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喋れないし恐怖しかない

「な、卵が……割れた……?!」


いや、ビックリしてないで助けてよ!


という私の気持ちを読み取ってかそうではないかもしれないが、


「大丈夫か?生きてるか?」

「キュ、キュウー……」


な、なんとかね……

と言おうとして気がついた。


あれぇ?!喋れない?!

いや、まあ予想はしてたけど!

卵って時点で予想はしてたけども!!


おおう……。

このままだとコミュニケーションがとれないよ。


しかもなんだ?

キュウーって。

どんな声だよ。

私の知る限りこんな声をした生き物はいないと思うんだが。


「……やはり、ドラゴンだったか……。」


…………はい?

………………はいぃ?!

今何て?!

へ?!どらごん?!

ってあの?!


私は混乱しながら自分の手足や背中を確認した。


白銀のフワッフワな毛並みに覆われた手足には、それに不釣り合いな程の大きさの鋭い爪。

そして背中には少し小さめだが、4枚の悪魔の羽根のような……だが、毛並みと同じく白銀の色をした翼があり、腰の辺りからは狐の様にふんわりとしているが長めの太い尻尾が生えている。


そして何より、この視界の広さ。

異常に広い視界は、目が人間よりやや横めについていると言うことを物語っている。


そして、目の前には……少し切れ長な鋭い目をした整った顔をした男がいる。


……正直に言おう。

この人、全体的には整った顔をしているのだが、雰囲気がめっちゃ怖い。

もう一度言おう。

怖い。


な、何かあなたの機嫌を損ねる事をしましたでしょうか……?


と、私は怯えてプルプルと震えた。

すると今度はそんな私の様子を見て目の前の支団長さん(だと思う)は、


「……つ、辛い……」

と言いながら片手で顔を覆って震えだした。


え、え、ど、どうされました?

そんなに面白かったですか?

私が机から転げ落ちたのが?


まあ、確かに自力で殻が割れなかったのは認めるよ。事実だしね。

そして机から落ちてやっとこさ出れたのだから、この際私が間抜けだったことも認めよう。


……自分で言ってて悲しくなってきた。


でもさ、その顔を覆って背けるのは止めて?

もうちょっと心配してくれてもいいでしょ?!

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