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優しいけどやっぱり怖い

ひとしきり震えていた支団長がやっと顔をこちらに向けた。


「……そういえば……腹は減ってないか?」


……そう言われるとお腹空いたかも知れない。

相変わらず怖くて腰は抜けてる気がするが……。


「キュー……」

「……今から何かもらって来るから、待ってろ。」


そして支団長さんは扉を開けて消えていった。


……こ、怖かった……。

なんか始終眉間に皺を寄せてたし、怖かった。


私の事を気にしてくれているから悪い人では無いのは分かるのだけれども……。


何て考えているうちに私の耳は足音を捕らえた。


扉を開けて入ってきたのはお皿を片手に持った支団長さん。

さっきの足音は支団長さんか。


「とりあえず夕食の残りだ。……本当はもっと柔らかいものの方が良いのかも知れないが……。」


コトン、と床におかれたお皿から来るジューシーで香ばしい匂いが私の鼻をくすぐる。


……のだが、ちょっとその……位置が……近くないっすか?

ああでも美味しそうな匂いがする!

けど、やっぱり支団長さんと至近距離は怖い!


どうしよう、どうしよう、とウロウロ近付いたり下がったりを繰り返す。


「……やっぱり、いきなり近くでは食わないか……。」


支団長さんはそう言ってお皿から遠退いてくれた。

すみませんありがとうございます。


お皿には鶏肉のオニオンソース炒め(匂い的にそんな感じの)が丁寧に一口大に切り分けられて入っていた。


も、もしかしてわざわざ切り分けて来てくれたの……?


「……もう少し小さく切った方が良かったか……?」


うわ、ありがとうございます、やっぱりあなたでしたか。


……支団長さんて、もしかしたら凄く優しいのかも知れない。

相変わらず怖いけど。

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