何も見えない此処は何処?
起きたら真っ暗な空間にいた。
しかも、なんか硬いモノの中に居るような感覚。
とりあえずそのモノごと動こうとしたら少し揺れたあとにフッ……
っと一瞬重力を感じなくなった。
で、そのあと直ぐにガンっ!!という衝撃のあと、ぐるぐると高速で転がるような感覚に襲われた。
今高速で回転しているってことは、私の入っているモノは少なからず角のあるものじゃないのか。滑らかに転がっていると思う………
……ってちょ、ちょっと待って止まって止まって気持ち悪くなってきたーーー!!
だが、もう一度ドンッと何かにぶつかって……
あれ?止まってる?っぽい。
あーー良かったー本当に気持ち悪かったから助かっ……
「……なんだ?これは……?」
「支団長、どうしたんです?」
「いや、ナニカが靴に当たったと思ったらこれが……。」
「なんです?これ?白い丸石?」
……え?話し声?誰?
というか、もしかしなくてもその当たったナニカって私のことだよね?白い丸石?なの?私が??
と、一人混乱していると、トンッと何かに触られたような感覚があって、しばらく話し声が聞こえなかったが、やがて、
「……もしやと思ったが、僅かに脈の様なものがある。これは卵だろう。」
「えっ?!まじですか?!そんな大きさの卵ってみたことないですけど……。」
「……保護するか。」
「ええ?!保護って……。」
「可哀想だろう、このままは。」
「確かにそうですけど、親が直ぐにくるんじゃないですか?」
「でも実際、親は来ていない。こんなに大きな卵が巣から落ちたら流石に直ぐに気がついてやってくるはすだ。」
「そうですけど……。」
「なのにこれだけ話している間に来ていない、ということは……」
「……あ!もしかして育児放棄されたとか!」
「そうかもしれない。だから保護するんだ。帰るぞコルザ。」
「あ、はい!」
と聞こえた後、何かに持ち上げられ、ユラユラと揺れ出した。
……ふわぁ、眠くなってき……ZZZ……
私はユラユラとリズムの良い揺れの中で寝た。