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○○とは限らない

流行りだからって乙ゲーに転生するとは限らない

作者: 夕焼け

初投稿です。勢いのままに書きました。


 突然ですが、私には前世の記憶があります。


 何を言ってるんだと思われるかもしれないですが、今流行りの異世界転生です。どうして転生したかとか、この世界がどういう世界かとか詳しい事は省きますけど、流行りの異世界転生をしました。


 何故、同じ事を繰り返し言ったのか、それは今の状況から逃避したいからです。


 今現在、乙ゲー悪役令嬢婚約破棄ざまぁの真っ最中なのです。


 私?私はただの観衆です。たまたまお約束の学園最後の舞踏会に卒業生として参加していただけの所謂モブです。

 前世の記憶があるなら攻略対象に近付いたりヒロインや悪役令嬢を助けたり傍観したり出来ただろうと思われますが、私はどれも全てノータッチでした。

折角前世の記憶があるから私だって色々やりたかったですよ。でもね、前世の記憶なんて何の役にも立たなかったのです!


 だってこの世界は乙ゲーでも漫画でもなくラノベはラノベでも「Webサイトで流行りの悪役令嬢婚約破棄ざまぁ作品」なんです!!


 ぶっちゃけ悪役令嬢の没落エンドとか処刑エンドとか知らないし。

 ラノベの中の乙ゲー設定なんて、そんな乙ゲー存在しないからプレイも何も出来ない!!だから攻略対象に近付くって攻略対象なんて分からないし、バッドエンドに向かってる?悪役令嬢やヒロインを助ける事なんて出来なかったですよ。


 攻略対象なんて見れば分かるだろうとお思いかも知れませんが、モブである私がいくら学園内だからといって簡単に王太子や侯爵令息、近衛騎士に近付くどころか見る事すら出来ませんでした。


 だいたい「Webサイトで流行りの悪役令嬢婚約破棄ざまぁ」なんて今、断罪されてる侯爵令嬢の「えっ!?シナリオと台詞違うし」と王太子の後ろに居る男爵令嬢の「これから私ざまぁされるのね」って結構大きな独り言を聞いて初めて気付いたんですから!!


 誰にでも聞こえてしまう独り言って大丈夫なのでしょうか、あの二人。モブながら少々心配してしまいます。


 こんな状況を察しのいい方はお気付きかもれませんが、悪役令嬢とヒロインも転生者ではないかと。違います。さっき私が言ったでしょう、この世界は「Webサイトで流行りの悪役令嬢婚約破棄ざまぁの話」と。そうです、この二人も転生者という設定のキャラなのです。

 何故この二人が話の中のキャラって分かるかって?

 それは私の前世でこの様な作品が溢れてたからです。

 私は前世、読み専でこの様なテンプレ作品を山ほど読んできたのです。いきなり始まったこのお約束展開も台詞も記憶にあるのです。


 具体的に作品名や詳細とかは余りにも似た様な作品が沢山あった為に思い出せませんが、流行りの悪役令嬢婚約破棄なんて流れはだいたい同じなんで問題無いと思ってます。


 この目の前で繰り広げられてる茶番を強制的に一観衆として見させられてる状態にいい加減嫌気がさして(前世で何度も読んだから)皆様に一人語りをしてしまったんです。


 皆様には唐突に愚痴を言ってしまい申し訳ございません。


 おや、断罪シーンもそろそろ佳境に入ってざまぁが来るみたいです。あ、ヒロインがざまぁされると見せ掛けて悪役令嬢に断罪返しをしてます。

 この展開は読んだことないです。あっヒロインと悪役令嬢がキャットファイトを始めました!

周りの攻略対象も二人の鬼気迫る迫力にドン引きしてます。

誰か止めてあげて下さいよ、二人の美しい顔に傷が!!


 今やっと正気に戻った王太子の命令で騎士達が二人を引き離しました。あ〜あ、二人ともボロボロです。

これは私の読んだことないラノベですね。この後の展開が気になります。


 どうやらこの茶番は両者キャットファイトによる痛み分けで終るようです。

そんな事でいいのでしょうか?断罪の内容が汚職とか暗殺とかも入っていたので簡単に物事を済ましてはいけないと思います。


 なんだかこの国の未来が不安になってきました。

私の隣の方も同じ事を思ったみたいで顔が引き攣ってます。


 さて、茶番も一段落したので舞踏会の再開です。再開って言われてもこの雰囲気ではとてもダンスをする気にはなれません。

 これは早々に退散した方がいいかもしれません。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





 あら?貴方は先程隣にいた方ですね。貴方もお帰りになりますの?私もです。

 まあ、隣国の第三皇子様だったのですか!?これは御挨拶もせずに失礼をしました。

え?ダンス……ですか?私で良ければ喜んで。





 この後ラノベなら私と隣国の皇子との恋が始まりますが、それはどうなるか分かりません。





 だって私、その作品読んでないから








ありがとうございました

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