、佐々木美雨。彼女にはそんなことは通用しない。

彼女の名前は佐々木美雨。僕と同じ中学2年生。髪型はセミロング。身長は160センチくらい。綺麗な二重で、顔が小さい。

一般的に見たらかなりの美少女で、某坂道系のアイドルグループのメンバーにいてもおかしくないほどだ。

そんな彼女には、皆んなには見せられないエキセントリックつまり、普通の人はかなり変わった一面を持っている。たが、それを知っているのは、今の時点では僕だけ。今の時点ではね。



「はぁー、つまんね。早く終わらないかな。」

僕の名前は、黒川晴太。この明るそうな名前と打って変わって、学校が嫌いだ。正確に言えば、同級生が嫌いだ。僕は自分自身が、大人で周りの奴らがガキだと思っているからだ。

「全く、どいつもこいつもマジで合わねー。辞めよっかな学校。」

自分の休み時間の居場所は、基本的に屋上。教室にいたら、ぼっち。まぁさんとかは寝てるか、読書してる。今の時代の学校生活は、群れから外れたものには生きにくい世界だ。大して仲良くもない人とつるんで、自分は1人じゃないと言わんばかりに大勢の群れに属することで、自分を強く見せている。そんな奴ばっかりだ。

僕はそれが好きじゃない。何でも1人でやった方が効率いいし、連れションする奴の気が知れない。トイレぐらい1人でいけよ。いつも思っている。

「僕は、間違ってるのかな。いや、認めたら負けだ。」

そう言い聞かせていた。

でも、実際1人の方が楽なことが圧倒的に多い。人の意見を聞かなくていいし、何より気を遣わなくていい。自己中心的な僕には、この方が向いているって自分で分かっていた。というか、この方がいい。

まぁ、そんな1人好きな僕だけど、友達はいる。学校が違うけど、家が隣同士のユキちゃん。本名酒井雪哉。

僕と違って本当に明るい。サッカー部で運動も出来るし、何より人から好かれるタイプだ。夜、外に出て、たまたまユキちゃんと会ったら。いつも誰か友達といる。そしたらユキちゃんが

「おぉー、ハル。どこ行くの。コンビニ?」

と聞いたから。

「本屋」

と返したら。

「また本屋か。本当好きだよね。」

と言ったので、

「まぁね。」

と言った。まぁ、ユキちゃんには、分からないだろうね。休み時間読む為用の本を買う人間なんて。と心の中で思うことが多々ある。

やっぱ部活とか入った方が楽しいのかなとか思うけど、とにかく人間関係が面倒くさい。

「早く大人になりたい。大人って今よりも孤独になるから。」

こんな事思っていた自分に、転機が訪れた。

それは、夏休みが明けた2学期の始業式。

「もう終わったよ。永遠に続けばいいのに夏休み。」

と思って登校してきたら、ホームルームで、先生が転校生の紹介をした。

「今日は転校生の紹介をする。佐々木入ってきて。」

クラスのみんながざわざわしはじめた。

「女子かな。可愛い子だったらいいなー。」

「イケメン来ないかなー。」

「いや、俺は面白いやつがいい」

俺は心の中で、

「いや、ハードル上げると入りづらいからやめてあげて」と謎の心配をしていた。

そして、入ってきた転校生を見て、クラスのみんなが歓喜の声を上げた。俺以外。

「今日からみんなと同じクラスになる佐々木美雨さんだ。みんな仲良くするように」

「初めまして、佐々木美雨です。よろしくお願いします」

次の瞬間クラス中が

「ヤベー、超可愛い。」

「アイドルみたいだ。」

「ヤバイ、クラスで1番いや、学年で1番レベルが来やがった」

「私の好きな人取られたらどうしよう」

と、様々なリアクションが見られた。(少し、そうあってほしい願望)

僕に至っては

「また来てしまった。僕とは正反対の人間」

と、自分の居場所が更になくなってしまう危機感を覚えた。

「席は黒川くんの隣の席ね。」

と先生が言った。

「えっマジ?」

と俺が、違う意味で言った。

「よろしくね。」

と彼女が言ったので

「よろしく」

無愛想っぽく返した。

なんだか、周りの視線が痛い。

注目されたくなかった自分にとって、転校生しかも可愛い転校生が隣の席に来た事は、一匹狼の僕にとって邪魔でしかなかった。

とりあえず出来るだけ話しかけないようにした。

無駄な嫉妬とか本当に面倒くさいからだ。

僕自身は、正直言って、タイプじゃなかった。もっと大人でキリッとした人が好きだったから。

彼女は、どちらかというと可愛いらしい、アイドル的なルックスだったので、可愛いとは思うけど、好きになるほどでもなかった。なんなら、絶対今まで男とかに苦労したこと無いんだろうな。自分かわいいと思ってんだろうなという最低な想像をしていたくらいだ。

