出会い~黒
彼女は生まれつき病弱だった。そんな彼女をぼくはいつも遠くから見つめていた。
入学式の日、僕の隣の席だった。
透き通るような白い肌に、華奢な体、どこか幻をみているような不思議な目。
僕は初めて
――――――一目惚れをしました。―――――
次の日、僕の隣は空いていた。次の日も、翌週も・・・
「夏川 はるかさんは家庭の事情で、学校にたまにしかこれないそうなので、みなさん気にしないでくだ さい。」
彼女は幻だったのか?と疑問を抱き始めた12日目の朝、突如、担任にそう言われた。
いわゆる引きこもりなのか?心の奥底で納得していた。でも、そんなの関係ない。
好きになってしまったのだから・・・
僕は学級委員になった。めんどくさいけれど、それには理由があった。
一言で表すと「金持ちの家」だな。
せまい3階建てが建ち並ぶ都会の住宅街で、この家は一際輝きを放っている。でも、なぜだろう何かがおかしい
「今日、ちょっと不機嫌みたい。ごめんね。」
愛想がないように、彼女の母親はそう言った。
普通の主婦だが、やっぱり何かがおかしい。
「そうですか。すみませんでした。」
すると、僕の鼻先でドアをぴしゃりと閉めた。
いやな感じだなぁ~~
!!
僕は気付いた。
黒い・・・・