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気づいちゃったおぢさん


 おはよう。おぢさんだよ。


 うん、そうだね。

 寝るのに飽きたんだ。


 まさか寝るのがあんなに退屈なことだとは思わなかったよ。

 ていうかおぢさんって寝る必要あるのかな?引きこもりは寝るもの、っておぢさんのぺるっそなっが囁いたからそうしたけど、寝ている間ただただ暇だったよ。


 まったく、誰だい寝るとか言い出したのは。

 おぢさんだよ。

 おぢさんは常に時代の先駆者だからね。仕方ないね。


 まあこの場所におぢさんのプリティぼでーが寝返りをうてる程度の広さはあるって分かったことは良かったね。ごろごろできるよ。


 ごろごろー。ごろごろー。


 退屈なおぢさんはごろごろしちゃうよ。

 略して暇をもて余した神々の遊びだよ。つまりおぢさんは神。神isGOD,GODisおぢさんだよ。神々しいね。


 ごろごろー。ごろごろー。


 ごろごろー。ごろごろー。


 ごろごろー。ごろごr…ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

 アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!


 ハァッハァッハァッハァッハァッ……!


 クソックソックソックソックソッ!!!!!

 サノバビッチッ!!!!!!!!!!!!!!!

 このクソガッ!!!!!反逆者め!!!!!

 死ぬかと思っただろうが!!!!!!!!!!

 唐突に“外”になるんじゃあないッ!こちとら目も耳もきかないんだぞ!高等生物たる我の知覚を以てしても足下の状態すら覚束ぬと知っての狼藉カァッ!!!!


 …………知覚。知覚かあ。

 そういえばおぢさん、きみの悪辣ひどうっ極まりない罠に嵌められて何度か死にかけて気づいたことがあるんだ。


 おぢさんをいじめるあの熱いやつだけど、最初は熱いだけだったのが、“痛い”と分かるようになって、今では体の中に何かが入ってきているのが分かるんだよ。

 これっておぢさんが“成長”してるってことかな。さすがはおぢさんだね。

 略してさすおぢ。


 それでね、さすおぢおぢさん、気づいちゃったんだよね。

 いまさっきおぢさん、うっかり大海原に出ちゃったでしょ。ちょっぴりおドジなおぢさんもチャーミングだよね。

 そんなチャーミングさすおぢだけど、大海原の無体が前よりほんのちょっっっっっっっっっっとだけ痛くないというか、ましなことに気がついたんだよ。

 これもいわゆる“成長”ってやつじゃあないかな。きっと少しずつ体が強くなっているんだね。


 さすおぢおぢさん。目のつけどころが違うね。世界を動かすたったひとりにふさわしいするどさっだよ。おぢさん万歳、おぢさん万歳と愚民どもの讃歌万雷が聞こえてくるね。


 まあだからと言っておぢさん、わざわざ痛いおもいをして体をつよくしようとは思わないけどね。ふつうに考えて、そんなことをやるのはあたまがおかしなひとだよ。おぢさんは知的っで理知的っなさすおぢだからそんなお馬鹿な真似はしないんだよ。そんなことをやるくらいならまだ寝ていた方がましだよ。

 きみがやると言っても止めないけど、今度から街でおぢさんのキューてぃふぇいすを見かけても声はかけないで貰えるかな。

 頭不遇な下等生物と知り合いだなんて、おぢさんのハイ・ソサエティなイメージに泥を塗るからね。


 じゃあ、そういうことで。

 よろしくね。

 おぢさんは寝るよ。

 何せきみときたら未だにひと言も喋ろうという気配すら見せないし、おぢさんの無為を慰めようという雰囲気の欠片すらないんだよ。外道かな。

 ひとのこころをもたないものにおぢさん関わってなどいられないんだよ。

 でもおぢさんはとっても学習のうっりょくっが高いから、もうきみのけいっりゃくっに掛かって大海原に躍り出たりはしないんだよ。


 すごいでしょ!

 おぢさんすごいでしょ!


 そんなすごいおぢさんは、だから寝るんだよ。だってきみはいつまでたっても喋ろうとしないし、他にやることもないからね。

 おぢさんに目も耳もないことときみが頑なにお話ししないことは別問題だよ。

 例えおぢさんに見えなくても聞こえなくてもきみはおぢさんを楽しませる努力をするべきなんだよ。

 なぜならおぢさんもまた特別な存在だからです。


 ではね。

 スヤァ………。



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