そんな彼女にはさっそく周りのみんなからの質問の嵐が殺到していた。

「どこから転校してきたの?」

「彼氏いる?」

「好きな人のタイプは?」

「部活入るの?」

「友達になろうよ?」

「snsやってる?」

いや、アイドルか。とツッコミしたくらい1日で人気ものになった。

帰宅後、いつも通り部屋で本を読んでいると、ユキちゃんが珍しく遊びにきた。

「ヤッホー、ハル。てか、また本読んでんの。」

「好きなんだからいいだろう。つか、部活は?」

「今日は久しぶりのオフー♫」

「それは、ようござんしたね。」

何だかんだ、嬉しかった自分。

「今日、ハルも始業式だろう?」

「そうだけど。」

「やっぱ、私立っていいよなー。俺もハルと同じ中学受ければよかった。」

「いや、変わんないよ。むしろ仲良くなれる人なんて誰もいないし。」

そう、僕は私立中学校に通っている。だから、同じ地域であるはずのユキちゃんとは違う学校なんだ。

「僕、やっぱりユキちゃんと同じ学校がよかった。そしたら、知ってる人沢山いたから友達出来たと思うし。」

つい、本音を言ってしまった。

「ハル…。」

その後、沈黙が続いた。

すると、ユキちゃんが

「俺さ、高校は、ハルの所受けようと思ってるんだ。」

僕はびっくりして、

「本当に?」

と言った。

そしたら、ユキちゃんが

「俺さぁ、今のハルみてたら、自分がしたこと後悔してるんだよね。ほら、一緒に受けようとしたけど、結局受けなかったしさ」

それに対して俺は

「でも、それはユキちゃんのお母さんがあの日病気で…。」

そう、受験の日ユキちゃんのお母さんが持病が再発して、ユキちゃんは、お母さんを病院へ連れていくために、試験を蹴ったのだ。

「だから、高校は絶対一緒に行く。俺がそうしたいから」

「ユキちゃん。」

俺は、すごく嬉しかった。

「だから、ハル。今1人ぼっちで、俺は1人の方が向いてるとか思ってるかも知れないけど、そんなんじゃせっかくの学生生活損だよ。もっと周りと仲良くなりなよ。絶対その方が楽しいって。」

