蒼穹
‘君’を兄弟のように、心友のように慕っている‘僕’。
君にしてあげられる事は何だろう
---これでやっと最期になるだろう
この途方もない戦いが
これだけの犠牲の上に一体何があるのだろう
誰も気付かないのだろうか
本当にすべき事は、こんなことじゃないのに
僕は父に教えられたように生きてきた
僕には光がなかったから
父に従う事が運命だと信じてきた
僕はこの人生に迷いがなかった
そんな僕に迷いを齎したのは君だった
君といた事で僕は変われた
僕は君に何をしてあげられるだろう
何度も何度も考えてるのに何も浮かんでこないんだ
君は僕の知らないことをたくさん知ってる
君と暮らして僕の世界は広がったんだ
君の白い綺麗な心が僕の黒い心を包んでくれた
君といて僕は僕になったんだ
この世界をこの人生を意味のないものだと思っていた
いつも僕の周りは高い高い壁があった
だから皆が僕に向ける笑顔は全部仮面だ
君だけが
君だけが僕と向かい合ってくれた
こんなに役立たずの僕を君は必要だと言ってくれた
例え戦いが起きても僕は何も出来ない
僕は弱虫で本当の戦いからは逃げてしまう傷ついた人に薬を塗ることも
戦わない僕の言葉には何も意味を持たない
誰も耳を傾けない
君は勇敢だから皆のリーダーで僕のヒーロー
僕を笑わせてくれるのはいつも君
僕を叱ってくれるのもいつも君
本当の家族みたいで本当の兄弟みたいで心友みたいで
そうなりたいといつも願ってた
君の目はいつも輝いてるんだ
いつも優しく微笑んでくれる君
そんな君だから彼女が君を好きになるのがよくわかるんだ
知ってる?戦いの時いつも彼女はお祈りしてるんだ
君が無事で帰ってくるように
君の側にいられるように
もっと君と話したい
もっと君の世界を見たい
もっと君といたい
このちっぽけで大きい僕の望みは叶うだろうか
最後の戦い
君は強いからきっと勝利するだろう
城は破られてもまた新しく建てればいい
君が負傷して帰ってきて僕は冷たくなった
君の透いた目を敵に傷つけられたと聞いて彼女は涙を流してる
僕じゃ役不足だから、君の無事を知らせてあげて
僕は君に感謝してる
僕は君と会って生きた
君と一緒だった7年が僕の一生
僕は君に何をしてあげられるだろう
君の傷ついた目
僕は何度でも君の輝いていた目を思い出せる
失いたくない
だから
僕の分も君が見続けられるように
君が僕に見せてくれた世界がもっと広がるように
君と同じものをみたいから
君みたいに綺麗じゃないけど
僕が君にあげられるもの
そっと目を開けて
君に似た蒼い蒼い空が君の目に映った
僕も一緒に君と見るんだ
君の未来を。
読んでいただきありがとうございました。
感想など一言でもいただければ幸いです。
もしかしたらBL?と感じる方もいるかもしれませんが、私個人的にはBLのつもりはありません。
【大切な人】という枠の中の気持ちです。