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夏の日の出来事  作者: 夕部空波 
実幸の思い
7/12

7 品定め

とっても短いです。

 1年前の夏の日です。わたしは、父の仕事の異動で峡守町に引っ越してきました。



 初めての景色。初めての学校。転入生だからかざわざわと騒がれる。こういうのが嫌なのだが、その町に市に、一人でとどまる理由もない。新しい制服を着て、下を向いて先生の後ろを歩く。もうすぐホームルームだ。わたしの自己紹介が始まる。


 先生が長い連絡事項を述べ終わる。ガラッと扉があく。時計を見るともうすぐ鐘が鳴るようだ。


「今日から、二年B組のクラスメイトになる、紫原実幸(しはらみゆき)さんです。みなさん仲良くしてくださいね。…紫原さん、何か一言」


少しざわついているが、何度も味わうのはこの、どんな子だろうかと、品定めをされている感じ。全身を物凄く見られる。思いっきり見られる。この感じが居心地が悪くて嫌いだ。


 何か一言。そんなもの、決まっている。いつも新しい場所へ来た時に言う決まり文句だ。


「……紫原実幸です。またすぐに引っ越してしまうと思うので、あまり仲良くしてくれなくていいです。よろしくお願いします」


また教室がざわつく。わたしは一番後ろの席に案内された。

 どこへ行っても、ここら辺の席だというのが、小学校からの決まりだ。ガタンと音を立て、椅子を引き席に着く。もう引越しなんてうんざりだ。どこもかしこも、おんなじ目でわたしを見るのだから。


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