俺は泣いた。

「やっぱ、ユキちゃんには、隠し事出来ないや。」

俺は、自分で自分を苦しめて、強がることで、平常心を保っていた事に気付いた。

「俺も部活ない日は、ハルん家くるし、遊びに誘ったりするしさ。LINEもしょっちゅうしてやる。てか、今までもしてたけど、たまに未読にしてたろ。」

俺は、忙しいふりをしてすぐ返事しないようにしていた。

「ごめん笑これからはなるべく返すよ。」

「絶対だからな。」

「うん」

小学生の頃に戻れた気がした。

「てか、ハル。彼女いねーの。」

急にぶっこんできた。

「はぁ、いねーし。何だよ急に」

「まぁ、ハルは大人っぽいのが好きだから難しいかな。」

「まぁ、そうだけど。ユキちゃんはいないの?」

「俺は、今はいない。」

「今はってことはいたんだ。何で別れたの。」

「いや、俺は別れたつもりないんだけど、なんかその彼女が他の学校に転校したらいんだよね。」

「らしいって、連絡なかったの?」

「それがさ、夏休み中連絡つかなくて、今日彼女のクラス行ったら転校したって言われた。」

「まじかー、薄情すぎだろそれ。」

「だから、自然消滅しかけてる。」

と涙目にユキちゃんがなる。

「でもユキちゃんまだ好きなんだよね?」

「うん、すげー可愛かったし。」

「名前なんて言うの?」

「前田美雨、美しい雨と書いてみう。」

「前田美雨か、俺のクラス今日転校きたけど、佐々木美雨だしな、下の名前は一緒だけど」

するとユキちゃんが、

「えっまって、その子の写真とかない?」

「いや、あったらヤバイでしょ」

「あいつさ、両親離婚するかもみたいなこと言ってた気がしたから、もしかしたら…。」

「いや、ないだろ。」

ユキちゃんのあんな顔初めてみた。俺の知らないユキちゃん。

「とりあえず、僕聞いてみるね。さりげなく。」

「いや、いいよ。もう終わったことだと思ってるから。」

「でも、まだ別れてないんでしょ。このままじゃモヤモヤして気が気じゃないでしょ?」

「ハル…。ありがとう」

「いいよ、友達でしょ。」

僕のことを気にかけてくれたユキちゃんの為にも、何とかしてあげたいと僕は思った。

次の日、僕はいつも通り学校に行き、静かに授業受けていた。隣の佐々木さんをきにしながら。なんだろう。初めての感覚だった。人のことを考えるなんて。

でも、何でわざわざ転校なんかしたんだろう。転勤にしては、距離が近い気もするし、イジメ?いや、こんないかにもカースト上位な感じの子がいじめなんかに合わないだろう。我ながらに分析しまくっていた。

にしても何で佐々木さん。誰とも喋らないんだろう。

昨日はあんなに人が群がっていたのに、もしかして俺と同じ一匹狼タイプだったりして。まぁ俺の場合、ワザとそうしてるだけなんだけど。にしても、どうやって話しかけたらいいのか。中学入ってまともにクラスメイトと話したことないしな。しかも超陰キャラな僕がいきなり話しかけるとか、無理ゲーすぎる。

「もうどうしたらいいか。」

いつもの屋上で、悩んでいた。

「でも、ユキちゃんと約束したし、今更引き返すわけにはいかない。」

僕は、そう心に決め、彼女が1人になる瞬間を見計らって言い出すことを決めた。

「よし、行くか。」

そう言って、教室に戻ろうと立ち上がった次の瞬間、反対側の建物に女子らしき姿が見えた、1人で何をしているのか。よくみると、彼女、佐々木美雨が危なそうに屋上の前に立っていた。僕には、今からこの屋上どう飛び降りるように見えた。僕は慌てて彼女のいる方に行った。

「おい、何してんだよ。あぶねーぞ。」

僕は、今まで出したことのないような声で、彼女に向かって叫んだ。そしたら、彼女は、笑いながらこちらを見て、こういった。

「ごめん、もしかして自殺するとでも思った?」

僕は戸惑いながら、素直に「うん」と言った。

そしたら彼女がこう言った。

「紛らわしいことしてごめん。私、こうやって屋上から外の景色見るの好きだから、ついギリギリのとこまで立ってたの。」

「そうだったんだ、僕の方こそ急に叫んだりしてごめん。」

「いいよ。誤解させるようなことしたの私だもん。」

これが、彼女と初めて話した内容だった。

「君、隣の席の黒川くんだよね?」

「うん」

「なんか、意外だった。黒川くんがあんなに叫ぶなんて。もっとクールな人だと思ってた。」

「まぁ、普段喋んないからなあんまり。」

「なんで、もっと周りの子と喋ったり、仲良くしないの?人見知りとか?」

「まぁ、そんな所。」

「ふーん、友達いないの?」

「バカにしてんのか。」

「違うよ。」

「いや、絶対バカにしてんだろ。」

「だから、違うって笑」

「ほら、今笑いながらいったー。」

「黒川くんていい人だね。」

俺は照れながら「あ、ありがとう」と言った。

すると彼女がこう言った。

「私たち友達にならない?」

「えっ?」

「いや、私も転校してきたばっかりで、友達いないし。」

「いや、でも僕なんかと関わらない方が。」

「なんで、黒川くん面白いじゃん。ねぇ、なろうよ友達。」

僕は、素直に嬉しかった。ユキちゃん以外にこんな事言われたの初めてだったからだ。

「分かった。でも、俺超自己中だし、1人が好きだし、面倒くさいの嫌なタイプだからそこんとこ宜しく。」

「オッケー。じゃあ今から私たち友達だね。」

僕は、マジでこの女変わってると思った。

「とりあえず、そういう事なんで、これからよろしくね黒川くん。」

「よろしく、佐々木さん。」

この瞬間から、僕らは友達になった。

「じゃあ、私先に教室行くね。」

「うん。」

一体どうしてこうなってしまったのだろうか。そもそも何しようしてたっけ僕は…。

ヤバイ、ユキちゃんとの事聞くの忘れた。約束したのに…。まぁ、おいおい聞けるだろう。


こうして、僕の新しい中学生活が始まったのだ。


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