リアル×FPS
時は近未来。
人類の科学・化学は進歩し、環境問題も改善、いや解決された世界。
全てが自動化され、人々は働く必要が無くなった、まさに理想の世界が訪れた。
となると人々がやることと言ったら、娯楽に興じ、人生を謳歌することだろう。
ごく最近開発されたゴーグルが此処にある。
このゴーグルをセット。自身で遊びたいゲームを選択。
すると……そのゲームに自身が入り込んでいるのだ。
もちろん、これは……。
何?長い説明は良いからとっとと要点をまとめて話を進めろ、だと……
せっかちでいいことはないぞ。
まぁ、いいや。
これから始まる話はそんな世界に居る一人の少年のお話し……
----
リアルFPS
かつて、日本の都市として栄えた元東京である超東京。
もっと絞れば、秋葉原。
本日僕がここに来たのは新発売されるゲームを買いに来たからである。
しかし……外はうるさい。車なんか使わなくたって今は移動ができるのに……
『エネワンが9:00をお伝えします』
9:00になった。目的の店は目の前。
今回の新作は、全世界で同時に発売される。
ゲームソフトの名は「VirtualWorldWars」、通称VWW。
内容はただのFPS。しかし、リアルなのだ。全てが。
α版をテストプレイヤーとして招かれた時にプレイしたがかなり恐ろしい。
顔を掠めて飛んでくる弾丸の音なんかはかなり本物に近い。と言うか本物なのではと言うレベル。
『先着チケットは残り30枚です』
店舗別先着50名に渡されるこのチケットは、ゲームを少し有利に進めることができるチケットである。
これを使用すると……。っと僕の前には何人いるのか確認せねば。
……。ちょうど25人。何もなければ確実に手に入る。
あっと、チケットの話の途中だったな。
このチケットが在れば武器の威力を上げたり、自分の耐久力を上げたりすることができる。
その程度か、と言われればその程度だが、101のHeadShotを耐えられるのはアドバンテージだと思う。
『5000GPです。購入しますか?』
当然YES。でなければ何のためにここに来たの。と言う話になる。
時間は9:01。早く始めなければ……。
と言いたいところだが、インストールが完了しても9:30分から一斉スタートらしいから待機。
『テストプレー景品をどうぞ』
手渡されたのは、支給品。まぁ、使わないかな……粘着爆弾なんて誰がどの場面で使うんだ。
今一番必要なのは移動用の銃。之が在れば移動がかなり楽になる。
バグが修正されていなければ、弾数を減らさずに何度も使用できる。
『ゲームを始める際の情報入力をどうぞ』
名前:船倉 自由
ゲーム内名前:Ship=F=Marks
年齢:18
希望タイプ:スナイパー
…………等々
初回プレイだけあって、名前の自由度はかなりある。
ただ新しくゲーム始めるたび、毎回これを入れるのは面倒だな……
何とかなればいいのにな……