届かない気持ち
私はあなたが好き。
でも、あなたは私が好きではない。
そんなことはとっくに気付いていた。
悲しくない、と言えば嘘になるけど、あなたの気持ちもわかるから、だから、私はあなたのそばにいるだけ。
何度も話しかけたけど、無視されてしまう。
最初はとてもつらかったけど、そのうちそれが当たり前になってしまったせいか、悲しく思うことが、日に日になくなっていった。
今は、私が独り言のように勝手に話しているだけ。
そんな状態が、ずっと続いていた。
でも、私はそれでも嬉しかった。一緒にいるだけで幸せなんだ。
だから、私は今日もあなたのそばで、独り言を話す。
それが、私の恋愛だから。
いくら無視されようが、こっちを見なかろうが、あなたの近くにずっといられるだけで私は満足だから。
でも、人は、人の魂は、とても強欲なのだ。
今の現状で満足してる私でも、いつかはきっと、私に気づいてくれる。私と話をしてくれる。そう思ってしまう。
何年先になるかわからないのに、勝手にいつかは結ばれるんだと、そんな妄想をしてしまう。
そんなこと、あるわけないのに…
私は今日もあなたに無視される。
でも、それを怒ることもなく私は今日もあなたに話しかけるのだった。
それが、私が初めて感じている幸せなのだから。
この小説は、捉え方が二通りあります。
ちなみに作者は、題名のままの意味で書きました(笑)